a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

ヨーロッパ、アラブ、ギリシャ

2010年02月26日 | 読書
 昨日は、大学の図書館へ行った話をしたが、帰りのバスの時間まですこし暇だったので、図書館の脇にある雑誌・新聞閲覧ラウンジで時間をつぶした。この大学、こうした「フリースペース」があって、そうしたところに英字新聞やその他の雑誌があり、暇がある時に情報収集ができて、非常に良い。  で、これからする話は、昨日集めた情報ではないが、ルモンドの書評に関わる話。  あまり日本では知られていないが(また、仏で . . . 本文を読む

大学へ行く

2010年02月25日 | 研究生活
 昨日は、非常勤をしている大学の追試があって、大学へ行く。今年は、インフルエンザの影響か、普段より人数が多かった。  追試のためだけに大学へ足を運ぶのもなんなんで、帰りは図書館へ。  驚いたのは、休みなのに学生が比較的多くいたこと。開いている本を見ると、資格などの試験などの勉強をしている学生が多かった。私的意見を言わせてもらうと、学生が勉強するのは良いことだと思う。というか、日本の学生はこれま . . . 本文を読む

68年、不可能な遺産

2010年02月20日 | 社会問題
ここのところ68年の五月革命の話をしている。「五月革命って何?」と思っている方は、以下のリンクを参照して欲しい (五月革命 (フランス) - Wikipedia)。 実のところ、ここ数日この話をしているのは、 Mai 68, l'héritage impossible という著作によるところが大きい。その内容は、当時の状況を跡づけつつ(ただし著者は、60年代世代である)、その運動が抱いた希望 . . . 本文を読む

68年について

2010年02月19日 | 社会問題
68年についての話の続き。 1968年の世界史アラン バディウ,イマニュエル ウォーラーステイン,竹内 敏晴,河野 信子,子安 宣邦,黒田 杏子,西舘 好子,加藤 登紀子,佐々木 愛,宮迫 千鶴,他藤原書店このアイテムの詳細を見る この本の中で、バデュは、アルチュセールは五月革命に関わっていたし、影響を持つ存在であったと述べている。ただ、五月革命の時にはアルチュセールは、精神病で入院しており、 . . . 本文を読む

68年?

2010年02月18日 | 社会問題
最近blogで書くことがないと思っていたが、一つ思いつくと、数珠のように連なってあれこれ出てくる。で、あれこれ出てきたところで、「これは時間がかかる」と放り出してしまうことがなくもない。実は今日の話題もその一つ。 エントリーが「68年」というタイトルだからといって、これから話をするのは小熊英二氏の本の話ではない。68年といえば、やはり本家の仏の五月革命である。 無論、「本家」などと形容する必要 . . . 本文を読む

映画W.

2010年02月17日 | 映画
ブッシュ [DVD]角川エンタテインメントこのアイテムの詳細を見る 映画『ブッシュ』(原題 W.)を見た。 個人的には楽しめる映画だったと思う。いつもの通り、内容紹介と批評は、粉川哲夫の「シネマノート」W.を見ていただくとして(笑)、ここでは自分の個人的な意見を。 オリバー・ストーンは、アメリカ的な主題を映画で扱う時は、切れ味の良い作品を残すと、個人的には思う。が、米の新聞の批評では、あま . . . 本文を読む

仏って住みやすい?

2010年02月14日 | 社会問題
世界一住みやすい国は? 米誌ランキング発表(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース  この記事を読んでいて、マイケル・ムーアの映画『シッコ』を思い出した。 スマイルBEST シッコ スタンダード・エディション [DVD]Happinet(SB)(D)このアイテムの詳細を見る  この映画については、毎度のことだが、粉川哲夫氏による秀逸な批評がある(いかがリンク粉川哲夫の「シネマノート . . . 本文を読む

市場原理主義経済と計画経済

2010年02月13日 | 理論
 前回は失業の話をしたので、その続きではないが、今回も経済の話。  今、一昨年のリーマンショック以降、市場原理主義経済の問題点が指摘されている。と同時に、マルクスなどがまた注目されだし、マルクスの言葉ではないが歴史とは循環するものといえるのかもしれない(ただし、マルクスの言葉では、二回目はパロディとして、なのだが)。  ただ、リーマンショックのような市場原理主義経済の失敗も、それから社会主義諸 . . . 本文を読む

仏語参考書について1

2010年02月13日 | 言語
 私は、以前、ある英文学の先生から「あなたは語学コンプレックスが強すぎる」と言われたことがある。同じことを、近しい仏人の友人から言われたこともある。  で、語学コンプレックスが強いせいか、世に出ている語学の本を見ると、すぐ手に入れたくなってしまう。あまりそうした参考書に頼るのもどうかと思う。が、せっかくだから、私の個人的な「趣向」で、私の「お勧め」を何回かで紹介しようと思う。  まずは、初め . . . 本文を読む

高失業率社会を生きる:その2

2010年02月11日 | 社会問題
 このエントリーのタイトルは、大げさですが、実のところたいした内容ではありませんので、そのつもりで読んでください。  現在は経済の復調の兆しが見えると言われているが、現在が不況であるのは事実だと思う。とりわけ雇用情勢においては。個人的見解を言わせてもらえば、現在の社会状況を考えると、「景気の回復=雇用状況改善」という考え、景気の回復によって雇用が改善するという考えは、もはや通用しなくなっているの . . . 本文を読む

成績をつけ終わる:やっぱ基礎的なレクチャーは必要

2010年02月10日 | 研究生活
 先週で成績をつけ終えた。  ある講義の答案を採点していて思ったのは、「やはり基礎的なレクチャーをしておくべきだった」ということ。前期と後期を分ける「セメスター制」が多く導入されていて、前期で行った「レポートの書き方」や「文章作法」などの基礎的なレクチャーを、後期でも行うかどうか迷ったりする。  で、ある講義で、前期でも上のような基礎的レクチャーをしたので、後期ではしていなかったが、採点をして . . . 本文を読む