![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/9f/eec18d06db3ef96665bd8ff0680352cd.jpg)
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は歌でもお馴染み、京都大原の「三千院」です。
京都からやや離れた、大原の地。
豊かな田園風景の広がるこちらはもともと「魚山(ぎょざん)」と呼ばれ、仏教音楽(声明)発祥の地でした。
その「声明(しょうみょう)」というのは、もともと古代インドの一般教養。
学問「五明」のひとつで、習得すべき五つのうちの一つとされていたものです。
(※簡単には、文法(←コレ)、工芸、医療、倫理、仏教)
簡単には、儀式の際に用いられる音楽。
当時は楽譜などがなかったため、「伝教大師」こと「最澄」が持ちこんだ後に、それぞれ宗派にて自由に発展していきました。
平安時代には「慈覚大師」こと「円仁」が「来迎院(らいごういん)」を建立してここを声明道場とし、そちらを「良忍」が再興して発展。
この付近が「魚山」と呼ばれているのは、発祥の地に因んでのものでした。
(※三国志がお好きな方にはお馴染み、魏は「曹植(そうしょく)」の体験によるものです)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/3a/23e258cf198ba0ccab7ebdfaf9d3d7ef.jpg)
いきなりややこしい話で失礼しました。
そうした訳で、山号「魚山」という、正式名称「三千院門跡」のこらち。
もともとの創建は、先ほども登場しました「伝教大師」こと「最澄」です。
比叡山・延暦寺建立の際に結ばれた草庵が起こりとされています。
その後京都を転々とし、その度に「梶井門跡(かじいもんぜき)」、「梨本門跡(なしもともんぜき)」などと名称はコロコロ変化していたようなのです。
元永元年(1118)
時代は平安後期。
武士が好きな人のため源氏で言うと…「八幡太郎義家」の孫「源為義(みなもとの・ためよし)」な頃ですね。
「堀河天皇」の第二皇子である「最雲法親王(さいうん・ほっしんのう)」が継いだ以降は門跡となり、こちらは皇族が代々住職を勤めるようになりました。
(※天台宗・五箇室門跡(ごかしつもんぜき)の一つ)
この時は東坂本付近にあったようです。
同じ頃に「来迎院」、「勝林院」などのお寺を管理するため、大原には政所(まんどころ:経営・雑務を行う部署)が設けられました。
坂本で火災に遭ってまた各地を転々とし、また京都寺院には避けて通れない「応仁の乱」の被害を受けた後、仮御所としてその政所に移り、ようやくこの地に落ち着いたというのでした。
平安時代には「龍禅院」と呼ばれていたという客殿がそれ(政所)のようです。
そうした歴史がためか、現在の「三千院門跡」という名称になったのは、なんと明治四年のこと。
…ずいぶん最近なんですねー。
ちょっと意外でしょ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/19/fbc5e898ddd9df32b13221df7e739300.jpg)
超有名な国宝「阿弥陀三尊」を本尊とし、建物自体も重文という「往生極楽院」
もともと三千院とはまったく関係なく、浄土真宗七高僧(しちこうそう)の一人「源信僧都(恵心)」が父母の菩提のため姉「安養尼(あんように)」と共に寛和二年(986)に建立したものでした。
現在のものは江戸時代に修理されたもの。
(※内陣はもともとの姿なままであるみたい)
三千院に取り込まれたのも、明治時代なんだって。
なお、そちら「阿弥陀三尊」の詳細については別にやります。
ほか、「伝教大師」作と言われる秘仏「薬師如来」を本尊とする「宸殿(しんでん)」、「智証大師」こと「円珍」作と言われる秘仏「金色不動明王立像」のある「金色不動堂」などが境内にあります。
また「金色不動明王立像」は平安期の立像だそうです。
公式HPにてお姿が見れますので、ぜひどうぞ。
非常に良いトコロでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fine.gif)
[関連記事] 【如来のいろいろ】
⇒ 仏像の種類 (お父さんのための仏像講座) [前編] [後編]
⇒ 如来 (お父さんのための仏像講座)
⇒ 仏の三十二相(お父さんのための仏像講座) 前編1-16 後編17-32
⇒ 座り方編 (お父さんのための仏像講座)
⇒ 印相編 (お父さんのための仏像講座)前編 後編
⇒ 木彫の技法について (お父さんのための仏像講座)
⇒ お寺で動物ウォッチング「鳥獣座について」(お父さんのための仏像講座)
⇒ 五智如来石像
⇒ お釈迦様・釈迦如来 (1・2・3・4・5・6)
⇒ 大日如来
⇒ 阿弥陀如来 鎌倉大仏 (胎内参拝)
五劫思惟阿弥陀如来 みかえり阿弥陀如来 うなずき阿弥陀
中尊寺金色堂
⇒ 薬師如来 蛸薬師 飛鳥・薬師三尊像
⇒ 弥勒如来
⇒ 毘盧遮那如来
⇒ 四天王編 (お父さんのための仏像講座)
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※さすがは有名寺院。
DVDなんてありましたよ。
本日は歌でもお馴染み、京都大原の「三千院」です。
京都からやや離れた、大原の地。
豊かな田園風景の広がるこちらはもともと「魚山(ぎょざん)」と呼ばれ、仏教音楽(声明)発祥の地でした。
その「声明(しょうみょう)」というのは、もともと古代インドの一般教養。
学問「五明」のひとつで、習得すべき五つのうちの一つとされていたものです。
(※簡単には、文法(←コレ)、工芸、医療、倫理、仏教)
簡単には、儀式の際に用いられる音楽。
当時は楽譜などがなかったため、「伝教大師」こと「最澄」が持ちこんだ後に、それぞれ宗派にて自由に発展していきました。
平安時代には「慈覚大師」こと「円仁」が「来迎院(らいごういん)」を建立してここを声明道場とし、そちらを「良忍」が再興して発展。
この付近が「魚山」と呼ばれているのは、発祥の地に因んでのものでした。
(※三国志がお好きな方にはお馴染み、魏は「曹植(そうしょく)」の体験によるものです)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/3a/23e258cf198ba0ccab7ebdfaf9d3d7ef.jpg)
いきなりややこしい話で失礼しました。
そうした訳で、山号「魚山」という、正式名称「三千院門跡」のこらち。
もともとの創建は、先ほども登場しました「伝教大師」こと「最澄」です。
比叡山・延暦寺建立の際に結ばれた草庵が起こりとされています。
その後京都を転々とし、その度に「梶井門跡(かじいもんぜき)」、「梨本門跡(なしもともんぜき)」などと名称はコロコロ変化していたようなのです。
元永元年(1118)
時代は平安後期。
武士が好きな人のため源氏で言うと…「八幡太郎義家」の孫「源為義(みなもとの・ためよし)」な頃ですね。
「堀河天皇」の第二皇子である「最雲法親王(さいうん・ほっしんのう)」が継いだ以降は門跡となり、こちらは皇族が代々住職を勤めるようになりました。
(※天台宗・五箇室門跡(ごかしつもんぜき)の一つ)
この時は東坂本付近にあったようです。
同じ頃に「来迎院」、「勝林院」などのお寺を管理するため、大原には政所(まんどころ:経営・雑務を行う部署)が設けられました。
坂本で火災に遭ってまた各地を転々とし、また京都寺院には避けて通れない「応仁の乱」の被害を受けた後、仮御所としてその政所に移り、ようやくこの地に落ち着いたというのでした。
平安時代には「龍禅院」と呼ばれていたという客殿がそれ(政所)のようです。
そうした歴史がためか、現在の「三千院門跡」という名称になったのは、なんと明治四年のこと。
…ずいぶん最近なんですねー。
ちょっと意外でしょ。
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超有名な国宝「阿弥陀三尊」を本尊とし、建物自体も重文という「往生極楽院」
もともと三千院とはまったく関係なく、浄土真宗七高僧(しちこうそう)の一人「源信僧都(恵心)」が父母の菩提のため姉「安養尼(あんように)」と共に寛和二年(986)に建立したものでした。
現在のものは江戸時代に修理されたもの。
(※内陣はもともとの姿なままであるみたい)
三千院に取り込まれたのも、明治時代なんだって。
なお、そちら「阿弥陀三尊」の詳細については別にやります。
ほか、「伝教大師」作と言われる秘仏「薬師如来」を本尊とする「宸殿(しんでん)」、「智証大師」こと「円珍」作と言われる秘仏「金色不動明王立像」のある「金色不動堂」などが境内にあります。
また「金色不動明王立像」は平安期の立像だそうです。
公式HPにてお姿が見れますので、ぜひどうぞ。
非常に良いトコロでした。
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⇒ 弥勒如来
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※さすがは有名寺院。
DVDなんてありましたよ。