昨今、AI技術の導入により人間の労働が代替される=人間が仕事を失うという予測や議論があるが、それについて考えたことを話してみたい。
というのも、ホブズボームは、あるところでラッダイト運動の原因は、機械の導入への不満よりも、機械の導入により労働条件が悪化した事への不満だったという。
労働者の不満は、機械の導入そのものよりも労働環境の悪化の方にあったというのである。つまり、機械化によって生産 . . . 本文を読む
前回のエントリーを書きながら、経済学の意義というか、意味について、マーシャルプランの最近の評価と関連してあれこれ考えたので、頭の整理のために個々で書きたいと思う。
というのも、下の欧州連合の歴史に関する本によると、現在の研究では、マーシャルプランの経済的効果は限定的だったという評価のようである。
Europe Recast: A History of European Union (The . . . 本文を読む
ナッシュ均衡で有名な数学者ジョン・ナッシュの人生を描いた映画『ビューティフル・マインド』を見たので、それについて。
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この映画、NHKで放送されていたのをたまたま録画していて、それをみたのだが、期待していなかったからか、「予想外に良い映画」と思えた。
ナッシュ均衡の概念は知っていたし、学生時代にそ . . . 本文を読む
チャン・イーモウ監督の『サンザシの樹の下で』を観たので、それについて。
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文化革命の下、年齢の離れた青年と少女の淡い純愛映画である。個人的には、見ていて面白かった。
結構前だが、粉川哲夫氏は、チャン・イーモウ監督のある映画について、「思想的(だったかな? 政治的だったかな?)締め付けが強い体制下で、自由に映画を作るとしたら、映像美 . . . 本文を読む
マルクス(上):ある十九世紀人の生涯ジョナサン・スパーバー白水社
マルクスとエンゲルスとイエニーの三人の映画を見た話はしたが、今日はある評伝について。
マルクス関連も伝記は、かなり多くあり、それぞれに良い部分があると思う。このスパーパーの物は、整理された最新の研究に依拠しつつ書かれていて、面白い点がある。
そこで気になったのは、マルクスと革命と結婚に関する関係を、スパーパーがどう捉えて . . . 本文を読む