中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

果断な処置

2020年03月23日 | 情報

いずれの事案も、事業者はハラスメントがあったことを認めています。
今後は、このような流れが定着するのでしょうか?
もちろん、ハラスメントが無くなることが最善なのですが。
さらに、報道からの判断ですが、当事者のヤマハ株式会社さんの短期間での対応に、
最大限評価することができます。
長年にわたって培われてきた企業風土・文化の賜物なのでしょうが、この企業風土・文化とやらが曲者で、
そう簡単には成熟しませんし、一方で簡単に壊れてしまうモノなのですね。

ヤマハでパワハラ、30代の社員が自殺 課長職に起用後
3/20(金) 朝日

大手楽器メーカーヤマハ(本社・浜松市)の男性社員が今年1月、
上司から厳しい指導を受けて体調を崩し、自ら命を絶っていたことがわかった。
会社側は、体調不良の背景にパワーハラスメントがあったことを認め、
「関係者におわびし、再発防止に全力を挙げる」としている。
会社や関係者によると、亡くなったのは研究開発部門の30代の男性社員。
昨春、課長職に起用されたことで、
研究開発部門の執行役員だった50代の上司の男性と接する機会が増えた。
上司は2017年に他社から中途採用された。
会社によると、男性社員は、昨年6月ごろから体調を崩し、精神科を受診。
11月から休職して実家で療養していたが、今年1月、自死した。
社内の通報窓口に昨年末、男性へのパワハラを示唆する情報が寄せられていたという。
ヤマハは、男性の死を受け、第三者の弁護士に調査を依頼。
男性が体調を崩したのは、上司によるパワハラ行為の影響があったと認定し
上司を3月末で退職扱いとした。上司は1月から出社していないという。
ヤマハの山畑聡常務執行役は「ご遺族には大変申し訳なく思う。内部通報まで気がつかなかった。
対話重視で風通しの良い職場を作り、コンプライアンスを強化したい」と話している。

楽器メーカー「ヤマハ」でパワハラ 30代の男性社員が自殺
2020年3月20日 NHK

浜松市に本社がある楽器メーカー「ヤマハ」の男性社員が、
上司の役員から業務内容について叱責を受けて体調を崩し、
ことし1月に自殺していたことがわかりました。
会社は、上司によるパワハラが自殺の原因になったと認定し、遺族に謝罪するとともに、
この役員を今月末で退任扱いにしたということです。
ヤマハによりますと、研究開発部門に所属していた30代の男性社員は、
去年春の人事異動で管理職になったあと、上司に当たる50代の男性役員から業務内容について
叱責されるようになったということです。
そして、体調を崩して去年11月から休職し、ことし1月に自殺したということです。
社内の通報窓口には「男性社員がパワハラを受けているのではないか」という情報が
寄せられていたということで、第三者の弁護士による調査の結果、役員の叱責はパワハラに当たり、
自殺の原因になったと認定したということです。
ヤマハは、遺族に謝罪するとともに、この役員を今月末で退任扱いにしたということです。
ヤマハは「社員と遺族に大変申し訳ない。
社員が自殺するような事態を繰り返さない職場環境をつくっていきたい」としています。

業務内容詳しく教えず「丸投げ」…消防司令の行為をパワハラ認定
読売新聞 2020/03/21

熊本県上益城(かみましき)消防組合消防本部(御船町)の男性職員(当時46歳)が昨年5月、
上司の消防司令(50歳代)からパワハラを受けたとする遺書をのこして自殺した問題で、
弁護士らでつくる第三者委員会は20日、消防司令の行為をパワハラと認定した上で
自殺の一因となった」とする調査報告書を明らかにした。
消防司令は19日付で停職6か月の懲戒処分、2階級降任の分限処分となった。
報告書によると、男性は昨年4月に予防指導課危険物係長になり、翌5月に自殺した。
第三者委は、同課長だった消防司令が男性に対して行った、
▽業者や他の職員の前で大声で叱責(しっせき)する▽業務内容を詳しく教えず、
仕事を丸投げする、といった行為をパワハラと認定した。
一方で、男性が異動を知った同3月頃、上司になる消防司令への不安などから不眠になったと指摘。
自殺に至ったのは「人事異動に対する不満や不安も原因になったと思われる」とした。
消防組合管理者の奥名克美・熊本県甲佐町長は「深刻な事態で、重く受け止めている」と述べた。
男性の妻は「主人の無念を少しは晴らせたが、
自殺の原因がパワハラのみではないとされたことは少し残念だ」と話した。

「職員自殺はパワハラ」 上益城消防が認定、元上司に停職処分
2020/3/21 熊本日日新聞

上益城消防組合消防本部の男性係長=当時(46)、熊本県山都町=が昨年5月に
「上司からパワーハラスメントを受けた」と書き置きして自殺した問題で、
上益城消防組合(管理者・奥名克美甲佐町長)は19日付で、
元上司の50代男性消防司令のパワハラ行為と自殺との因果関係を認め、
停職6カ月の懲戒と2階級降格の処分とした。
組合が昨年8月に設けた第三者委員会が20日、調査結果を組合議会に報告。
昨年4月の異動後、元上司と男性の2人のみの業務の中で、
「仕事を丸投げして内容を教えず、質問したことも非難した」
「同僚や業者の前で大声で叱責[しっせき]した」などとして、
「業務の適正な範囲を超えて精神的な苦痛を与えた」とパワハラを認定した。
加えて、異動に関する不安や不満も自殺の原因とした。
組合の対応も問題視し、「職場環境を抜本的に見直すべきだ」と組合に再発防止を提言した。
組合議会は報告後、臨時会を開催。奥名町長と副管理者の嘉島、御船、山都3町長の
組合特別職の2019年度分報酬をなくす条例改正案を可決した。
長田聖一消防長と、男性から昨年3月、相談を受けて異動情報を漏らした
別の50代男性消防司令は訓告処分とした。
臨時会後の記者会見で長田消防長は「再発防止と信頼回復に努めたい」と謝罪。
元上司については「自分の言動がハラスメントという認識がなく、
男性や家族への謝罪の意思は見えない
」とした。
議会と会見を見守った男性の妻(47)は「パワハラが認められて、
夫の無念は少し晴れたと思う」と声を絞り出した。
元上司については「夫がなぜ死んだのか理解していない。反省して謝ってほしい」と悔しさをにじませた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自殺動機、健康問題が最多 | トップ | 休職・復職の基本シリーズ③ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

情報」カテゴリの最新記事