「ぐうたら ・フォト日記」

「ぐうたら」を生活信条とする、ぐうたらなフォト日記です。時々『写真の無い・フォト日記』にもなります。

思い出の風景

2005年08月10日 | フォト日記
今年は戦後60年という事で、テレビでは広島・長崎関連ののドキュメンタリーが毎日放送されています。僕も毎日勤めてみるようにしています。戦争体験者が少なくなり、戦争・原爆の記憶が風化して行く現状が嘆かれているようです。
一方でこのような現状は、今だ世界の各地で起こっている事でもあります。世界各地での武力紛争、テロ騒ぎに原子力施設での被爆事故・・・。
僕は戦後5年経って生まれたのでもちろん戦争を知りません。しかし、広島というのは強烈な記憶として残っています。

中学2年生の夏休み、同級生と連れ立って夜行列車をに乗り、家出少年と間違えられながら、広島から山陰に抜ける旅をした時のことです。
ちょうど8月6日の朝に広島に着く列車は、原水爆禁止大会に向かう若者で溢れていました。
広島駅で写真を撮っていると8時15分にサイレンが鳴り、すべての人が立ち止まって黙祷を始めたのです。何がなんだか分からないまま、僕らも黙祷を捧げたのですが、その時(1964年)の事は今でもこの季節になると思い出します。
その後、大学生になって平和記念館にも2・3回行きました。しかしそこでの記憶よりは、後に行った丸木美術館の原爆の絵や、井伏鱒二の「黒い雨」と言う小説での体験が大きく影響しているような気がします。

写真は、黙祷のすぐ後、汽車に乗り中国山地をうねうねと登っていった備後落合という山間の駅です。
こんな夏の暑い日ざしの下、のどかに暮らす人の上で原爆が炸裂したのです。
いつの世にも権力に逆らうことの出来ない弱者が、都合の良い正義を理由に、戦争に駆り出されて行くのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする