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波俳句会は、倉崎羊村氏を主宰とする全国的な結社である。
五年ほど前、学校で俳句を始めるには自分もしないといけないと考え、芭蕉記念館の下山さんに相談したところ、波の傘下にあった「蔵の会」を紹介して頂いた。
その縁で、波に入会し現在に至っている。
作風は、必ずしも自分のと同じではないが、基本に忠実に言葉を大切にする結社であり、レベルが高いと感じている。
「波」五月号に新人賞の発表があった。
田邉幸子さんと長野保代さんが受賞されている。
何回か波の句会に出たことがあるので、あるいはお会いしているかもしれない。
田邉さんの句にびっくりする。
作品の中から気に入った句を挙げる。
「その人は優しいかェ」と祖母小春
冬うらら縁側の猫ストレッチ
かろき嘘ふくらみてゆく日向ぼこ
「誰でもよかった」この世の闇や鎌鼬
蛇穴を出づれば不況最中なり
波の中核に居る本郷秀子さんの作品に目が止まった。
極寒の死者の眦(まなじり)より涙
春立つや身の裡の何を捨てやうか
裏ばかり見せて流れて春の句も
春炬燵猫の定位置横取りす
不等辺三角形や春愁ひ