酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

名わき役との出合い。

2016-12-31 | 酒風景
いやはや、もう一年が終わりですかい。早すぎ。10月、11月なんて過ごした記憶すらないもんね(笑)

さて、頂いた酒は思いのほか濃醇タイプであったので、昨夜の肴は少し味わい深め系にしたという話。


上善如水 純米大吟醸原酒

あ、何となく失敗した。新年を意識したお目出度い雰囲気のするボトル。開けるなら年明けにすればよかったか。

ともあれ、旨い。上善如水というと極めてあっさりとした(言いかえれば軽い)酒という思い込みがあったもので、さすが原酒らしい旨さには感服。甘みと酸味が混然一体となり、なかなに深みのある旨さを演出している。

なので、冷奴も味わい濃いめ。


揚げたカリカリのニンニクとジャコ、これに甘酢醤油。
冷奴の変わりネタとしては定番。だが、イタリアンパセリが実に良い。

そして、フライパンに残った油で焼いた塩麹漬けのサバが、これまた絶妙。


これもパセリが良い。
パセリをかじりながらサバの身をちみちみ食べると最高。パセリがこんなに旨いとは。もっともっさりと盛り付けたらよかったね。

あ、酒の話がパセリの話になってしまった。
とまあ、そういうことだ(笑)。年の瀬にまさかのイタリアンパセリとの出合い。
冬の今でも元気に育っている(もちろん室内)。夏場のスゴイ成長ぶりを思えばもともと元気な良い株だったのだろうか。

ほか、牡蠣のオイル漬け(レシピはコチラ)。


冷蔵庫の主となった、これの旨さは言うの及ばず。




そんな感じで気持ちよく大晦日。この気分のまま新年になっていればよいが。
どちら様も良いお年を。

タチ

2016-12-29 | 旨かった話
魚屋なんかでは「たち」と平かな表記する場合もあるが、ほら、「」を付けないと読みにくいでしょ(笑)。なのでタチ。

北海道(および本州の一部)では言わずと知れたタラの精巣(通称白子)のことである。ちなみに秋田では「だだみ」。ほか、雲子、菊子と呼ぶ地域も。

魚屋の店頭にそれのパックが並ぶようになると、ああ冬が来たなと思う。というのがごく普通の光景と思っていたら、ほとんど無関係な地域もあるらしい。ものによっては加熱済みのものが真空パックに? いや、それはそれで食べてみたい気もするが、というか、どうやって食べるんだろ。すりつぶしてソースにするとか?料亭でそんなのを食べたことあるな。旨かった。
ともあれ、真鱈のタチはマダチと呼ばれポン酢で生食、あるいはレアな感じがじつに美味しい天ぷら、塩焼き。一方、スケトウ鱈(漢字を知らない)はスケダチと呼ばれもっぱら汁物や鍋に。一般的にマダチの方が旨いとされ高価だが、スケダチだってそれなりの持ち味があって旨い。そんな感じで自分的には、お店ではちょっと奮発してマダチ料理を。家庭では庶民的にスケダチをという棲み分けがあるようだ。

てなわけで、昨夜は我が家で湯豆腐パーティー。


湯豆腐、というか、タチや鱈(白子でなく身の方もね)、野菜たっぷりな水炊き。
具を極力少なくした小鍋立てでやる湯豆腐も良いが、冬はやはりこれ。味わいが豊かで身体も温まる。

何しろ、さっと煮えたのをはふはふと頬張る。口の中でふわふわと踊りまったりと溶けるタチは快感である。

またも美酒な至福のひととき。

2016-12-28 | 酒風景
年末の喧騒を避けて「和酒たなか」にて晩酌。5丁目にあるビルの、2階のずっと奥にある、まさに隠れ家的な店。ではあるが、無口な店主が厳選し店に並ぶ酒はいつも呑み手を裏切ることなく秀逸。

まずは・・・


雄町(酒造米)を使ってるという理由だけで選んだ1本は「GOZENSHU9」。実はあたしゃ雄町推し(勿論、道産米を一番に据えておいての話)。
GOZENSHUとは御前酒のことなんだろうが、昔々の酒造りにこだわって醸したらしい酒は芳醇な旨みが素晴らしい。ああ今、私は酒を呑んでいると実感させてくれる。ちなみに数字は蔵人の数だ。


ほがらかな女将さんが拵える小料理も、いつも美味しい。
そんなこんなで上機嫌。さあ、もう1杯。


瓶を空にしたので分からないが、うす濁りの酒。

ほら、こんな感じ。


磐城寿(いわきことぶき)。現状としては山形の酒であるが、もともとは福島の蔵。先の震災で蔵は壊れ、さらに原発の一件により現地を立ち退くこととなったらしい。
復興へのド根性を込めて醸した1本は「季造り しぼりたて うすにごり」。控えめな飲み口だが米の旨みを上手に引き出したフレッシュな味わい。

自分は毎年3月には応援の意味を込めて東北の地酒を嗜むようにしているが、それを待つことはない。いつだって気持ちを寄り添うことはできるのだ。

続いてツマミは


ホタテ刺身などを食べたあとの紅鮭ハラス。

酒は男山「北の稲穂」に変え、コレでしみしみと呑む。
旨い!酒と肴の相性抜群。なんたってハラスの干し加減、焼き加減が滅法良い。

年末だし、少し控えながらとの思いは心のタンスの中に、しかも鍵がかかり、勢いづいてしまったその体は2軒目へと突入するのであった。


香り高く大根を味わう

2016-12-27 | SAKE TIMES
日本酒を中心としたSAKEカルチャーを世界に伝えるWEBメディア SAKETIMES(サケタイムズ)に私の記事が掲載されました。



極めてシンプルに、それでいて心に深く染み入る大根の旨さを体感。


どうぞお付き合いください。
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凛と呑む 酒は男山

2016-12-26 | 酒風景
酒が届く。なんと嬉しい戴き物。


男山(旭川)純米大吟醸
同社のフラッグシップたる一本である。なので、ちょっと緊張しながらのテイスティング。

これまで幾度か呑んでいるが、酒はその都度新しいもの。だからして都度、出来栄えを確かめるべく味わうべし。
上立ち香(グラスから立つ香)は控えめ。温度が低すぎたかな。吟醸香より原料香が勝っている感じ。だがその分、含み香(口に含んで感じる香)が、グッとくる。
派手さはないが、しっかり者。要は中身だぜという日本人気質?
そして、しっかりとした旨み。酸味のバランスも良し。キレも良いように思うが、酒の旨みを構成する何かの成分が舌に残って、もうひと口呑みたいと誘うのだった。

四の五の言ってないで、旨いのか、って?
うむ、旨い。この味は「旨い酒をひたすら追求したらこうなりました」という味だ。
言いかえれば、ひたすら旨い酒を目指す同社の実直な企業姿勢が伺える、そんな凛とした味がする。

肴は、例の牡蠣オイル漬けを出してみた。


牡蠣は旨みが凝縮し極めて美味。
大吟醸が果たしてこれに寄り添うかとの懸念がないではないが、信じてみた(笑)
うむ、この酒は牡蠣と良縁。牡蠣の複雑にしてふくよかな香味に対し、しっかりと向き合う、他の大吟醸にはない腰の強さだ。
よしよし、オイル漬けは日本酒との相性も考慮しサラダ油で。これが功を奏したとも思う。

ともあれ、本当に旨い酒って、背筋が伸びるもんだな。

そんな印象。



- - - おまけ - - -


ブログを数日さぼった理由。
三軒ハシゴしてその後は我が家で朝まで呑み直し。その疲れが・・・(笑)
その時の旨いもん記録を動画で少し。