夏の暑い日、従兄弟たちがやってきました。
父が長男の家だったので、従兄弟たちは遊びに来て、夏休み中滞在しました。
お盆になると、おじさんやおばさんも合流し、子供たちと一緒に帰っていきました。
中学生だったか、高校生だったか忘れましたが、
おばさん達や子供たちと海に遊びに行きました。
おばさん達は、シュミーズのまま泳ぎだしたのでした。
驚いた私は、メガネをしたまま飛び込んでしまいました。
無残にも、メガネはとれて海の底へと沈んで行きました。
おばさん達に大笑いされました。
せっかくの絶景も見逃し、メガネはなくすで、大いにしょげたのを覚えております。
時はたって、浪人の最後の年、うら若き女性と広島の平和公園でボートに乗りました。友人から、「お前はめがねをしない方が良い。」なんて聞いていたものですから、その女性にメガネを預けてボートを漕いでおりました。
楽しいときが過ぎて、ボートを降りるころになりました。
女性がメガネを返してくれました。女性に、やさしく手を差し出しながらサポート しました。拍子で、めがねがポチャリ。ああ沈んでいくのが見えました。
二度目でした。
ええいとボート小屋の主人に頼んで、潜って取りに行くことを宣言しました。12月でした。ズボンを脱いで、飛び込もうとしたら主人が止めました。その当時から、ふんどしでした。これを上に付けろとガラパンを渡してくれました。
河の水は冷たかった。広島の河はきれいになったとは言え泥だらけでした。女性に水中メガネを買ってくるように頼みました。どこにも売ってませんでした。潜ること1時間、駄目でした。明日くると主人に言い残して女性を送ることにしました。ズボン一枚では、女性と二人で歩くゆうぐれの街は酷でした。
私は、ズボンの前が突っ張って歩けませんでした。
おばさん達が見ていたら、大笑いだったでしょうね。
広島の河での苦い思い出です。もちろん、その出会いも実りませんでした。
19歳頃のことでしょうか。面白い人間でした。その女性に和傘を贈ったのを覚えています。浪人最後の一振りとでも言って渡したのでしょうか。見目麗しきその女性も今はおばあちゃんです。
眼鏡は、翌日河底の泥の中から拾い出しました。
2014年 6月19日