この写真、ちょっと曲がっているし、ライティングがうまくいかなくて、画面ではこんな色だが、本物は、金子崇さんのように真っ直ぐで、上品な句集である。
12月1日の学校交流会の毎月定例の勉強句会の折に、金子さんから直接頂いた。
金子嵩さんは、現在現代俳句協会ジュニア研修部の副部長をされている。横浜の小学校を中心に出張俳句教室を行っている。以前は、地域の野球部の監督をしたり、現在でも、小学校の子ども達のお世話をなさっている。
光村図書の四年生の教科書に載っている
ぼくだけがはみだしている盆踊り
は、金子さんの句である。
表紙、また各章の扉には素敵な絵が添えてある。奥様の手によるものだという。
前田弘さんが序文を書いている。
いくつか句を紹介する。
卓上に四十五度の冬の冨士
一枝の内緒話や沈丁花
六月の古代がきしむ砂時計
電子レンジを抜け出してゆく鰯雲
涅槃西風ジグソーパズル解けた日の
ほどほどに起きていなさいひつじぐさ
年齢を四捨五入して秋彼岸
病歴は無しとうそぶく玉子酒
ローマ字の順番通りに鳥帰る
発想がじつにおもしろい。謹厳実直そうな風貌の金子さんがこういう愉快な句をつくる、それがまた「俳句」になっているように思えて、思わず笑いがこみ出してくる。