中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

(参考情報)過度な手洗い、

2020年07月28日 | 情報

(新型コロナ)過度な手洗い、強迫性障害? 先見えない不安、生活に支障も

2020715日 朝日

 

 新型コロナウイルスの感染予防のために、手洗いやアルコール消毒が推奨されている。
だが、過度に繰り返し、日常生活に支障が出ていないだろうか。
状態によっては、精神的な障害の一つである「強迫性障害」になっている可能性がある。
専門家は「必要に応じて治療によるサポートも受けられる」と呼びかける。

「新型コロナウイルスが怖いです。外出は自粛していますが、
インターネットの情報を読むと不安になります。見なければいいのですが、
することもないのでついネットを見てしまいます。どうしたらいいのでしょうか?」


これは新型コロナの感染が拡大していた3月、40代の女性から横浜労災病院の
勤労者メンタルヘルスセンター長を務める医師の山本晴義さん(72)に届いた相談のメールだ。
山本医師は20年前から無料で心の健康についてのメール相談を受けており、
これまでは1カ月に届くメールは平均で月600件前後だった。
だがコロナ禍で相談が急増し、5月は延べ1202件寄せられたという。

「見えないウイルスとの闘いには、先が見えない不安がある。人との接触も避ける必要があり、
ストレス解消が難しい」。
こうした状況から、リスクが高まっていると山本医師が危ぶむのが、強迫性障害だ。
強迫性障害は、意識しても避けられない不安などの「強迫観念」と、
不安な気持ちを打ち消すために過剰に繰り返す「強迫行為」を特徴とする心の疾患の一つだ。

代表的な症状は「汚染・洗浄」に関するもの。
電車のつり革に触ることでウイルスへの感染が心配になり、
何度も手を洗う▽トイレ後に手洗いやシャワーを繰り返す――などがある。
人によっては、気になって外出できなくなるケースもあるという。

「誰にもそういう面はある。気を付けるのは日常生活に支障がでる場合だ」と山本医師。
相談者の中には、水道代が月10万円を超える人もいたという。
過剰な手洗いは、皮膚を傷つけ、感染症のリスクを高める恐れもある。
「『何のための行動か』を意識すること。感染を防ぐためか、安心感を得るためか。
もし後者で行っているのであれば注意が必要です」


強迫性障害の要因や症状は多様だが、特に注意が必要なのは、
コロナ禍で強い緊張感・恐怖感を感じている人たちだという。
重症化のリスクが高いとされる高齢者や基礎疾患がある人たち、
あるいは医療関係者は、完全な衛生管理を求められるからこそ、
強いストレスを受けていることが、相談内容からも読み取れるという。

また、小さい子どもや若者も、ストレスへの対処方法を知らないこともあり、リスクが高いという。

 

 自分や周りの人がそうなったら、どうすればいいのか。

山本医師によると、心を落ち着かせるために「ルール」を決めることが有効だという。

例えば▽コロナの情報を収集する際は、できるだけ実用的なものに限って1回5分、1日2回にする、
というように時間を区切る▽手洗いは、帰宅時や食事前、トイレ後など、
自分で決めたタイミングで行う▽退屈な時間は不安を生むこともあるので、
誰かに必ず連絡するなどの日課を決める――といった具合だ。

また、子どもや若者には、周囲の大人が落ち着いた対応を見せれば安心することもあるという。

「未来への不安ではなく、『今』をどう生きるかを意識することで気持ちが楽になることもある」と
山本医師は心構えを説く。その上で「周囲の人は、行為を責めずに共感してあげることが必要。
医療機関での治療も選択肢に考えてください」と話している。

 

■国内では推定100万人強

厚生労働省によると、国内では強迫性障害の有病率に関する調査は少なく、全体数の把握は難しい。
欧米などの調査結果と同様に人口の1~2%程度と仮定すると
国内では100万人強の人が悩んでいると推定されるという。

また、厚労省の調査によると、日本は欧米に比べて精神科の受診率が低いとされている。
そのため「重症でありながら、受診行動に至っていない人も相当数いて、
精神科を受診することへの躊躇(ちゅうちょ)も依然強いものと考えられる」などとしている。

 

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