中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

残業削減の見本

2017年02月01日 | 情報

とにかく残業を削減しろ、無くせの連呼の状態ですが、それが出来れば、「今まではなんだったのか?」と云うことです。
早く帰れということは、「家に仕事を持ち帰ること」と同義語ですし、
霞が関自体が、残業の「巣窟」状態ですから、自ら範を示す必要があるのに、「それはそれ」の状況です。
なのに、政府にはっぱを掛けられる民間企業は、「いい面の皮」でしょう。
表現に問題がありましたが、多くの中小、零細な企業の経営者の心情を推測すれば、このようなものでしょう。

働き方改革、健康経営、等のキーワードで、多くのマスコミ等において、
沢山の好事例が紹介されてきましたが、小生が「なるほど」と受け止めたのは、
テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」(’17.1.12放映)で紹介された「SCSK株式会社」ではないでしょうか。
「SCSK株式会社」は、なんと、うつ病り患者が多い(これは小生の主張です)とされる「公務員」「教員」と並ぶIT企業です。
それと、NHKスペシャル('16.12.24放送、番組HP http://www.nhk.or.jp/ourfuture/vol7/ )でも、取り上げています。

テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」HPより転載
日本企業が長年続けてきた"残業文化"は変わるのか?先進的な企業の取り組みからからその答えを探る。
長時間残業が当たり前だったITシステム業界に"ホワイト企業"へと驚きの大変身を遂げた会社がある。
SCSKは、「残業を減らせば残業代を出す」という前代未聞の方法で残業の半減に成功。
それなのに、増収増益を続けている。改革を指揮した中井戸は、「従業員を犠牲にして利益を出しても一流企業とは言えない。
自分の息子や娘を入れたいと思うか、が基準だ」と信念を語る。

残業残酷物語〜SCSKの働き方改革
深刻な残業問題を抱えるITシステム業界。過重労働で心身を害する従業員が後を絶たない。
SCSKも長く残業体質にあったが、2011年、当時社長に就任した中井戸信英が大胆な改革に乗り出す。
「残業を減らせば残業(筆者追加:代)を出す」という逆転の発想で、半減に成功。
社員全員に有給休暇の完全取得(年20日間)も達成させた。
社員の家族には中井戸自らが手紙を送り、「一流の会社になるためには社員の健康が欠かせないこと」と訴えた。
一方で、「働く時間が減れば、当然売り上げも減る」という懸念を払拭するような結果も現れ、6期連続で増収増益を続けている。

“モーレツ商社の異端児”が日本の働き方を変える!
中井戸の前職は住友商事元副社長。総合商社と言えば“モーレツ社員”が代名詞だが、中井戸は定時に帰る異端児。
やがてドイツや米・シリコンバレーに赴任し、生産性の高い働き方を目の当たりにした。
そんな中井戸が残業削減に着手する前に手がけたことは、健康環境の整備。豪華な食堂を新設し、
専門医がいるクリニック・薬局を開設、さらにはマッサージルームをつくり、
マッサージを受けている時間も勤務時間にカウントさせている。
健康であることがいかに高い生産性を生むか」…中井戸の信念がそこにはある。

SCSK株式会社HPより転載
https://www.scsk.jp/corp/csr/feature/feature01.html

健康経営を軸とした「働き方改革」がIT 業界だけにとどまらず日本企業に浸透するよう、当社が先駆者となってリードしていきます。

「働き方改革」の成果
当社では2011年の経営統合を機に、「夢ある未来を、共に創る」という経営理念のもと、「人を大切にします」との約束を掲げ、
その実現に向けて「働きやすい、やりがいのある会社」づくりを目指しています。
そして、社員の健康こそが全ての礎という理念のもと、健康経営を推進してきました。 
経営者自ら「健康経営推進最高責任者」に就任し、さまざまな場面を通じて、
その想いを全社員、さらには家族の心に訴え続けることで多くの成果を上げています。
残業削減や有給休暇の取得推進に加え、禁煙キャンペーンなどの各種健康増進施策に取り組んできました。
これらの取り組みを通じて新しい働き方を定着させた結果、
働く時間の短縮と生産性の向上を同時に達成し持続的な成長を実現することができました。
こうした「働き方改革」の成果は外部からも高く評価され、
日本経済新聞社の「人を活かす会社」調査で2年連続総合ランキング1位に輝いたことに加え、
内閣府による平成27年度「女性が輝く先進企業表彰」で「内閣総理大臣表彰」を受賞しました。
「働き方改革」の成果は企業認知度のほか、企業イメージや企業ブランドの向上にもつながっています。

「働き方改革」を社外に発信
「働き方改革」は社員一人ひとりの生産性を高め、最終的には企業競争力の強化につながる取り組みです。
同業他社をはじめお客様企業からも参考にされるマネジメントの成功例として模範ともなっています。
今後も当社が実践してきた取り組みを対外的に発信するなど、日本企業全体の「働き方改革」を後押ししていきます。

「働き方改革」のこれまでの取り組み
https://www.scsk.jp/corp/csr/feature/img/01_02L.png

 中井戸 信英
1946年生 奈良出身 70歳
住友商事副社長を経て、2011年SCSK社長
企業プロフィール
事業内容:ITシステム開発・販売・運用
従業員数:約1万1000人
売上高:約3200億円
設立:1969年10月

なお、TV東京の番組を見たい場合は、ビジネスオンデマンドへ

http://txbiz.tv-tokyo.co.jp/cambria/vod/post_124165/?trflg=1

 

 

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