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社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

「黄色いベスト運動」について、その2

2018年12月05日 | 社会問題
 黄色いベスト運動について、続けます。

 この運動が特異なのは、インターネットから始まった自然発生的な運動であること。だから、運動のリーダーや代表者がいるわけでもなく、仏政府が「代表者」とされる人間をエリゼ宮(仏大統領官邸)に呼んでも、交渉ができるわけでもないし、運動の広がりをコントロールでき訳でもない。

 そのことは、日経の記事でも指摘されている(有料記事です)。

仏デモ、SNSで急拡大 交渉相手不在で収束遠く

 こんなことは、あらかじめ予想されていたことである。

 まあ、現政権の運営は、仏国鉄の有給休暇の削減や年金支給年齢の引き上げなどを、国鉄労働者の反対を押し切って進めようとしたこともあり、国民の意見に耳を傾ける姿勢を見せなかったことからも、こうした運動に対する対策を考えられないということことが起きることはありえたことだったが。

 政権運営を企業経営(あるいは投資対象)のように考えて施策を推し進めてきた結果と言えるのかもしれない。

 


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