酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

三升漬け

2015-09-16 | 旨かった話
という食べ物が全国区のものでないと知ったのは最近のこと。

北海道では夏の終わりに収穫する青唐辛子を刻んで、同量の醤油と麹で漬ける、ごく当たり前のものと思っていたんだが。それともそれを知らない、というお方が内地にいただけのことか。

まあ、いい。

三升漬けは自分で作るご家庭もあれば、居酒屋さんもたいていは自家製する。ちなみに自分は唐辛子を買いそびれてしまって今年はおあずけ。おととしの古漬けを食べている(古ければなお旨い)。
で、それがぼちぼち浸かり、今はそれを食べ始める時期でもある。なので三升漬けは秋の味覚的なイメージも。

昨夜、近頃世話になってる近所の店で。


三升漬けとイカの刺身を和えたもの。よく「イカ三升」と言われるが、それこそ三升漬けを知らないヒトにしてみれば、イカを三升もどうするのだということに(笑)

まだ漬かってないよと女将は言うが、よそ様のこさえた三升漬けのフレッシュなとこを味見してみたくって注文した。
期待通り、まだこなれてない麹の食感が初々しい。これが発酵熟成するととろみが少し出てきて旨みが増し、それを良い三升漬けと呼ぶのだが、作りたてもそれはそれで旨いのだ。

そんな肴に、昨夜はいいちこでほろ酔い。

鮭の美味しいところ

2015-09-15 | 酒風景
鮭。魚屋で売ってない日はないと思う(あ、うちの地域の話ね)。
でも国産鮭ハラスはなかなかお目にかかれないので、買う時はいつも衝動的だ。


これをちまちまつまみながらの晩酌は格別。
これが炭焼きだと皮まで美味しいんだけどね。

ああ、食欲の秋。
わがハラスも脂がのってくる(笑)

鯛のカルパッチョ 酒は男山ひやおろし

2015-09-14 | 酒風景
秋だ。酒屋の冷蔵ケースにも秋が来た。ひやおろしの季節である。
すでに酒場でいくつか呑んでみたが、家でも楽しみたい。

ということで、買うならまず男山(北海道)。


道産米の特別純米。

季節限定。売らねば!という気持ちの表れか、各メーカーあまたあるひやおろしの中でラベルの迫力は一等賞(笑)

ラベルはハデだが、中身は落ち着きあるまろやかな旨み。加えてやわらかな余韻もあって飲み飽きしない良い出来だ。
さらに、アテの鯛とともに味わうと酒は大化け。
す~っと入る。す~っと抜ける。食中酒としての高いポテンシャルを感じさせる。

そもそも肴が良い。と、すごい自画自賛(笑)


真鯛の刺身。ソースはケッパーを刻みEVオリーブオイルと和えたもの。ほんのりと甘味と香りを足すためにフルーツトマトをちらほら。
先日ビンを開けたケッパーを使わねばと思いついたメニュー。新作ゆえ盛りつけは未完成につきご勘弁を。和の刺身とするか、洋のカルパッチョとするか優柔不断の結果だな。

ともかくは、この酒と肴は実に良縁、大成功。
いつも課題は盛り付けだな。


・・・、あ、そうか。

切り身を放射状にしたが、これを逆にして弧を描くようにレイアウトすれば良かったのか。

ゴーヤーで呑む。

2015-09-12 | こしらえた話。

ゴーヤーをさっと湯掻いて吟醸酒。旨い。
晩酌をたまにこんな雰囲気で演出してみた(笑)。
ゴーヤーって、なにかしらすっと背筋が伸びるような、そんな心持ちになる。鮮烈な苦さのせいか、はてまた本来は南のおひさまで育つ非日常的な活力か。
チャンプルーにしようとも他の具材に対し迎合も交わることもしない。それでいて唯我独尊というわけでもない。

ああ、ゴーヤーのように私は生きたい(笑)

惣菜ひとつで昔の恋の思い出に浸ってる場合ではないな(前記事参照)。

ワケありのお惣菜。

2015-09-11 | こしらえた話。
昔々、札幌に一人暮らしの大学生があったとさ。
近所の市場にある惣菜屋で、安くて飯が進むと気に入って買っていたのが、キャベツと何かの魚の炒め物(商品名は何だったっけか)。

ある日、二つ年上の彼女がアパートに遊びにやってきた。
一緒にご飯を食べようと買っておいたそれを食卓に出してみると、これなら簡単に作れるんだよと言う。

後日、こしらえてくれたのは、こんな感じのもの。


ネギとキャベツを炒め、火が通ったら缶詰のカツオフレーク(味付け)を炒め合わせるという簡単なもの。以来、自分のレパートリーにもなった。
今は味付けに酒を使ったり、ときには豆板醤を加えアレンジしたりと進化しているが、思い出の、ちょっと感傷的な味なのである。
それから数十年。今頃彼女はどこで何をしているか。

んな事は言えるわけもなく、その後何人かの彼女とのごはんでこれをこさえているのだが、ちがう意味でもちょっと感傷的な味だったりもする(笑)