超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

バレンタインの休日

2016-02-23 22:08:05 | 出来事
何かタイミング遅れになってしまったが・・・母が誕生日を迎えて少したち、バレンタインの日がやってきた。今年は日曜日だったが、どこかの記事で見た記憶を辿ると「バレンタインが休日だと売上が減ってしまう」そうだ。クリスマスなどもそうだが、ブツを上げる肝心の当日を外してしまうと何となく気分が削がれ、盛り下がってしまうようなのだ。会社や学校が休みな程度で「今年はなしね」と割り切ってしまう、本当の恋人や片思い告白予定の人以外を振るいにかけるフィルタリングのようなものだ。職場によって異なるが、今年はありがたいことに「少し早いですが」と女性軍からいただくことができた。このサイトでのネタにもなるから、頂いた直後は「さあ1ヶ月後にはどんな面白いネタのお返しにしようか?」とワクワクするのだが、私の悪い癖でしばらくすると忘れてしまい、3月14日の間近に思い出し慌てて妻に平身低頭「お返し」を買ってもらうのがオチとなる。グンマ勤務時代に「いつもみたいに盛り下がらないように」翌週たまたま出かけたついでに小田原の一夜城ヨロイヅカファームのクッキーを買っておいたのだが、渡すときにふと袋を見るとまさかの賞味期限切れ!結局あたふたと近所のデパートに走った。

小学校中高学年くらいで女子からチョコレートをもらえる「バレンタインデー」なるものの存在を知り、その少し後にマシュマロ、キャンデーをお返しにあげる日があることを知った。(マシュマロデーと言っていたような気もする・・・昭和談)このサイトでもあまり取り上げた記憶がないが、中高生の時はそれなりに盛り上がるのは息子甘辛たちの時代でも普遍的なようだ。バブルの頃はチョコレートに加えて高額の「おまけ」が飛び交うようになり、プレゼントをあげる日みたいなイメージとなった。まるで大正テレビ寄席でやっていた「マキシンのバーゲンセール」のようなものである。これは「バーゲンだよ〜」とステテコのテキ屋スタイルの牧伸二さんがチャリティーオークションで売上金は「あゆみの箱」に寄付されていた。赤とか青色した逆さのボウルの中のタワシみたいなつまらないモノをオークションで1万円も支払って競り落とすのだが、後から出てくる「おまけ」が信じられない豪華景品(冷蔵庫を見た記憶がある)で、絶対に損はさせない仕組みになっていた。

特段、強い思い入れや深い思い出があるわけではないが、私に言わせるとバレンタインデーの歴史は「北斗の拳」に例えられる。まず「女性が好きな男性に恋を告白する」正統なスタイルはまさしく一子相伝、「北斗神拳」に相当し、これまでも、またこれからも一直線に続いて行くだろう。一方でそれ以外の流派は多数に分かれ各々のスタイルを形成していく。これが108派あることになっている「南斗聖拳」である。しかしこれら多数の分派の中にも頂点を極める流派があり、「殉」「義」「仁」「妖」「将」そして「慈母」を冠する宿星をもつ「南斗六聖拳」と言われた。これらは何となく(「殉」というのはストーカーみたいなよくないイメージもあるが)義理チョコ、友チョコ、偽装チョコ、強敵(とも)チョコなどに相当するような気がするし、母や妻が私や息子にくれるのはもはや「慈母」の世界であろう。さらに様々な人間模様に合わせてタイトルはなくとも多くの分派が存在しそうだ。

私と縁遠くなっていることも多分にあるが、このバレンタインチョコ、ゆっくりだが文化的意味が薄まり、市場としては行き詰っているような気がするのだ。ジャニーズのアイドルが昔みたいに「トラック何十台分のチョコを贈られた」とかいう話もあまり聞かないし、「マキシンのバーゲンセール」のような高額の「おまけ」もチョコに回帰し、某SNSサイトなどでは「手作り」のものを多く見かける。その昔、女性の多いオフィスでは当日少し前に組織的な集金がありランク別(ってドライだなー)に全員分がくまなく用意される「年中行事」でもあったそうだが、今はあったりなかったりである。今年の14日は春一番が吹くとされ朝から大荒れの天気が予報されていたが、息子甘辛は暗いうちからいそいそと部活に出かけて行った。憧れのマネージャーに期待通りチョコをもらえて嬉しそうに帰ってきたものである。今は中高生でも告白などメールやLINEで済ませてしまうそうだから、一子相伝の北斗神拳も行く末危ういものだ。

さてバレンタインなどほとんど意識していなかったが、我々は雨天と予想されている当日は「映画でも見るか」とテラスモール湘南に出かけた。あまり嬉しくはないのだが、ほぼ最新の上映施設を誇るこのシネマプレックスは夫婦の片方でも一定以上の年齢に達するとそれこそ半額近い割引サービスとなるのである。どうしても見たい映画があると「映画の日」や「レイトショー」、「レディスデー」など毎月決まった日を狙っていたのだが、いつ行ってもかなりの割引サービスがあるから自然に足を運ぶ機会が多くなる。先日も私のリクエストで「火星に一人取り残されてしまう」作品を見てきた。今回はバレンタインとはあまり関係ない「信長協奏曲」である。タイムスリップものは歴史小説などで一般的に言われている「結末」とあまりにかけ離れないように「どう取り繕うのか」も見ものだと思うのだが、娯楽ものとして中々興味深いものだった。

映画の開始時間前、時間潰しにモール内の店舗ではあちこちでバレンタイン商戦が活発だった。女性のファッションブティックでもブランド名を冠した「一発屋チョコ」みたいなのが店頭に並び多少痛い感じもしたのだ。私はユニクロの前で特設店舗を出していたウィンドーの前で立ち止まり、「これ、買ってくんねーか?」と指指した。ものすごく珍しいものではないのだが、幼い頃(それこそウルトラよりもはるかに前)からペンギンの好きだった私は何となくこの手のアイテムに反応してしまうのである。「これって初めてのパターンだね。どれにする?」ウルトラマンのチョコは東京駅ショップM78で買ってあったはずだが、こういう時、苦笑しながらも余計な冷やかしなどを入れずに買ってくれるところが素晴らしい。一番気に入った「タマゴと子供と親ペンギンのセット」は売り切れ、箱がペンギンデザインになっているのも売り切れ・・・残っていたのは2種類ほどしかなかった。考えてみると女性は「可愛い」とおもうかもしれないが「ペンギン好きでもない世の男性は喜ぶのか?」という一抹の疑問は残る。

    

家に帰ると大雨の中、練習してきたという甘辛が暇そうにしていた。その日はバレンタインというよりは、我が家の「すき焼き復活デー」だった。息子が小さい時に体調の悪い時に食ってさらに悪化してしまって以来トラウマとなり、中々食べられなかったすき焼きである。私は前日にポリープ切除手術を受けており、5日間はアルコール禁止だったのだが、「バレンタインだからいいじゃないか」という意味不明の釈明で近所のスーパーまで炭酸を買いに行った。鮮魚売り場を除くとまぐろの3点セットがハートマークの容器に盛られていた。。。(中々、これは痛くないか?!)北斗神拳を伝承するはずもなく、南斗聖拳の一派にもなりそうもない我々が今後盛り上がると見ているのは「ハロウィーン」である。昨年の「ハロウィン」直後、テレビニュースでも「ハロウィンは遂にバレンタインの経済効果を追い越した!」と伝えているほど最近の盛り上がりはすごい。老若男女、人間の変身願望は「旬を過ぎる」ことは少なく、今ではまだ抵抗のある我々だが、ゾンビのようなおぞましい姿からヒーロー物へ流行が変われば、「赤信号を皆で渡る」時も近々やってくるような気がするのである。


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4 コメント

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Unknown (小夏)
2016-02-24 09:22:18
えっ、えっ、最後はそこにたどり着きましたか!?キャハハハ 赤信号を渡る(って意味が違う)師匠ご一家が目の前に浮かぶようです。ついでに「がんばれ磯辺一号」のお声掛けお兄さんが登場してくれると最高です
ペンギンさんチョコ、よかったですねー!奥さまがサラッと、、気持ちいいですね。
このペンギンさん、オトナ目線で見ると確かに一抹の疑問ですね、小学生ちゃんとかでしたらいいのかな。
それにしても出来の良さ、それにこのゾーンは昔からある、、、って新たな疑問。 Pengle&Phinkle ってキャラクターもあるの???ってことで小夏探偵探りましたら、ここの会社(名古屋)表立っては社名出ていませんがなかなかの実力のようですね。だからデパートの通販でも扱ってくれている。。更にデパートのお菓子の電動回転台、あの会社とわかり鼻血ブー(昭和の世界)

バレンタインの変遷(カノッサの屈辱、懐かしい~)、上手く言えなかったのですが同じように感じていましたのでそうそうと膝を打ちながら拝読しました
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Unknown (磯辺太郎)
2016-02-24 21:47:47
小夏さま

ええ、ええ、今流行りのコスプレは違います(どう考えても勘違いしてるとしか思えない親子とか)が、もう少しヒーロー要素が入ればぜひにと思います。
ははは、『磯辺2号!」のお兄さんも派手なコスプレしてました・・・

私の記憶では小さい頃からペンギンをデザインしたアイテムってほとんど見たことなかったです。
ブームを巻き起こしたのは松田聖子さんのスウィートメモリーズだと思います。サントリーでしたっけ。
何かこのチョコのメーカーって有名なんでしょうか?名古屋の会社?スイートプラザとかいう名前のようですが。

デパートのお菓子の回転台!2段になっていてそれぞれ逆回転してるヤツですか?重さで売ってましたよねえ。憧れでしたが、一度もさせてもらえませんでした。
ぎゃーっはっは。鼻血ブーって鼻血が二等辺三角形状に広がって散るヤツですよねー。

昭和のバレンタイン、これも一つの文化だったと思います。
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Unknown (小夏)
2016-02-24 22:26:21
https://job.rikunabi.com/2016/company/top/r295600047/
こちらの会社の方からデパートに提案しているのですね~。
「FOUCHER(フーシェ)はご存知ですよね?
名古屋デパ地下で変わらぬ人気のお洒落店舗ケーキ屋さんも実は名古屋の工場で、、っていうのもあるし、私の街の某社の規格外商品のお裾わけで「こ、これって、あの会社の有名商品じゃーん@@!」と衝撃受けたこともあるのですよん。
社名が表に出ない実力の会社、、師匠のペンギンが良い出来なわけです~。

あ、またやっちゃった、、一号じゃなくて二号なのですね。
前回も銀河鉄道999を777と。数字に弱い、、です(苦笑)

デパートのお菓子回転台、あれはーーー子供心に刺さるものでしたねぇ。妙にあそこだけ明るく見えたものです。
そうそう、重さですから、たまにやらせてもらえるときは母の厳しい監視下に置かれ、世知辛さを体得したように思います^^

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Unknown (磯辺太郎)
2016-02-26 11:16:21
小夏様

なるほど、お菓子のブランド会社なんですね。
しかし、何という物知らず!恥ずかしながらフーシェというブランドも初めて聞きました。
自社名は表にしなくとも、名古屋(東京でも?)では各方面で活躍している実力派企業なんですね。
ぱっとペンギンに飛び付いただけなんですが、奥が深いことが分かりました。

ははは。ボクも最近、数字というよりも細かい文字に弱くなりました。(爆)
HPで見たのですが、デパートのお菓子回転台(正式名は何と言うんだろ?)、すごいゴージャスになってますねえ。まるでメリーゴーランドのようだ。
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