20年6月21日、NHKラジオのラジオ深夜便で、NPO法人アーバンファーマーズクラブ代表:
小倉 崇さん(初回放送:2020年2月16日の再放送)のインタビューを聞きました。
小職が関心をもった部分のみを紹介します。
それは、「土に触れることの効用」です。
土に触れる前と、あとで、唾液を採取して分析すると、オキシトシンという物質の増加により、
ストレスが低減するそうです。いわゆる「多幸感」が得られるそうです。
「多幸感」とは、「たこうかん」と読み、幸福感を司る神経伝達物質である「セロトニン」が
脳内で大量に分泌されている状態のことを指すとされています。
オキシトシンは、視床下部後葉から下垂体に直接軸索をのばして投射するホルモンです。
オキシトシンの主な作用としては、抗ストレス作用、摂食抑制作用が挙げられます。
そのほかにも多幸感を感じる方法があるそうです。
・恋人と触れ合う
・お酒を飲んで気持ちよく酔う
・好きなアーティストのライブに参加する
・セロトニンの分泌につながる食事をとる
セロトニンは、タンパク質が入っている食品に多く含まれており、
肉類や魚類、豆類や乳製品などが挙げられます。
・ピアノ音楽や自然音を聞く
参考までに、諸外国における好事例として、オランダにおける「ケアファーム」制度があげられます。
ケアファームとは、「ケア(介護)」+「ファーム(農場)」からの造語です。
認知症や精神疾患を抱える人、発達障がいのある子どもたちなどにデイサービスを提供する農場のことです。
ただし、研究によると過剰な「多幸感」による、副作用もあるそうです。
すなわち、多幸感のあとにはアパシー(感情を失う)、不快気分、四肢の重さ、口の渇き、
顔面の痒み、精神運動の興奮または低下、判断力の低下などが現れます。
さらに眠気、ろれつの回らない会話、注意と記憶の障害なども出てきます。
なにごとも、ほどほど、適度がよいようです。
小職も、以前から、障害のある人は、土に触れることができる農業に従事してはと、
素人考えから推奨してきました。
しかし、農業に従事するのは大変ですから、
家庭菜園にチャレンジするなどの方法もあるのではないでしょうか。
小職も、肥沃な土の中に手を入れると、得も言われぬ温かさ、
満ち足りた気分に包まれる経験があります。