今手にとって、パラパラめくっている本がある。フーコーとレモン・アロンの対話Dialogueである(リンクでamazon.frにジャンプする)。
薄い小冊子なのだが、1967年に仏のラジオで放送されたもの。二人の対話のあとにBertという社会学者が分析・解説を載せている。
いわゆる「構造主義」に対して批判的な態度をとり続けていたアロン(といっても「流行」としてのそれだが)と、フーコーとの対話とい . . . 本文を読む
海外では新学年がはじまった時期です。一年目の大学への登録の話は、以前こちら(1、2、3、)
でしましたが、二回目の登録の際にも、いやはや、これまた問題がありました(笑)。
二年目の登録の際に問題だったのは、滞在許可証の期限が迫っているのに大学が再登録許可の書類をなかなか出してくれなかったこと。その年は、大学全体で手続きが遅れていたのですが、大学の窓口に行ってもラチがあかず、他方で受け付けも学 . . . 本文を読む
実はこの話をするか迷ったのですが……。でもまあ、失敗談としてまずは話wpしさせて頂きます。
でまあ、留学一年目のことでした。5月にあるゼミで発表をすることになります(発表が単位取得に必須だったので)。私が参加していたそのゼミは、学生が 全部で10人ほど、留学生は私一人でした。課題は、ある理論家のテーゼを各々90分で発表するというもの。ただ、このテーゼが、数行の代物。それ を90分かけて、あれ . . . 本文を読む
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映画『ロング・エンゲージメント』を見て考えたことの続き。
この映画、日本では「ラブストーリー」として宣伝され、ある批評家は「反戦映画」として考えるなど、いろいろな見方をされていた。まあ、良い映画というものは様々な見方が可能なもの(だからこそ、様々な人々に鑑賞されるのだから)、この映画もその例に漏れないと言 . . . 本文を読む
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かなり以前だが、映画『アメリ』のオドレイ・トトゥとジャン=ピエール・ジュネ監督が再び組んだ映画『ロング・エンゲージメント』を見たので、その映画について。
いつもであれば、仏語の映画は、頑張って字幕なしで見るが、との時は気分もあって、字幕で見ることに。まあ、私の仏語のレベルからすると、やはり字幕で見て正解。 . . . 本文を読む
実は今回の話題、この場で書くかどうか迷ったのですが、まあいろんな話を混ぜながら、話をしたいと思います。いや、本当は他にも書く話題があったのですが……。ちなみに日本の話ではありません。
さて、今日書きたかったのは、あるblogを読んだ感想です。いや、そのblog、どうやら仏の地方大学へ留学している女性が書いているようなのです が、その女性、留学先の大学の先生からハラスメントを受けていたようで、 . . . 本文を読む
amazon.co.jpをいろいろ見ていたら、宮崎駿の『ナウシカ』の英訳本を見つけた。英訳のみでなく、仏訳本も出ていて、昔、留学した当初、語学の勉強&暇つぶしの両方をかねて、よく読んだのを思い出した。ちなみに仏訳は、こちら、Nausicaä de la vallée du Vent. 2。
で、あることを思い出した。
私が留学をはじめたのは2001年の9月だったのだが、この本に出てきたv . . . 本文を読む
アルチュセールの著作『精神分析講義』の翻訳ががいよいよ刊行される。
精神分析講義――精神分析と人文諸科学についてルイ・アルチュセール作品社このアイテムの詳細を見る
今日、献本をいただいてしまいました。ありがとうございます。訳者の一人である伊吹さんからでしょう。伊吹さんは、アルチュセールの『再生産について』で共訳者として一緒に作業をさせていただいたことがあります。
再生産について 上 イデ . . . 本文を読む
気分がのらない日には何をするか? これは研究生活を送る人にとっては、けっこう大きな問題ではないかと思います。音楽を聴いたり、映画を見たりなど、人それぞれに、いろいろな方法があると思います。最近の私の場合は、部屋の掃除からはじめます。原稿などやらねばならないことがあるにもかかわらず、気分がのらないと、とりあえず私は部屋の掃除からはじめます(笑)。で、部屋が一通り片づくと、なんとなく勉強をはじめよう . . . 本文を読む
ここで何回か自分の仏での失敗談を話していますが、今回はその続き。
話は私の指導教官が主催していた「研究会」のようなものでの出来事です。この研究会、若手の研究者や、大学院生、それからすでに大学の先生に なった方々が参加しておりました。で、まあ、この研究会で、一年間のスケジュールが終わった際に、軽い「立食パーティー」のような催しを行った時のことです。
こういう時になると、私のような人間はとりわ . . . 本文を読む
もう九月。ただ、7月にAmazon.frで注文したはずの本は未だ発送さえされず。そこで、今日はAmazon.frで本を購入した際にあった失敗談。
ネットで本を買う時は、実際に届いてみると「思っていたものと違う」という事が多々あるもの。実際にとって中身を見てない故に、そうしたことはある程度避けられない。これは本に限ったことでなく、服などについても同じ事が言えるのではないか?
日本のネット . . . 本文を読む
最近、このblogで私のりゅう学の時の話をしています。まあ、そのほとんどが失敗談。で、今日は講義の話。
私の一年目は、ほとんど外国人一人の生活。その上周囲の学生は、教授資格試験の準備にていっぱいで、外国人のつたない仏語に付き合う時間のない人たちでした。それは如実に、教室の席の座り方にも現れています。
というのも、仏の大学の講義では、先生が言ったことをすべてノートに書き取るのが、一般的なノ . . . 本文を読む
前回のエントリーで触れた本に関する続きである。
と、言いつつ、実際には本のことではなく、装置という概念について。この装置という概念はフーコーの場合dispositifという概念が使われている。
これに対して、ブルデューがよく使う語で、性向と訳されている語がある。ハビトゥスの説明の際に心的性向とかいった使い方がされていたのではないかと思う。個人的性向とか、その他にも用法があったと思うが、この . . . 本文を読む
現在庫の本を読んでいる。イタリアの哲学者、アガンベンの仏訳本。
Qu'est-ce qu'un dispositif ?
フーコーの装置概念を、その起源にさかのぼりつつ検討するという本。というよりは、小冊子なので論考と言うべきか。アガンベンはそれを、イポリット経由のヘーゲルにまでさかのぼりつつ、検討する。ただし、時期的にこの装置という概念がフーコーに出始めるのは70年代に入ってからであるが。 . . . 本文を読む
一応研究者であると、自分のことを考えているが、あまりまじめな態度とは言えないが、最近本屋に足を運ぶことがない。久しぶりに今日は本屋に行った。最近はもっぱらネットで購入するか、図書館ですませてきた。
ということで、新しい本の情報が入らなかったりする。で、ある仏語の本を買おうとしていたのだが、今日本屋に行って、翻訳がすでに出ていることに気づく。無駄な買い物をしなくてすんだ。まあ、論文で言及するとな . . . 本文を読む