a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

差別対抗軸としての共和国の原理

2006年03月30日 | 社会問題
 久しぶりの更新です。先日行われたアルチュセール著『再生産について:イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置』に関する書評会の報告をしようと考えたのですが、その前に、この本とも関係する話題を一つ。  昨年11月にあったパリ郊外の暴動に関して、ルモンドに掲載されたある記事が、いつも読ませて頂いている猫屋さんのblogで翻訳されていますので、紹介を。サッカー選手のチュラムによるインタビューです(リンク . . . 本文を読む

表象から見えるもの・見えないもの:ワールドベースボールクラシックに寄せて

2006年03月16日 | 社会問題
 ワールドベースボールクラシックの日本対アメリカ戦において、アメリカチームを「ひいき」した主審の判定が、日本では話題になっている。ネットでの報道を見ると、メジャーリーグでは人種差別的な審判の判定も日常茶飯事であり、今回もそうした例にもれない、といった事が書かれているもよう。  まあ、私はアメリカ社会で生活した経験はないし、ましてや米野球界における今回ような問題の現状も直接的に知っているわけではない . . . 本文を読む

マルクスの遺産? アルチュセール著『再生産について』書評会:報告、反省、再考

2006年03月04日 | アルチュセール『再生産について』
 先日行われた、ある研究会での、アルチュセールの『再生産について』をめぐる書評会について、その報告です。で、まずは事後的ではありますが、今回の企画の意図について、説明を(まあ、実質的には弁明ですが(^-^;)。  今回の企画で一番主眼としたかったのは、アルチュセールの『再生産について』が書かれた時代背景について(要は、60年代にあった政治・学生運動という背景について)、考えるたいものでした。とい . . . 本文を読む