▲過去ブログ「修験の道」
役小角(えんのおづぬ)は
飛鳥時代(西暦600年代)に
実在したといわれている
修験道の開祖です。
役行者(えんのぎょうじゃ)
役優婆塞(えんのうばそく)
といった呼び名でも知られています。
▲役小角像
修験者のことを
「山伏」と呼びますが
修験道は理論や理屈を超えたもので
様々な事象を山の中の修行によって
感じ取っていくものと言われています。
ちなみに
明治初期に発令された「神仏分離令」
つまり廃仏毀釈に続き、明治5年の
「修験道廃止令」によって禁止され
先の大戦後にようやく元のカタチに
戻りました。
江戸から明治に渡る激動の時代において
国民生活を中央政府が管理するために
国家神道という旗印が必要だったのでしょう。
仏教と合わせ、怪しげな民間信仰は
すべてご法度となりました。
冒頭の画像は
現代の修験者である
星野文紘氏(山伏・「大聖坊」十三代目)を
紹介した過去ブログですが
天河大弁財天社の弥山登拝神事で
彼と出会うまでは修験のことなど
ほとんど知りませんでした。
さて
役小角についてですが
言い伝えでは大峯山中での修行中のこと。
過去生を救済する仏として
釈迦如来
が現れました。
さらに現世救済仏として
千手観音
未来世救済仏として
弥勒菩薩
が現れた後役小角が念じると三体が応現して
蔵王権現
となったとされています。
修験道においてはこの「蔵王権現」が
過去・現在・未来の三世を救済する
日本独特の権現思想の象徴になっています。
▲金峰山寺(きんぷせんじ)
奈良県の金峰山寺では来月
「国宝仁王門大修理勧進秘仏ご本尊特別御開帳」
と題して蔵王権現の一般公開を
予定しています。
聞くところによると
廃仏毀釈に伴い本尊は密かに移設され
知る人によって大切に守られてきました。
修験の方々のみならず
おそらく全国から多くの方が
金峰山寺に訪れることでしょう。
御開帳が楽しみです。