メンタルヘルスにとって大切なのは、「食事、睡眠、運動」と云われています。
当たり前のことなのですが、できない、できていないのが現代人の悩みです。
楽しい食事の効用 心にも「栄養」を与えよう
元気の処方箋(神田東クリニック院長 高野知樹さん)
日経 2022年11月28日
冬野菜やタラ、カキなどの食材がおいしい季節になってきた。人間にとって食べる行為にはエネルギー源の摂取という役割のほか、
食を楽しむという側面もある。煮る、炒める、焼くなど様々な調理法があり、味付けも無数にあるのはそのためだ。
人間にとって「食う・寝る・遊ぶ」はカメラの三脚のようなもので、そのひとつが崩れると心身の安定に影響が及ぶ。
悩みごとが深いときには眠りも浅く、食欲も湧かず、気分転換しようという気にもなれず、
さらに不調になるという悪循環も起きてしまう。このように「食」はメンタルヘルスにも関連が深い。
メンタルヘルスに関連の深いセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった脳内の神経伝達物質はたんぱく質を摂取して作られる。
また朝食をとり日光を浴びることで、脳内のセロトニンの分泌が促され、脳を覚醒させている。
規則的な食生活は生体のリズムも整えてくれる。
毎日朝食を食べる子どもほど学力や体力テストの点数が高い傾向にあるという調査結果もある。
農林水産省は生涯を通じた心身の健康を支える食育を重視し「食育推進基本計画」を定期的に公表している。
また学術的にも食からメンタルヘルスを考えることを目的に、国際栄養精神医学会が2013年に創設されている。
そこでは地中海式、ノルウェー式、日本式など植物や魚が中心の伝統的な食習慣がうつ病発症のリスクを低くする研究報告がされている。
食は食べる行為そのものがリラックスとリフレッシュをもたらしている。
コロナ下のビジネスマンの昼食は黙食が広がった影響か、スマートフォンをテーブルに置いて、
画面を動かしながら黙々と食す姿が増えた気がする。
楽しい情報に触れているのだとしても、いま食べているものの外観、食感、味など五感を使って楽しんでいるだろうか。
少なくとも1日3回、メンタルヘルスにも「栄養」を与える機会になるはずだ。
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