中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

ストレスチェックを実施しましょう(続々編)

2018年04月25日 | 情報

そこで、面接指導を受けようとしない従業員への対応要領です。

まず、医師の面接指導を受けるよう、少なくとも2回、督促してください。
これで、計3回にわたって面接指導を案内したことになります。

一方で、他の方法も検討することが必要です。
それは、ストレスチェックに基づかない、通常の産業保健活動における産業医との面談を推奨することです。
この場合には、産業医と面談したこと、及び産業医との面談結果は、会社側には伝わりません。
対象の従業員に、このことを伝えれば、当事者は安心して面談に臨むことができます。
加えて、外部の精神科専門医、あるいは心療内科等を受診することも勧めてください。
それから、一次予防が目的なのですから、医学的な領域よりも、
人間関係や担当業務における悩み等が問題になっている可能性があります。
そのような場合には、保健師やカウンセラーとの相談の機会を設けることも必要でしょう。
ここまでしても産業医面談を受けない従業員については、放置してもやむを得ないでしょう。
そのためには、万が一の争いに備えて、この経緯を記録して保存することです。

(参考)高ストレス者に対する面接指導と事後措置
1.面接指導の対象者
検査の結果、ストレスの程度が高かった者であって、検査を行った実施者が面接指導の実施が必要と認めたもの

2.面接指導の実施
(1)対象労働者から申出があったときは、事業者は、遅滞なく(概ね1月以内に)、
医師による面接指導を実施しなければならない。
(2)医師は、面接指導を行うに当たっては、当該労働者の勤務の状況や心理的負担の状況等を確認すること。
(3) 面談結果の記録の作成と保存
 面接指導結果記録を作成し、これを5年間保存しなければならない。
(4) 医師からの意見聴取
面接指導結果に基づく医師からの意見聴取は、面接指導実施後遅滞なく(概ね1月以内に) 、
次の事項について行わなければならない。
①就業上の措置の必要性の有無
②講ずべき措置の内容
③職場環境の改善 など
(5) 就業上の措置の実施
上記の医師の意見を勘案し、かつ、当該労働者の実情を考慮して、次に掲げる措置を講じなければならない。 
①就業場所の変更、作業の転換
②労働時間の短縮、深夜業の回数の減少 など 

聴取した医師の意見は衛生委員会等に報告しなければならない。
就業上の措置を決定するに当たって、当該労働者に対する不利益な取扱いにならないように留意しなければならない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする