本当はもっと堅い話題について書きたかったのだけれど、時間がないので、見た映画について。
この映画、将棋プロになるためにある養成機関である奨励会を、年齢制限で退会し、その後、アマチュア界で活躍、プロとの対戦もするなかで、互角以上の戦いをしていた主人公が、周囲の協力によってプロ試験を設定してもらい、それに応えてプロになるまでの物語である。
この映画、監督自体が、元奨励会に所属していたことがあるようで、うまい将棋界の描き方ができていて、将棋に詳しくない人が造っていたら、別の映画になっただろうな~と思った。
少年時代、主人公と、同じ道場で競う友達の才能を見込んでコーチをする道場の席主、ただし少年たちの夢が破れると、「いい夢見させてもらった」と言い残して席主を退いたり。
あと、奨励会の中々うまく勝ち続けられない閉塞感からどうしても目を背けてしまうこと、それから将棋嫌いになる人も少なくないと思うのだが、そうならないのが主人公の性格の良いところで、このあたりのことを、うまく、さらりと描いているのが見やすいと思った。
それから、もっと本人の実際の背景を知りたくなる、という意味で、原作を読みたくなった映画でもあった。