超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

スマホによるミクロの世界

2016-06-20 07:47:38 | ホビー
実家の母親は取扱いが簡単な携帯を持ち歩いているが、もう何年も使っている古いガラケーで、お年寄りにありがちな「電話とメールしか使わない」パターンである。最近バッテリーも弱ってきて、電池切れに気付かず持ち歩いているのに全然つながらない、という間抜けなことも結構ある。「せっかくカメラ機能があるんだから、写真撮って友達に見せてあげたら?」ここ数年、プチ旅行に連れ出して地方の名所を歩き回る際に私は203号を首からぶら下げているが、母親は携帯でちょこちょこと撮影していた。ようやく最近「メールに添付する」という技術を覚えたようだが、ほとんど「撮りっ放し」になっていたようなのだ。友人に見せるには昔から見慣れたプリント写真の方がよいと言い出したので、コンビニや家電量販店などの端末でプリントしてやろうと連れていったら、何と機種やケーブルが古すぎてデータを転送する手段がない・・・

「いくら何でも買い替え時期なんじゃないか?」と母親を説得し、妻についてもらって最新の「らくらくスマホ」というものを手に入れたようだった。梅雨入りしながらも晴れ間のあった週末に、満開のさつきで有名な湯河原星が山公園「さつきの郷」とバラと花菖蒲が見どころの「小田原フラワーガーデン」を梯子したら、盛んにパシャパシャ撮影していた。ちょっと貸してもらったのだが、恐ろしく綺麗な画像が写り込んでおり、最新式のスマホのカメラ機能のすごさに舌を巻いた。こんなすごい画像が撮れるなら、もはやデジタルカメラなど必要ないかもしれないな。聞くところによると妻の手引きで「LINE」なる通信も行い始め、その後旅行先から盛んにメッセージや写真のやり取りをしていた。ついこの間までメールのタイトル欄に本文を書きこんでしまい、「使いづらい・・・」と嘆いていた母が私も使い方の知らなコミュニケーションを始めたとは驚きだった。

今のスマホの機能、性能向上は全く目覚ましいものだ。音楽、テレビ、ゲームはもちろん、万歩計やナビゲーター、電化製品その他のコントローラにも使え始めている。大学生の息子甘辛は4人でスマホを持ってテーブルを囲み麻雀もしているという。選択科目のスケジュールや急な休講などによってまとまった時間が空いてしまうと、足を運ぶのは雀荘と相場が決まっていたが、手段は変わってもやることはあまり変わっていないらしい。。。家にいても移動しながらも四六時中スマホを片手に何かしており、もはやそれなしでは一時も過ごせない中毒になっているようだ。かく言う私も家族揃って割引にするために同種のスマホ(取扱いを共通にするため)を持ち歩いているが、妻子の使用頻度があまりにも高く老朽化や故障によって何度か機種変更されてしまったので、私のだけ数年前のものに取り残されてしまった。私はどうもタッチパネルが苦手で、指先が変な風に帯電しているのか触りもしないのに画面が遷移してしまったり、逆に画面に亀裂が走るほど押しても何の反応もないこともあり、イラつくことこの上ない。。。最近駅のホームでは盛んに「歩きスマホは禁止」と呼びかけているが、私も「大勢の流れの中でタラタラとスマホをやって歩いているヤツの背中を蹴り倒したくなる病」に感染している。

しかしそんなスマホ嫌いの私にも驚愕と垂涎モノのスーパーアイテムが現れた。「スマホ望遠鏡」と「スマホ顕微鏡」である。特に先般の火星大接近のニュースとタイミングが合ったのか、スマホ望遠鏡の人気はものすごいらしく、通販でも本屋でもハンズでも品切れという看板が目立った。「三惑星の宴」編で書いた通り、天体望遠鏡で惑星を拡大観察しこれを静止画像として保存するのは結構難しいことだから、あんな厚紙のおもちゃでは中々難しいだろうとは思うが、月面くらいであれば驚くほど迫力の画像が得られるだろう。実は我が家のM20号もスマホやコンデジを装着するアダプターを持っているが、土星の輪が辛うじて見えるくらいでかなり辛いものがあった。しかし「自動でピントを合わせられる。拡大が自在にできる」というのは天体撮影には強力な機能であり侮れないと思われた。

そしてハンズで思わず手にしたのが「スマホ顕微鏡」だ。スマホそのものを専用の台にセットするいわゆる顕微鏡型と宝石鑑定士がよく片目に貼りつける(あれ、どうやって付けてるんだろう)ルーペ型がある。どれもスマホの機能を使用すると100倍くらいまで拡大できるようだ。私の好みでは「理化学ゾーン」という売り場にあったこのアイテムを手についレジに並ぶところだったが、「やられた時のショックが大きい」ので、取りあえずはスマホアクセサリーコーナーにあったクリップレンズを買ってみた。いかにもおもちゃなんだが、何と魚眼、接写、ワイド撮影を組み合わせて行える優れものだ。私はこのプチ兵器を携えて「さつきの郷」と「小田原フラワーガーデン」に乗り込んだ。

例年だと「さつきの郷」は6月の最初の土日くらいが満開なのだが、今年は前々日にかなり強い雨が降ったので半分以上が散ってしまったようだ。あばさんによると「花が上を向いて咲くから雨が降ると落ちちゃうんだよねえ」。天気が良かったので真鶴半島から初島、大島なども見渡せる気持ちのよい朝だった。203号とクリップレンズ魚眼で撮ってみたが、どんなものだろうか?どちらも大したことない?!

              

小田原フラワーガーデンはバラが後半となり、花菖蒲とスイレンがちょうど盛りだった。鮮やかに咲き誇る花々に母親は喜んでスマホカメラを構えていたが、私はクリップレンズを接写用に交換して超兵器203号と撮り比べてみることにした。203号はクローズアップモードにしてもせいぜい30cmくらい、しかしこのおもちゃレンズは1cmくらいに近づけないとピントが合わない・・・ほとんどミニ顕微鏡のようで、花の中にある花弁や小さな虫までもが写りこんでしまい、しかも立体的なのでピンとが合わない。バラ、花菖蒲、ヒスイカズラを203号画像と隣り合わせにしたが、何やらよく分からないものになってしまった。花びら一枚とってもみても風で動いてしまうし、奥行きがあると先端したピントが合わないからあまり花の撮影には向かないようだ。コガネムシの顔がやたらに迫力があってちょっと引いてしまう。(もうちょっと可愛らしいかと思った・・・)

              

                

以前、ハガキを送って無料券が送られていたので翌日は妻と江の島のレッドロブスターに足を運んだ。今回持ち込んだのはスマホクリップレンズだけだ。まず黒い不気味な丸い物体は「ロブスターの眼」である。見た目つるんとしているが、接写拡大すると不思議な幾何学模様のようなものが見える。その次が顔の真ん中にある角の先端部分である。これも拡大すると凸凹しており、両サイドに黒い目が薄く見える。最後が触覚の先端分である。これもニラのようにしなやかに見えるが、表面は規則正しく節が並んでいてパッと見触覚とは思えない。その後、ロブスターを色々弄りまわし、色んな角度から接写拡大撮影したが、はっきり言って「おぞましい」画像ばかりなので止めておく。妻が一言「あなたにとっては、いいおもちゃだね」。

           

学生時代に光学、電子顕微鏡など共にうんざりするほど使用したから、「拡大すると見えないものが見える」楽しさは思い出してきた。景色や動物、天体なども面白いが、ミクロの世界にも面白いことはたくさんあるだろうが、どんなものを被写体にするとよいだろうか?植物?微生物?細胞組織?宝石の細部構造?うーむ。。。理化学の血がうずく。想像力の出番だろうが、まずはレンズ片手に手当たり次第に撮って、面白いものを探してみよう。ぶっちゃけ今回は「外れ」に近かったが、にわか(しかもすぐに飽きるかもしれない)探求者の「ミクロの決死圏」レポートに期待あれ。


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2 コメント

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Unknown (小夏)
2016-06-21 17:02:23
はいはいはいっ(挙手)、「ミクロの決死圏」レポート期待しま~すっ

スマホのカメラには驚かされますね。それに容量もかなりあるようで機械もの苦手な奥さまたちもバシバシ撮られています。唯一地元球場外野のフェンスの金網にコンデジ望遠で飛び出たレンズ突っ込み取っている時だけ羨ましがられました。望遠ってできないの?

お母様の進歩、素晴らしいですね

ぐふふふ、宝石鑑定士ルーペ、気になる存在ですよね。それ相当の重さもありそうですがそんな風にも見えないし。耳鼻科の先生の頭のバンドについているCDみたいなのもいい仕事するんでしょうねぇ^^
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Unknown (磯辺太郎)
2016-06-21 22:30:12
小夏さま

「ミクロの決死圏」作戦、中々難しいです。レッドロブスターで出てきたメニューを試しに撮りまくりましたが・・・サラダに入っているタコの吸盤、シュリンプカクテルのドアップ、ムール貝の表面・・・どれもおぞましい。。。
母親のは「らくらく」ながら最新式らしく、素晴らしい画像が写っていました。(負けそー)
望遠(とうよりは拡大?)もできるはずですし、天体望遠鏡でできるということは、コンデジと組み合わせることもできるはずです。

あの鑑定用ルーペは眼底にめり込ませてるんでしょうか。まさか貼ってはいませんよね。
ぎゃーっはっはっは!耳鼻科のCDみたいなバンド!鏡になって真ん中が空いてるヤツですよね。あれの正式名は何というんでしょうかね。
考えだすと夜も眠れなくなっちゃう・・・ちなみにオフィスの近くに「横浜で最初の地下鉄を地下に入れる時の写真」があります。
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