中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

「昇進後も業務量変化なし」

2023年04月03日 | 情報

記事中にある「ストレスなどによる精神障害を発症していた」の「ストレス」は、私傷病なのでしょうか?
新聞報道を読んでいると、司法は単純に「時間外労働の時間数」のみで判断しているようです。
別の見方をすれば、月80時間程度の時間外労働のみで、精神障害を発症することは考えられないのですが?

近大職員自殺 大阪地裁、労災認めず「昇進後も業務量変化なし」
毎日新聞 2023/3/23

近畿大の事務職員だった男性(当時40歳)が8年前に自殺したのは過労が原因だとして、
男性の妻が労災認定しなかった国の処分を取り消すよう求めた訴訟の判決で、大阪地裁は23日、請求を棄却した。
横田昌紀裁判長は当時の業務内容や業務量を踏まえ、自殺との因果関係は認められないと判断した。

判決などによると、男性は2015年4月に総務部の課長補佐になり、卒業生が加入する校友会との連絡調整を担当。
卒業生らが集まるイベントの準備などをしていた同年7月8日夜、職場で命を絶った。
男性は「生きてるのがしんどくなりました」などとする遺書を残していた。

妻側は、男性が15年7月初旬にうつ病を発症しており、
発症直前1カ月の時間外労働は海外出張などを含めて160時間を超えていたと訴えていた。

横田裁判長は、医師の意見書などを基に男性が同年6月上旬に適応障害を発症していたと認定したが、
発症前1カ月の残業時間は82時間で心理的負荷は強くなかったと判断。
課長補佐に昇進した後も業務内容や業務量に大きな変化はなかったなどと結論付けた。

東大阪労働基準監督署も17年8月、男性がストレスなどによる精神障害を発症していたとしたが、
発症直前の残業時間を考慮して労災要件に該当しないとしていた。

 

近大職員自殺 遺族側の労災不認定取り消し請求を棄却 
2023/3/23 産経

近畿大の職員だった男性=当時(40)=が平成27年に自殺したのは長時間労働が原因だとして、
男性の妻が労災と認めなかった東大阪労働基準監督署の処分取り消しを国に求めた訴訟の判決が23日、大阪地裁であり、
横田昌紀裁判長は妻側の請求を棄却した。男性の妻は近大に対して損害賠償を求める訴えも起こしていたが、すでに和解が成立している。

判決理由で横田裁判長は、自殺前の1カ月間で100時間を超える時間外労働は認められなかったことなどから
「心理的負荷の程度は弱かった」として、処分の違法性を否定した。

判決によると、男性は27年4月に近大総務部校友課の課長補佐になり、
卒業生の住所管理やイベントの企画・運営などの業務を担当していたが、同年6月上旬ごろに適応障害を発症し、翌月に自殺した。

 

 

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