十分間俳句

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教育出版の教科書 その2

2011-01-15 | ジュニア俳句

教育出版の教科書を見て、感じたことをいくつか書いておく。

☆三年生-俳句に親しむ-

・最初に子どもの句 せみの声遊べ遊べと聞こえる日  を揚げている。
俳句を作ってみましょうのあとに 例として 夏休みなど子どもに親しみ易い例が挙げられている。これは、工夫と言ってよい。昔の名句だけを揚げて、「俳句を作れ」というのは、いかにも無理がある。せめてもの出版社の工夫と考えてよい。
しかし、実際には六年生には、あれだけ丁寧に作り方を示したものを、初めて取り組む三年生に何も作れと言うのは、いかにも乱暴だ。
これは、指導要領そのものの問題と言えよう。
つまり、鑑賞が先にあって、創作がその後にあるからだ。
むしろ、先に子どもの句の例があって創作し、その後に名句を鑑賞する方が句も良く分かるのではないかという気がする。

☆例句の揚げ方と表記

・教育出版の教科書で揚げられた句の総数は三十余句である。余句というのは、川柳も例示されていて、それを数えるか否かという点もある。
一番の検討課題は、旧かなか否か、原句に忠実か否かという点がある。
光村では、原句に忠実にという方針だが、教育出版は、三年生は、新かなで、六年生は原句に忠実にという方針である。
そこで、古池の句も
三年生では、

古池やかわずとびこむ水の音

と表記され、六年生では、

古池や蛙(かはづ)飛こむ水のおと

とある。
これでいいかどうか。は検討の余地があるように思える。出典をどこにとるかということもあるとは思う。

☆句会

・句会を俳句の創作とセットで考えていない。この点は、教科書に依って別れる点であり、私は、俳句づくりと句会をセットにして、場の文学としての性格を捉えることができるのではないかと考えている。


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