超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

提灯で餅をついた行楽日

2016-05-30 07:04:55 | ホビー
先日の「幻の応援会」終盤に「望遠鏡で見てみたい」という要望が結構上がったので、せっかくなら火星最接近の5月31日までの休みの日でチャンスがあれば「観測会&応援会」をやろうとたまたま近所のデパートで開催されていた「九州物産展」で熊本アンテナショップからの名産品を買い込んでおいた。「馬カレー」「馬肉の生姜煮」「れんこん揚げ」「たけのこの水煮」などだ。とある週末の1日、月一でラウンドしているしんさんと河川敷ゴルフの後、彼のサーフィンデビューをお手伝いしようと誘っておいたのだが、天気は素晴らしくよいもののゴルフ場からネットで調べると肝心の波が全くない・・・初めてサーフボードを手に海に入る人にはあまり大きくない波がよいのだが、ここまでないと単に「浮かんでいるだけ」になってしまう。デビュー戦はまたの機会ということにし、帰宅して一人でボードを持って海岸を流し歩きしてみた。ところどころだが、たまーにヒザくらいの波がやってくるので滑ることはできるが、同じタイミングで10人以上が平行してテイクオフしようとするので、初めての人にはやはりちょっと危険そうだった。

少しでも波の来るポイントを探して会場を移動していると、浜辺の方から「おおーぃ、そこちょっと離れてくれよー」というがなり声が耳に入り、小さな子供たちの群れが見えた。振り返るとすぐ後ろに大きなブイが接近してきている。以前にもあったのだが、「地引網」を引っ張る2歩のロープの間に紛れ込んでしまったのである。「よりによって網の地引コースの波がいいなんて・・・」私は苦笑してコースから横に離れたが、しばらくしてもセットがくる気配がなかったので、波打ち際にボードを置いて網の獲物を見物に行くことにした。皆それぞれロープを引き、やがて一番奥の網が上がってくると漁師の揚げてくるバケツに集まってきた。何度か獲物を見たことがあるが、大量のシラスやヒコイワシの他に真鯛や黒鯛、カマスやスズキなどが混じっている。歓声が上がったのが巨大なエイである。新江ノ島水族館でしか見たこともないようなエイだった。尻尾に毒のあるトゲがあるから近づかないように言われていたが、調べるとどうも無くなっていたらしい。触らせてもらったのだが、サメ肌とは全然ことなり表も裏もぬーるぬるの不思議な感触だった。海から直接上がってきたのでバッグにあるカメラを持っていなかったのが残念だ。小一時間ほどで魚の分別が終わり、幅一ヒロもあるエイはどうやら海に逃がしてやったらしい。

再び地引網を抱えた小型船が沖合に出船し戻ってきた。1日に何組かの団体のイベントがあるらしい。子供の頃はもちろん最近でも地元の町内会などで何度か参加したことがあるが、実際水揚げしたもので食べられるのは生シラスとその天ぷらくらいで、ちょっと地元の「海の幸」というには寂しいものがあるものだった。しばらくしてさっきと同様にブイが接近してくると私は陸に上がり、あらかじめバッグからカメラを取り出してスタンバっていた。さっきと同じ漁師も今度は少し興奮していて「ここ数年で見たこともない大漁だよ。」見ると少し小ぶりだが、活きのよいアジが運搬用ケースを埋め尽くしている・・・実はあまり見なかったが、大きな群れが周辺にいるようで、その日は朝からアジの豊漁が続いたそうなのだ。上空は「お零れにあずかろう」というトンビが旋回し、小さな子供たちはカゴからこぼれ落ちた小魚を拾っては水の入ったバケツに入れて走り回っている。残念ながらその回は「エイ」がかかってはいなかったが、小さな子が水面で見つけたという小さな透明のイカを見せてくれた。(水槽で飼ったら面白いかも)

            

この後もサーフビレッジから江ノ島方面へ色々とポイントを転々としたが、水族館まで来てあまりにも波乗りにならなかったので、もはやサーフィンは諦め甘辛が中学生の時に職業体験でお世話になった釣り船屋でエサを買い込み家路についた。ボードに着いた砂や海水を洗い流し庭に陰干しするとバッグ内を携帯ロッドとチョイ投げセットに詰め替えてウエットスーツのまま再び自転車を漕ぎだす。日はまだ高く、着替えて出かけても選択モノが増えるだけだからである。今回は食事になるような「数を釣る」のではなく、「今どこで何が釣れるか?」を探る目的で河口付近から遡上することにした。1時間ほど移動しながら探ったが、仕掛けが引っ掛かるだけで何の反応もない。沖合でアジが大漁だったから河川でもチャンスかと思ったら全然そんなことはなかいようだ。「お兄ちゃん、何か釣れるかい?」「全然・・・何にも釣れませんねえ」ウェットスーツのまま竿を持っているから本格釣り目的には見えないのが幸いだった。日が傾きかけ、結構上流のほうまで移動してきたのだが、ただの一度も魚信らしいものはなく、リールを巻いて虚しく上がってくる仕掛けにはドブのような臭いのするドロが付着するようになってきた。「(今日は何やってもダメだなー)」夕方になって諦めて坊主のまま家に向かったのだった。

「オレんちの前の川、底にヘドロが溜まってるみたいだったよ。」「ふーん」あまり妻は興味もなさそうだったが、天気がこのままで夜まで続けば「惑星観察会」ができるかもしれない、と言ったら早速近くのお友達家族に連絡を入れていた。夜8時頃になると木星の輝きが目立ち始め、9時をまわると接近中の火星、そのすぐそばに土星が見えてくる。我々は宴会用の食糧・酒を買い出しにスーパーに繰り出した。天体観察と同時開催する「熊本応援会」用の物産は買い込んであったが、さらに「熊本産あさり」があったので妻が白ワイン蒸しを作ることになった。帰宅すると早速妻は宴会準備に入り、私は久々に出番となった超兵器M20号をウッドデッキにセットし始める。我が家の古い方のウッドデッキは劣化が進み、ところどころ板を踏み抜かないように「立入禁止:』ポイントができている。北極星に極軸を向けるために三脚を置くマークは辛うじてこれを避けてあるが、肝心のスコープをのぞくと何も見えない・・・何か雲行きが怪しいぞ、北の空から雲が広がってきたように見えた。

  

天気予報では確かに「夜になると雲が広がる」と言っていたのだが、午後6時の段階ではほとんど雲一つ無かったのに、こんな時に見事に的中しなくても・・・天体観察に興味のありそうだった「たまさん」ご夫婦が馴染みのお店で美味の焼き鳥を買い込んで来場した午後7時頃はもう空一面がどす黒い雲で覆われ、星空の欠片も見えなくなってしまっていた。庭にポツンと置かれたM20号を見て「たまさん」が興味深そうにしていたので、「この中に入っている小さな望遠鏡を使って、この軸を北極星に向かせてね。後は地球の自転に合わせて赤道儀が回転して星を追尾するんですよ。また中に星空の地図が入っているので、大方の星は自動導入できるんだよ。ちなみに木星は今、ここにあるんだけど」コントローラを操作して「ういぃーーん」と20cm主砲塔が回転し始めて夜空の一点を指示したが、そこには分厚い雲があるだけだ・・・たまさんはそれだけでも興味深々だったようだが、何とも虚しいデモンストレーションだった。。。いずれ雲の切れ間ができるかしれないので、そのままセットしておいたのだが、切れ間どころかポツポツ雨が降ってきたようなので慌てて撤収する羽目となった。

            

朝早く河川敷ゴルフから始まったが、昼前に帰宅してから「波乗り」「魚釣り」「天体観察」どれをとってみても「自然が都合よく条件を揃えてくれない」1日だった。火星最接近日は5月31日、また今年は土星の輪もかなり角度が開いていて観察するのは好条件らしい。以前も書いたが、恒久的なものの象徴に見える天体も観察する条件によってチャンスはごくわずかである。ここ数週間は星空さえあればM20号を稼働させ何とかあの美しい姿を見せてあげるか、せめて画像に収めたいものだと思う。うまくいけば紹介したいと思うが、今回の観察会もしかり、私はデリケートなタイミングに合わせるのがとても下手だ。仔細計画をたて満を持して臨むと大抵失敗するが、行き当たりばったりの結果オーライには強いので、毎日何気なく空を見上げ「ここ一番」は外さないようにしたい。

ところでその日はかなり長い時間、海水に浸かりっ放しだったのだが、減塩作戦遂行中の私にとって「海に入ると皮膚から海水の塩分を吸収してしまうのでは?」という小夏師匠の疑問はもっともだと思ったが、反対に「もしホントにそうなら世のサーファは皆高血圧で長生きできないじゃん・・・」とも思えたので少し調べてみた。結論から言うと二つの観点から「海に入っても、皮膚から海水の塩分を吸収することはない」ようである。まず師匠のおっしゃる「浸透圧」だが、理科で習ったようにこれは隣り合った水溶液の「濃度の差」によって起きる。海水と人間の体液の濃度はほぼ同じということらしいので、浸透圧による水分の移動はほとんど起こらないらしい。人間も太古は海水中にいた生物だから「羊水は海水(原始地球)と同じ塩分濃度・成分である」と読んだことがある。神秘的な話だが、都市伝説かもしれない。また「皮膚からの吸収」という観点からだと、「皮膚表面は皮脂腺というところから分泌される皮脂というワックスでコーティングされているので、海水中の物質が吸収されることはない」ようだ。

しかしこの話には「おまけ」があり、いわゆる洗剤やシャンプーなど「合成界面活性剤」は皮膚のバリアー機能を破壊してしまい、有害物質が皮膚から体内に侵入しやすくなってしまうことが知られている。また海水濃度も常に一定ではないので、条件によっては浸透圧から海水の塩分が吸収されてしまうこともあるかもしれない。私は今まで正直ほとんど皮膚のことなど気にしたことはないが、「肌が重要」の女性たちの化粧品などの世界では皮膚の状態というのは盛んに論じられているから勉強になった。しかし海水浴で「塩分吸収の危険」を報じる記事は見当たらないから量的には恐れることはないようだ。どちらかと言えば、パーリング(テイクオフに失敗しボードとともに海の藻屑になりかける)などで溺れかけて、直接海水を飲んでしまうことの危険の方が多そうだ。。。


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2 コメント

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Unknown (小夏)
2016-05-31 15:38:02
師匠、こんにちは!
なんとまぁ、遊びのどんでん返し!師匠の地元は器量次第でどんなことでもできそうですねー!(清原厳禁)
海に足を入れているところ、忘れていた感覚が蘇ってきました。
「幅一ヒロ」に眼がフォーカス!初めての言葉です、タイプミスかとおもいましたが(スイマセン)、グーグル先生に教わってきましたー^^
お恥ずかしながら「提灯で餅をつく」っていうのもはじめてです。

海水の浸透圧、、一瞬浮かんだだけの発言、お恥ずかしい~。
自家製干物を作る時、三枚おろしの(小魚は丸干し)身を海水濃度のたて汐に漬け時間置いてから干すのですが、不思議と良い塩梅で塩分入るのですよね~。ですからせっかく苦労して塩分調整初期強化されていらっしゃる身にスゥーっと入ってしまうイメージが浮かんでしまいました。
なるほどぉ、肌バリアがエライのですね。
海水って飲んでしまうと思った以上に塩っ辛いものですね^^
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Unknown (磯辺太郎)
2016-05-31 22:22:43
小夏さま

こんばんは。師匠、PCのほうは復活されましたか?
何事もの自然相手だと思う通りにいかないもんです。「ついでに」できることが多いので、色々手を出してるだけなんです。(ホント、厳禁行為の裁判終わりましたねえ)
「ヒロ」というのは元漁師言葉?なのか釣りでもよく使います。大人が手を広げた長さで1.5mくらいだと思います。
「思い通りにいかない様」は今読んでいる、某物語の受け売りでした・・・

海水の浸透圧、久々に色々と調べて勉強になりました。特にお肌に対しての論議は深いものがありますね。
実は釣ったメジナを「自家製干物」にするときに、「近いから海水が一番塩梅がいいんじゃないか?」と使用しようとしたら、「ダメだ」と言われてしまいました・・・
海水は塩分の他に雑菌やバクテリアが多く、衛生的には薦められないんだそうです。
ずっこけて海水飲むとせっかく減塩してもパーになりそうです。ゲホゲホもので塩っ辛いですね。

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