労基署の立ち入り検査について、しばしば質問があります。
このことについては、従来より、当ブログで説明してきましたので、
今回は、少し視線を変えてみたいと思います。
あなたの事業場に、突然、労基署の監督官が現れたら、どうしますか?
事業場数と監督官の人数とを比較すれば、ほとんどあり得ないことと思っていませんか?
監督官が、事業場をどのようにチェックするのか? 日頃より交流のある、社労士法人「税経センターグループ」のHPに、
適当な記事がありましたので、了解をいただいて、以下に紹介します。
なお、直接、御社と監督官とのやり取り以前に、以下の項目にも、日頃より注意してください。
・事業場内外の整理整頓 ⇨衛生委員会、社内巡視ができているかがわかります。それに、事業場内が雑然としていれば、
労災事故の危険率が高まります
・事務所入り口に、事業場トップの安全衛生方針を掲出⇨経営トップ、事業場トップの取り組み姿勢がわかります
・同じく、衛生管理者、安全管理者、安全運転管理者等の名札を掲出⇨ 法令を遵守した活動ができているかがわかります
労働基準監督署による労働条件調査
http://www.zeikei-c.com/asahi/201504/asahi201504_3.html
税経センターグループHPより
労働基準監督署(以下、監督署という)による調査には大きく二つにわけられます。
ひとつは「労働条件調査」といわれるもので、
その会社の労務管理(労働条件、安全衛生等)が適正に運用されているかの調査となります。
ふたつ目は「労使間紛争が発生した際の調査」で、主に労働者が監督署へ相談した場合等に行われます。
今回は、「労働条件調査」についてご案内いたします。
監督署による労働条件調査は、企業をランダムに抽出して行われます(業種を選定したうえで行われる場合もあります)。
かなり細かいところまで調べられますので、日常の労務管理は非常に大切なものになります。以下に調査の概略を示します。
・出勤簿、賃金台帳の提示(直近6ヶ月~12カ月分)
・労災保険、雇用保険の適用状況
・労働時間が適正か(時間管理の手法及び長時間労働の有無を確認)
・休日が適正に与えられているか
・有給休暇の消化率について
・割増賃金が適正に支払われているか
・36協定が締結されているか(実際の運用状況との対比)
・就業規則、賃金規程等の有無及びその内容
・賃金明細に法定項目が記載されているか
・管理監督者の取扱いについて
・定期健康診断の実施状況と記録の保全状況
・衛生推進者、産業医等の選任状況(企業規模による)
これが労働条件調査の概略です。上記の事項について、法律に則して運用されていない事項について、
監督官は事業主に対し「是正勧告書」を渡します。
事業主は「是正勧告書」に指摘された事項について改善を行い、
指定された期限までに必要書類等を添付して「是正報告書」を監督官へ提出することになります。
上記の調査項目の中で一番問題になるのは、割増賃金が適正かどうかという点にあります。
他の事項については、時間はかかるかもしれませんが法律に則して改善を図ることによってクリアすることができます。
しかしながら、割増賃金が適正に支払われていないと判断された場合は、過去に遡って賃金支払いを命じられることになります。
遡及されるのは、最長で時効期限の2年間です。また、その後も適正な割増賃金を支払い続けなければなりません。