超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

年末同窓会を梯子する

2017-01-08 12:40:02 | 出来事
ちょっと話は2016年末までにさかのぼる。仕事納めを済ませて後、毎年同じ日に高校の同級生とそれぞれのご家族で集まるようになって何年にもなる。いつからか、とある豪奢なマンションに住むお宅にお邪魔するようになって久しい。確かお嬢さんの年末スキーの予定に合わせていたような気がする。子供が小さいうちは、わいわいがやがや一緒に遊んで過ごしていたが、ここ数年は子供の誰かが受験生となる期間となり、それぞれ大変な時期で彼らもお互いに顔を会わすことも少なくなってきた。そして子供たちは高校、大学と進んでくると親同士の付き合いなど興味を示さなくなり、少しずつめいめいの予定を入れて、この会からは離れて行った。また妻も年末ぎりぎりのこの日は翌日から茅ヶ崎の実家で過ごすための準備とあまり力は入れないが家の整理に忙しくここ数年はご無沙汰している。

「同年代の男友達が欠席で、お邪魔先のお嬢さん(花の女子大生)だけでは話が合わんわな」と息子甘辛も来ないだろうと思っていたら、彼はそういうのは時に気にならないらしく、昨年も進学先の忘年会帰りに一人顔を出したし、今年は最初からついてきた。豪奢なマンションに住まうのは私のクラスメイト、そのパートナーは知る人ぞ知る超有名人、さらに東京から某SNSでのプロフィール写真がやたらカッコよく「修正疑惑」まで噂された独身貴族のクラスメイト、さらに海外赴任が終えたと思ったら尾張の国にカーブして単身帰国赴任してしまい、昨年ようやく自宅に戻れたクラスメイトと同級生結婚のパートナー、唯一仲良しだった男友達二人のいる家族はご主人が海外赴任中で今年はそちらで過ごすとかで不在・・・下のご子息がまさしく受験生で塾から帰るなり自室に篭ってしまったので、大声で騒ぐのも憚られる。そんなメンバーのテーブルのど真ん中に座らされてよく甘辛は平気なものだと思う。

年に1回になってしまったが、「同じ日に集まれる同級生とその家族って貴重だよな」と思いながら、実は私も何となくあの高学歴・ハイソ感が苦手でこれまで話よりも酒だけが進んでいく年末だったのだ。そこで私は訪問前に息子甘辛と共に彼がしきりにのめり込んでいる、とあるアイドルグループのMV集を求め、強引に鑑賞会に持って行こうと考えてあちこち探し回っていた。家にいるときに暇さえあればそのグループが登場する録画した番組を見ているので、自然と覚えてしまったのだがAK●みたいなグループやモー●ング娘。とも異なるちょっと大人しめのアイドルグループである。さすがに歌って踊ってなどという映像には興味がないが、MV(ミュージックビデオ)にひとつの物語仕様になっているのがいくつか会って、これが実に「うるうる」くる、中高年でも「やられて」しまう出来栄えなのである。少し最近この手のモノに弱くなってきた気もするが・・・

  

息子甘辛は私が家にいる時にやたらこの映像を流して「洗脳」を謀ったらしいが、まんまとその手に掛かってしまった。「耳の聞こえない、いつも一人でいる少女にダンスグループが声を掛け、お友達になって一緒にコンテストを目指すが、直前になってその少女の引越しが決まってしまい、お別れとなる」という、活字にするとベタなストーリーなのだが、何度見ても「うぅー、こりゃ、やばい」と思えるほど、うるうるきてしまうのである。昨年ヒットした曲で紅白歌合戦に出場することになったそうだが、「紅白でNHKの演出みたら泣くかもしれねえ」と息子が喚いていたMVも物語仕様になっている。こちらの方は若干ストーリー展開に意味不明なところもあるが、詩が素晴らしい。私がグンマを去るときにそれまでの写真を編集して映像の載せた時に使用したのはAK●48の「卒業をテーマにした」曲だったが、同じ作者はたまに私の琴線に触れることがある。女子大生を除いてむろんこの手の話題など興味のあるはずもないテーブルで、このグループの話になった時に気がついたら自分が熱く語っていた。

      

「へーえ、太郎(仮称)と甘辛クンのお好みってどんな映像なの?」と夫人がタブレットをパタパタ叩くとなんとリビングの大画面テレビに出てきたのである。すごく綺麗な画像だが「ようつべ」とは違うのか?いちいちDVDを探して回らなくてもよいとは世の中便利になったものだ。「まさか、あのメンバーではなー・・・」と思ってはいたものの、意外にもしばらく甘辛が薦めるMVの鑑賞会になってしまったのである。それから昔のアイドルやらグループやらの映像を懐かしく楽しみ盛り上がっていたが、そろそろ失礼しなければならない時間がやってきた。今まで無かったのだが、中学時代の悪友が年末年始に帰郷しており何人かで集まることになっており、声を掛けてもらっていたのである。元々この日は「毎年お呼ばれでいない」と伝えてあったが、先の訪問先に受験生がいるのでいつものように長々とお邪魔できないに加え、割と故郷周辺に回帰している悪友の中で帰郷時しか会えぬヤツだったから、初めから顔だけは出すつもりでいた。

  

同じ夜に高校、中学の同級生と席を共にするなどこれまで無かったことだが、さすがに甘辛は子供の頃から集まっていた方はよく知っているが、後の方は誰一人として顔見知りがいない。帰りにタクシー代を渡して帰そうかと思ったが、なんと「ついでだから寄って行く」と言う。後から聞いたら、人の家ではさすがにテーブル上のモノを食べ尽くすのは少し憚っていた結果、やたらに腹が減っていたらしい。背丈だけはひょろひょろ高いがそんなにイケメンとは見えない甘辛は女性群の好奇の的になっていた。同級生だから同じ年代の子を持つのは自然だが、女親というのは結構息子に思い入れが強いものなのかもしれない。「(キミらには誰も彼もがイケメンに見えるんじゃないか?!)」一方で悪友どもは「息子の前でこんな話してもいいのかなー」などとニヤニヤしながら、金八先生時代のしょうもない話を繰り出してはガハガハ笑っていた。実は悪友と言いながらも、3年間で目立った活躍なんて何一つ無かった私に比べ、一人は甲子園球児、さらに別の一人はハイジャンプ全国入賞の記録を持ち、中学時代からその片鱗を見せていた(当時の)アスリートなのである。

最初は甘辛に興味深々のようだった女性軍も後から加わり、当時お似合いだった彼女彼氏、交換日記の先駆けとなった男子、四天王と言われた可愛い系女子、卒業式に学ランのボタンが全部無くなったイケメン男子、当時女子の間で大人気だったモテ男などありとあらゆる与太話が飛び交った。二次会ということもあってか右に左にやたらに盛り上がっていった。少年時代からの当時のメジャー2代スポーツだった野球部とサッカー部には何故かモテ男がほとんどおらず、バスケ部と陸上部あたりに人気者が集中していた。前者の不人気部活所属の私とガンさんはいつもの調子だとこのあたりから、女子の間の大人気男の「ずっこけ話」「冴えない話」「二股話」など悪口大会とするのだが、さすがに息子を前にしてハシタナイ真似は控えていた。小声で甘辛に「なーんか、さっきと雰囲気違うだろ?」と苦笑いしてみせのだが、父が「女子の間ですごく人気があった」という話題にはなりえない場において、何か溜飲を下げることは言っておかなければならない。

実はその場で明かす父の堂々たるモテ&恋話は無かったのだが、経験的に私はなぜか「段ずれ」することが多かったとだけ披露しておいた。中学時代の同級生とは高校に進学してから仲良くなり、高校時代のクラスメイトは大学に行ってから接近し、大学時代のサークルメンバとは社会人になってからデートする。リアルタイムでモノになったことは全然ない「何であの時に言わねえんだよ?」ということばかりだった甘辛くらいの年代だった。だから同年代の間では「胸躍るような」話題がほとんど無いのである。実際の話だが我ながらその場のシチュエーションによくつながっていると思えた。一人の女子がしきりに甘辛に「彼女いる?」とカマをかけていた。私はすかさず「いやー、この人は『●木坂』しか興味ないみたいでさ・・・」「いや、絶対いるよ。親に隠してるだけだって」それはそれでアイドルの追っかけよりは歓迎すべき話だが、戸惑う風でもなくニタニタ聞いている甘辛を見て「(コイツをこういう場に連れてくるのはやめておこう)」と密かに思ったのだった。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (小夏)
2017-01-09 11:29:33
えっ高学歴ハイソ感がって、、、師匠こそどこへ出ていらしても、と想像いたしておりますが・・。
本音伺って目がテン!師匠は素直で正直でいらっしゃる(もちろんぶれない)から慕われるのでしょうね~。
知る人ぞ知る超有名人←田舎のオバちゃんは思わず2度見(笑)詮索は致しませんが^^
この中に甘辛君も写っているのでしょうか!?もしや右から二人目!?ものっすごく背が大きくありませんかー!?師匠も大きいと伺っておりますけどもまったく違うレベルなようです。

少々違和感あるのも気の置けないお仲間にも、生で顔を合わせられるのはいいものですね^^
甘辛君のご性格も将来が楽しみです。世界へ出ているのかな、日本でやるのかな。皆に愛されるのは幸せですね。

返信する
Unknown (磯辺太郎)
2017-01-09 12:23:48
小夏さま

1年に一度しか会わないからですかね。何かやけに緊張して、落ち着かないんです。むろんすぐに昔話に花が咲くんですけど。色んな方面で中々立派な方が多いのですよ。
有名人は「知る人ぞ」というところが大事で、表立った活動はされていないようです。
そう言えばボクの中では、グンマで元首相と飲んだのが最有名人でした。
甘辛は大きい方でしょうね。ちょうどボクが平均くらいなんです。

気のおけない仲間というのはどういう形でもいいものです。子供が巣立っていったら大人だけのまた違った集まりになるかもしれません。
息子は私と違い、どこに飛び込んでも平気な太さ(のんきさ)があると思います。いい方にも悪い方にも色々と経験していくことでしょう。
温かい言葉ありがとうございます。
返信する

コメントを投稿