a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

ネグリ、お前もか:W杯etc.

2006年06月20日 | etc.
 ちまたではW杯真っ盛り。私も一度ぐらいは、この話題について話をしてみても良いかと思い立つ。偶然だが、アルチュセールに関するある文献を読んでいて、まだ彼が有名になる前の若い頃、哲学者と歴史学者の対話のあるシンポジウムに、サッカーで捻挫をしたという理由で欠席したという言及を発見する。アルチュセールもサッカーをしたようだ。ちなみに、デリダも若い頃はサッカー少年だったとか。  さて、今日話題にしたいの . . . 本文を読む

nationよりも、identityの問題?:人種差別的偏見と言葉

2006年06月19日 | 社会問題
 大変恐縮なことに、好き勝手なことを言っている私の映画評に、粉川哲夫氏から直接コメントを頂いてしまった(;^_^A アセアセ…。「国家を越えること」と私が共訳したアルチュセールの『再生産について:イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置』の関係について、エントリーを書かねば……。  が、今日は、日頃閲覧させて頂いているshibaさんのblog L'ECUME DES JOURS から、shiba . . . 本文を読む

社会的排除をめぐって

2006年06月11日 | 社会問題
 樋口明彦さんの「現代社会における社会的排除のメカニズム―積極的労働市場政策の内在的ジレンマをめぐって」を読む(論文はこちらよりDLできます)。  最近、日本でも「ニート問題」というか若年層の失業あるいはステイタスゼロの問題がクローズアップされているが、ヨーロッパではこの種の問題は「社会的排除」の問題として捉えられている(それ故にパリ郊外のような暴動が起こりうるわけだが)。  しかし、この「排除 . . . 本文を読む

気になる本:ドンズロ

2006年06月10日 | 読書
  先日、「講義の準備で躓いた」話はしたが、今回はその続き。  パリ郊外に端を発し、仏中に飛び火した暴動、その背後には人種差別や失業の問題、また「格差問題」があるのだが、この問題を人種差別とは違う側面から考えたいと思い、何か良い文献はないかと探していたところ、なかなか面白そうな文献をみつける。それが以下。 Quand la ville se d?fait : Quelle politique . . . 本文を読む

映画『トーク・トゥ・ハー』

2006年06月06日 | 映画
トーク・トゥ・ハー スタンダード・エディション日活このアイテムの詳細を見る  今年のカンヌでは、「社会派」の映画が受賞作に多かったとか(受賞結果)。アルモドバルも、いくつか受賞しているよう。  かなり前になるが、アルモドバルの『トーク・トゥ・ハー』を見たので、それについて。映画紹介は、粉川哲夫氏による批評を。  実を言うと、映画の筋よりも、私が一番印象に残ったのは、ピナ・バウシュのextr . . . 本文を読む

講義の準備に躓いた

2006年06月02日 | 研究生活
 先週は、講義の準備に躓いた日があったのだが、それについてのエントリーを書こうと思ったところで、映画の話に取って代わってしまった。ということで、今回はこの「準備に躓いた」話を。  今年度は、格差と若者文化(というか若年層の雇用問題)に関する講義を担当させて頂いているが、これがけっこう難しくて、その準備にstuckしてしまうことが時々ある。  まあ、実際のところ「躓く」というよりは、問題や説明すべ . . . 本文を読む