お寺さんぽ Ver.03

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見よう!大和座りの国宝「阿弥陀三尊」 (京都・三千院)

2010年02月18日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
こないだ「三千院」をやりましたが、本日はメインの国宝「阿弥陀三尊」です。

「三千院」にある、建物自体が重文という「往生極楽院」
そちらが本尊としているのが、国宝「阿弥陀三尊」です。

まず、「往生極楽院」は平安時代のもの。
こちらは”船底天井”で有名です。
丈六の巨大な国宝「阿弥陀三尊像」を納める工夫として、天井部分を船底型にしているんですねー。
そちらには、極楽浄土に舞う天女・菩薩らの姿が描かれているそうです。
現在はさすがに見辛くなっていました。
パンフレットには復元された写真があるんですけど、これがかなりの彩色具合でカラフル。
当時の人からすれば、まさにCGのように見えたのではないでしょうか。



メインとなる中央の仏像は「阿弥陀如来」さま。
こちらは結跏趺坐で来迎印。
「阿弥陀如来」が極楽より総出で迎えに来る際の印相ですね。
光背は十三化仏、十三種字を配した舟形。
ゆったり・ふくよかな定朝様式です。
(※定朝ではないですが)
迫力ありますよー。

続いて、その脇侍である「観音菩薩」、「勢至菩薩」
「観音菩薩」が両手にて大事そうに持っているのは、蓮台(はすの花の台座)です。
これは何かと言うと、死者をのせる意味なんだって。
「勢至菩薩」は”しわとしわを合わせて…”でお馴染みの合掌印。
たぶん、最も覚え易い印相ですね。

…で、どちらも大変に珍しい「大和座り」、「跪坐(きざ)」の仏像として有名なのです。
写真で分かるかな?
膝が見えるでしょ。
ほぼ正坐と言ってもいいんですが、やや腰を浮かして前傾姿勢になっているのがポイント
お尻はくっつけていません。
かなりキツい座り方ですね。

こうした、三尊セット・「阿弥陀さま」が座像・脇侍が跪坐・「観音菩薩」が蓮台…というのが、当時流行した”来迎形式”なのでした。

全て寄木造(よせぎづくり)の仏像。
「勢至菩薩」の背中内部には、”久安四年(1148)六月廿三日僧実照”と描かれていたそうです。
もうすぐ武士の時代が到来する、平安時代末期の作なのでした。

大原という土地と共に、ぜひ一度は見ておきたい仏像だと思います。


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