a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

「難解」な理論

2009年01月30日 | 研究生活
 たしか数年前ぐらいのことだったと思う。NHKのドキュメンタリー番組、NHKスペシャルで、NHK交響楽団の音楽監督だったアシュケナージに焦点を当てたドキュメンタリーが放送されていた。このドキュメンタリー、ソ連時代のロシアにおいて、いかに芸術家の自由が抑圧されていたのかを取材した番組だった。  アシュケナージとは、現在のロシア(当時はソ連)出身の音楽家で、その当初はピアニストとしてキャリアをスター . . . 本文を読む

気になる本:本の検索「の旅」その1

2009年01月30日 | 読書
どうでもよい話。である反面、ちょっと気になることも。  というのも、一応私は、自分の専門の中心をアルチュセールの社会理論に置いている。そして、アルチュセールについて何か新しい本が出ていないか、調べたところの話である。  あまり良いとは思わないが、私は新しい本が出ているかどうかどうかを調べる時は、Amazonを利用している。Amazon.comだったり、Amazon.frだったり、Amazon . . . 本文を読む

The Way of the Gun:映画『誘拐犯』

2009年01月25日 | 映画
誘拐犯 DTSスペシャル・エディション [DVD]パイオニアLDCこのアイテムの詳細を見る  映画『チェ 28歳の革命』に主演しているベニチオ・デル・トロが主演している映画、『誘拐犯』について。  映画紹介には、「しがない二人のアウトロー、ロングボーとパーカーはふとしたことから大富豪チダックの子を宿した代理母ロビンの存在を知る。さっそく二人はロビンを誘拐するが、チダックが実は裏組織と通じていた . . . 本文を読む

『チェ』を見ようと思ったが……

2009年01月21日 | 映画
 映画『チェ 28歳の革命』を近々見ようと思っていたら、ある友人も興味があるらしく、一緒に見に行く約束をする。が、当人が、2月中旬にならないと比較的自由にならないとかで、それなら、それぐらいの時期にしようという話になる。当方も、現在は採点などもあるから、ある意味都合が良いかもしれない。  ということで、この映画について何か書こうと思っていたのだが、それは後のことになりそうである。前々回のエントリ . . . 本文を読む

気になる本・気になること

2009年01月20日 | 読書
 少し前、作田啓一先生が公開されているblogを久しぶりに読んで気になったことがあったので、僭越ながら、そのことについて。  リンクは張らないので、「作田啓一 ブログ」ぐらいの検索語でググって欲しい。そこで、先生は「新自由主義と自大史観とが全く矛盾しないかのように両者を一体として押し進める政策路線が、どうして成り立つのかが拙者には謎であった」と述べているのだけれど……。作田先生が言っているように . . . 本文を読む

資本主義批判、革命、チェ

2009年01月15日 | 社会問題
 なんか仰々しいタイトルを毎度付けてしまうのだが、そして毎度のごとく、内容そのものはたいしたことはない(苦笑)。まあ、今回は私の思い出話ぐらいのつもりで読んで欲しい。  というのも、本当は、チェ・ゲバラについて話をしたかったのだが、その前に、「ゲバラ」という存在を私が気にしだした経過について、話をしたいと思う(そう言う意味で「思い出話」である。また、それ故に本当の意味で革命や資本主義批判の話では . . . 本文を読む

映画『21グラム』

2009年01月15日 | 映画
 前回のエントリーの続きを書いたり、他にも、前に軽く紹介した本について、人文書院の松岡さんから本を頂いたので、ちゃんとした紹介をせねばならないのだが、その前にある映画について話をしたい。 21グラム [DVD]東北新社このアイテムの詳細を見る  ショーン・ペン 、ナオミ・ワッツ 、ベニチオ・デル・トロ 、が出演している映画『21グラム』について、である。これは、実を言うと、かなり前に見た映画 . . . 本文を読む

戦後社会と山口百恵:その2

2009年01月07日 | 社会問題
 前のエントリーで「戦後社会と山口百恵」などというタイトルを使ってしまったが(こちら)、今回はそれのつづきである。  前回の話は筑紫哲也と山口百恵の話で終わったが(筑紫哲也と山口百恵については、こちら)、今回はその話から。ちなみに、山口百恵が蒼い時 (集英社文庫 126-A)を書いていた時に、筑紫哲也も同じ事務所に出入りしていたらしい。  その筑紫哲也の追悼番組に出演した姜 尚中は、「自分はか . . . 本文を読む

戦後社会と山口百恵:その1

2009年01月07日 | 社会問題
 なんとなく思わせぶりなエントリータイトルだが、毎度のことで、中身はたいしたことはない。そのつもりで、見て欲しい。山口百恵が戦後社会を象徴or反映していたというものでもない。あしからず。  ただ、年末に朝日新聞で見田宗介が、論文「まなざしの地獄」で取り上げた殺人事件と秋葉原で起きた殺人事件のことを比較していた記事が載っていたのを読み、「戦後社会」というのを少し考えていた。そんな話のエントリーであ . . . 本文を読む