超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

贔屓のチームとスタジアム

2016-06-15 21:24:58 | ホビー
昨年まさかの予選敗退から1年、我が社と所縁の深いとあるチームが社会人の都市対抗野球に出場できるようになった。昨年の悔しみをバネにしたのか予選からして試合の応援は凄まじく、代表が決定した試合終了時の様子を多数の同僚が某SNSにアップしていたが、紙吹雪が舞いまくり、まるで優勝したかのようなお祭りムードだった。昨年は予選敗退に泣いて普段は連日応援で不在となってしまう幹部が本業に勤しんだのでスタッフは「やけに仕事が捗った」と苦笑していたようだが、今年は2年分だからそれこそ「職務が停止してしまうのではないか?」と言われるほど皆こぞって出かけるのだろう。誰も今時、会社に対しての忠誠などそうは持たないものだが、こういう時、日本の会社はやはり「家族」で、お揃いのビブスやカードでスタンドを埋め尽くし、大声援を送るのは日本代表チームを応援するような一体感・高揚感満載でめったにできない興奮である。

平日は同僚と応援に駆け付けることが多いが、試合が休みの日になると妻や息子甘辛を伴ってドームを訪れたこともある。「今年はめでたく出場できるようだよ」と妻に言うと「ふーん」とあまり興味がなさそうだ。確かに「夫が勤める企業グループのシンボルチーム」というだけで、贔屓というわけでもなく、周囲は誰も知らないのであまりその気にもならないのだろう。元社宅のお友達家族は仲良しなのだが、所属する会社のシンボルチームという意味では微妙な温度差があり、休みの日に唯一Sちゃん家族と一緒に応援に行ったことがあるものの、パパが会社の重鎮であるため関係者の相手に余念を取れず小さな応援団となってしまった。そのうち妻が「久々にプロ野球を見に行きたいよ」と言い出した。

妻は野球の試合そのものやドームの雰囲気が好きなようで都市対抗にはよく来たが、ここ10年くらい(いやもっとかな)プロ野球のゲームからは遠ざかっていた。テレビ中継を見たり、実際に球場で試合を見に行ったりしたのは巨人に松井選手がいたころまでで、それ以降は「プロ野球人気」が急落してきたのか、昔は必ずあって一時は試合終了まで放送延長していた「巨人戦」もナイター中継から姿を消してしまい、朝のニュースで結果を知るだけでだんだんと興味は薄れていった。息子甘辛がサッカー漬けになった影響もあろうが、試合を見たり個人の打撃成績を気にすることも少なくなり気が付いたら都市対抗以外に球場に足を運ぶことはなくなっていた。昨年のGWに横浜に遊びに行った時、妻が同じように「プロ野球を見たい」と言い出し、チケットを買いに行ったのだが、時期が時期だけにさすがに巨人戦でなくても席を取ることができなかった。

子供の頃、プロ野球観戦のデビューはむろん「後楽園球場」である。バックスクリーン電光掲示板両サイドにはデカデカとした「パイオニア」の看板が聳え、子供の目には「霞ヶ関ビルの屋上から地面を見下ろす」ようなジャンボスタンドは「巨人の星」や「侍ジャイアンツ」でしか見たことのない憧れの地だった。もう一つ、マイナーだったが父親の勤め先がシート契約していたのでよく連れて行かれたのが川崎球場である。川崎大洋ホエールズの本拠地だったので「野球は巨人」だった当時は巨人戦以外はドマイナーでスタンドも2軍戦のようにまばらだった。狭い球場で私もナイター前に練習を終えた選手が石段に座ってうどんを食っているのを見たことがある。後楽園のように選手達と観客が隔離されていないのでやたらにアットホームでファンなら垂涎もののサービスもあった。その後、一時期ロッテが本拠地としていた時はとにかく「閑古鳥が鳴く」球場として「珍プレー好プレー」ではスタンドで鍋をしたり、カップルでイチャイチャ○×するシーンが流れた。(悪学生の私らも簡易「流しそうめん」をやった)

後楽園の他にヤクルトの本拠地である神宮球場があったが、私は湘南、妻は横浜育ちだから何と言っても我々が昔から親しみを感じる球場と言えば「横浜スタジアム」である。海や港の近くで中華街の横にあり、独特のすり鉢状の形状で鮮やかなオレンジ色のスタンド、ヨコハマの「Y」を象った照明塔などが斬新で、距離が近いのもあったが都心の球場よりは我々のお気に入りの球場だ。天候に左右されないドームやもよいがやはり屋根らしい施設の全くない空の開けたスタジアムが解放感があってよい。もうずーっと長いこと来ていないが、昔1塁側の内野席で試合前練習を見ていてフリーバッティングしていた打者のものすごいライナーのファールがすぐ前のシートの背もたれに突進してきたことがある。野球少年だった私は普通に素手でキャッチしようと打球をを追っていたが、着地寸前に硬球であることに気が付いて思わず「ワッ」と手を広げた。(そのまま捕球に行ってたら無事ではすまなかったろう・・・)

さて地元の親しみを感じる「贔屓のスタジアム」はあっても、我々はいつからか贔屓のチームがなくなってしまった。繰り返すが我々が子供の頃は何と言っても「野球は巨人」であり、(晩年ではあったが)王選手や長嶋選手(その後張本選手が登場)どういうホームランを打ってライバルを打ち砕くかだけが興味の的だった。私はスポーツ少年団の野球帽を被っていたが、当時野球少年というものは100%近く黒地にオレンジマークの「巨人」の帽子を被っており、よほどの変わり者か転校生でもなければ「赤いカープ」や「青いドラゴンズ」などは見たこともなかった。巨人ファンというよりもプロ野球そのものが「巨人とその他愉快な仲間たち」だったのである。当時からホエールズ命だったという元同僚「ガノさん」は「まるで隠れキリシタンだったよ」と言ったが、内心「(そもそも弾圧すらされてないさ・・・・)」とベロを出していた。王選手が引退し、高校のサッカー部の顧問だったチュウさんがドラフト会議の日、部活の後ミーティングで開口一番「原は巨人!」と言ったのを鮮明に覚えている。大きな世代交代のあったその辺りから、記憶は「がんばれ!!タブチくん!!」に移り変わって行く。

我々のご贔屓スタジアムが横浜だから本拠チームは「ガノさん」がこよなく愛する「ホエールズ」「ベイスターズ」なのだが、「大魔神」で一旦記憶が途絶えてしまい、中畑清さん監督就任で一時的に応援モードに入ったが、最下位ばっかでやがて興味も薄れてしまった。我々がプロ野球観戦に訪れるのは贔屓のチームを応援するためではなく、青空のもとプロのプレーを楽しみ大歓声と共ににビールを飲むためである。ただ対戦するチームはどこでもよいが(片方はベイスターズだが)、選手名をほとんど知らないのが困ったことだ。「ガノさん」だけではなく以前から特定チームに一途のファンである人は結構周囲にいる。Kちゃんパパのオトウさんは根っからのカープファンだし、台場でご一緒したヤッさんはソフトボール大会で背番号9「カメイ」のユニフォームを身に着けてきた。知人の研究所のプロジェクトマネージャは「タイガースに非ずば人に非ず」と平家みたいなことを言っているし、親愛なる小夏師匠もドラ耳をお持ちのようである。

東京ドームにも横浜スタジアムにも本拠チームのオフィシャルショップがあり、応援アイテムからアパレル、お土産品、フィギュアなど多彩な商品がある。私にとってはウルトラマンワールドM78みたいなもので、ファンにとってはいるだけでワクワクするゾーンなのだろう。先日、IT関連の大きなイベントが幕張メッセで開催されて見学に行った時、帰りに駅までのルートに千葉ロッテマリーンズのショップのウィンドーのポスターを何気なく見て驚いた。(と言うより笑ってしまった・・・)ちょうどセパ両リーグの交流戦が行われ、普段は対戦しないセ・リーグのチームを招いているようで・・・
「虎ブル発生!本当に強いの?ハンシン半疑」「クロウいらず!?100倍パワーで白星がいとも簡単に!」「勝利との破局!鯉人たちの悲劇始まる!」「負のループにハマれ!さらば宇宙の星屑へ!」「宿命の再会!勝ち星だけはロッテにクルーズ!」「谷底に下り竜!なごやかにドラマチックにさようなら!」

      

ぎゃーっはっはっは!!セ・リーグのチーム事情に疎い私にはイマイチ分かりにくいものもあるが、なかなか挑戦的ではないか。相手チームを直接こき下ろすような野次はあまり気持ちのよいものではないが、まあまあこれくらいなら可愛いものか?他のチームでもこういったポスターの「エール交換」を行っているのだろうか?(小夏師匠が見たらお怒りだろうなー)私は個人的に偉大な記録を達成する時や「さすがプロ」という素晴らしいプレーに両軍ファンが惜しみなく拍手を送るシーンが好きだ。その昔、連続試合出場記録更新中の広島の衣笠選手にある投手がデッドボールをぶつけてしまった。むろん故意ではないが、自分の不注意で偉大な記録が途絶えてしまったら大変と思ったのだろう、投手は(たぶん真っ青な顔をして)帽子をとって深々と頭を下げたが、衣笠選手は「いいよ、いいよ」と言うように笑って手を振り1塁に走って行った。これを見た両スタンドのファンが拍手を贈ったのを見た時にすごく感動した。そんな美しいシーンを求めて今シーズン、久々にスタジアムに足を運びたいと思う。


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6 コメント

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Unknown (小夏)
2016-06-15 23:58:43
師匠、こんばんは!
只今ナゴドがえりの小夏です、それもロッテ戦!おまけに以前幕張COSTCOで買ったセロテープを初めて持って行って袋留めて枝豆殻入れにしていたので驚きです!!

そっかー彼らそのようなポスター、を、、クスクス 上手いですねー!(ハニ丸はそれ毎年やっているけど面白いと裏で言っています^^)載っていないけど気を使われた?^^
今年の交流戦で唯一私が望んだカードがロッテです。去年は来なかったから楽しみにしていました。なにせ応援が上手いっ上手すぎるのです。それに野球も上手い(あれ、順番反対?^^)おまけにチアのお姉ちゃんたちも上手いんで、外でやっていた応援ステージ思わず足を止めて見入ってしまいました。
前振りが長くなってしまいましたが、御勤め先にスポーツチームがあるのは盛り上がるでしょうねー!そうですかー、大興奮、、羨ましいですww

そうそう、以前血圧票のこと伺っておいてお礼を言っていませんで申し訳ありませんでした。
さすが理系、ああいうのはおちゃのこさいさい(死語?)でいらっしゃいますね!
毎日のこと、やはり記録取るもの同士は近くに置くべきですよね。参考になりました<m(__)m>

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Unknown (磯辺太郎)
2016-06-16 06:22:46
小夏様

おはようございます。おーっ、さすが師匠、シーズン中は頻繁に駆けつけてらっしゃるのですね。それもロッテとは奇遇!幕張COSにもいらしていたとは驚きです!
聞くと、ご主人様のおっしゃるように毎年ロッテの専売特許のようなのですが、よく考えられてますねえ。相手から見ると「敵ながら天晴れ」というところでしょうか?

なるほど、交流戦でお望みだったのですね。野球はともかく(あ、失礼)ロッテってそんなに応援が上手なんですか。幕張のスタジアムって以前訪れた時に恐ろしく風の強いところだったのですが、ちょっと行ってみるかなあ。横浜は終わってしまってるかな。

企業の応援団、すごいですよ。(選手は誰も知りませんが)「この情熱を仕事に向ければ・・・」と言われそうです。。。7月は熱い季節になりそうです。

血圧表は本にあったのを見て作っただけなのですよ。理系でなくても「へなちょこさいさい」(by 元巨人軍のS岡投手)です。
これこそ30日コミットメント!一定以上続けると、空白を作りたくないので、ちゃんと記録するようになりますよ。
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Unknown (月美)
2016-06-18 14:23:40
パラシュートがヒューッと降りてくる乗り物が視野に入りながら観戦するというのが 懐かしい後楽園球場のイメージです。左右前後の見知らぬ人達でも 選手について会話したり ワーッとハイタッチしたりが プロ野球観戦の楽しいところですよね。侍ジャイアンツ…笑!東京ドームに代わっても たまに観に行きましたが、私はドームの中の野球博物館が好きで、まだ幼い息子達を1人で電車に乗って連れて行き博物館を見学した後、試合も観てみようか、とちょっと入ってみたのが、初めて見た社会人チームの大会でした。大応援団で盛り上がっていたのが新鮮でした。その後 たまたま巨人側に座れず中日側に座った試合で 中日が延長戦で優勝して(2006年?落合監督の頃)からは 次男は中日にハマっていきました。そのお付き合いで横浜スタジアムでの中日戦の試合前練習で、近くにいた私に(…と思い込んでいる)話しかけてくれた気さくな立浪選手が個人的には好きでした(笑)
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Unknown (磯辺太郎)
2016-06-18 21:42:37
月美様

そうそう、後楽園遊園地にパラシュートありましたねえ!ゴンドラの足元から下が見えるのでかなり怖かったです。
応援団の中にいると自然と盛り上がるのは野球もサッカーも同じですね。見知らぬ人と抱き合ったりしますもんね。
確か侍ジャイアンツの最終回に番場蛮が展望タワーから後楽園球場の中を眺めるシーンがありました・・・
野球博物館ってかなり前に入った記憶がありますが、ご子息の場合は博物館見学がメインで観戦がおまけだったんですね。社会人チームの大会とは都市対抗かな。
ははは。ひょんなことから、中日のファンになったんですねえ。へーえ、立浪選手がねえ。ファンサービスいいんですね。ボクもクロマティに声をかけたら手を振ってくれました。
実はこの記事を書いていて無性にプロ野球が見たくなり、明日のハマスタのチケット(ベイVS楽天)を買おうとしたんですが、何と二人続きの席は売り切れ・・・
来週の巨人戦はまだ余裕で余っているようです。人気球団や人気カードが変わってきたんですかねえ。
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Unknown (月美)
2016-06-18 22:17:04
侍ジャイアンツの最終回…うーん覚えてないですが、 鉄の左腕の折れるまで〜熱い血潮の燃え尽きる〜ま〜で〜という主題歌が頭を回り始めました(笑)そうでした!都市対抗でしたね!まだプロ野球選手にしか興味がなくて 野球自体の面白さがわかってなかったのか その時は博物館の方が好きでしたね。でも川合選手に握手して貰ったり クルーンという外人選手にサインボールを貰ったり やっぱり横スタの方が選手との距離が近くて楽しかったです。そうそうもう一つ 自慢が!また東京ドームの話に戻りますが、息子達の少年野球チームが勝ち上がり 県の代表になって 東京ドームでの関東大会の決勝に出場した事がありました。わがチームはスコアラーも親の係で私の仕事だったので3塁側ベンチに入りスコアを付けたコトです。結果は0-1で東京代表に惜敗し 準優勝。副賞のその後すぐのチーム全員でのナイター観戦はお預けになり、親子で泣いて帰りましたっけ(笑)
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Unknown (磯辺太郎)
2016-06-19 07:48:23
月美様

ははは。侍Gの最終回、ちょっといいんですよ。ようつべにないかな。そうそう、ボクは「王者・・・」の主題歌の方が好きです。「野球地獄で、男を磨け~」の部分が特に。
都市対抗というのはプロ野球とも高校野球とも違う独特の雰囲気がありますね。来月ドームに行った時、超久しぶりに博物館、行ってみようと思います。ロッテのショップにも少しだけありましたが、昔見ていた頃の巨人軍、懐かしいでしょうねえ。
ボクもハマスタの方が選手とファンの距離が近くて好きです。握手とかサインしてもらったことないいんですが。。。(でももっとすごいのが川崎球場でした)
へーえ、ご子息が関東大会の決勝でドームへ!すごいじゃないですか。ベンチに入ってスコアをつけるなんて、もうできる経験じゃないですね。親子さんで素晴らしい思い出になりましたねえ。(ボクならベンチにこっそり名前書いてくるな。「○●参上!」ってね)
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