医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

乳がん対策とショウガの効果について 栄養医学ブログ  日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-04-12 21:28:38 | 健康・病気

自然界の中には、必ずガンに有効な物質が存在すると言われています。意外と身近な物質にその効果が存在し、ビタミンCはその代表です。ショウガもいろんな研究から、ガンに対する効果の有望性が明らかになりつつあります。

"the Journal of Biomedicine and Biotechnology"誌によると、ショウガは、乳がんの治療に於いて、ビタミンCと同様、有望な食品である可能性があります。また、他の研究では、卵巣ガン、前立腺ガンなどへの効果が報告されています。

サウジアラビアのAbdulaziz大学の研究によると、ショウガからの抽出物は、乳がん細胞の増殖を阻害し、正常細胞の生存能力には影響を及ぼしませんでした。そして、ショウガには、抗ガン剤では見られない、選択的な細胞毒性の性質を有しています。

ショウガには、次に示す抗ガン活性があり、その生理・生化学的作用は次のようです。アポトーシスの誘導、Baxの調整亢進、BcI-2蛋白質の調節低下、向生存遺伝子のNF-kB,BcI-x,MoI-1, suruivinの調整低下、すべてのサイクルー調整蛋白質(サイクリン調整DIとサイクリン依存kinase-4)の調整低下、CKD阻害素P21の発現増強、c-Myc, bTERTの阻害などです。

これらの研究は、最初の研究ではありませんが、実際、ショウガに含まれる[6]-ジンゲロールとして知られている化合物は、乳がんに対し抗転移性を有することが知られています。ショウガの抗ガン活性は、乳がんだけでなく、結腸ガン、直腸がん、肝臓がん、肺がん、黒色腫、膵臓がん、前立腺ガン、皮膚ガンなどを阻害することが研究され、ビタミンC点滴療法と併用すれば、より強い抗ガン活性を示すものと期待されています。更なる研究が待たれます。

References

Ginger selectively kills breast cancer cells: GreenMedInfo

Sarah Siddons:How does ginger fight cancer? HowStuffWorks

藤井毅彦:ガンの予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1982年


肝臓病に及ぼすビタミンCの効果について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-04-11 22:03:00 | 健康・病気

ビタミンCのガンに対する予防・寛解作用は、数多くの疫学・臨床研究で証明され、既知の事実ですが、今回は、肝硬変を始め、肝炎に対するビタミンCの効果が報告されているので、それについて考えていきたい、と思います。

肝臓に及ぼすビタミンCの効果は、その抗酸化作用によります。ビタミンCは、肝臓や他の臓器から毒素や脂肪を排出し、肝硬変を予防します。そのためのビタミンCの有益な投与量は、500~5,000mg/日の間です。

肝臓は、体内で多くの機能を有し、ある種の脂肪やビタミンの吸収において、重要である胆汁を分泌します。また、薬剤やアルコール飲料など環境的因子、あるいは飲み物など毒性物質に対し、体を保護します。肝臓は、脂肪、炭水化物、それにいくつかの蛋白質を合成したり、貯えたりします。生命を保つための肝臓の重要性は、肝臓を健康に保つことです。肝臓の健康を促進する一つの方法は、ビタミンCを毎日、適正量摂取することです。

ビタミンCは、抗酸化栄養素(抗酸化物質)として作用し、肝臓細胞に対し、毒物に起因するダメージを防いだり、緩和したりします。ビタミンCの大量投与は、肝臓をきれいに掃除し、脂肪を洗い流し、脂肪の合成をブロックします。そして、肝硬変や黄疸から肝臓を守ります。いくつかの研究では、肝臓に及ぼすビタミンCの大量投与の効果が、黄疸や肝硬変などの肝臓疾患を好転させたり、減らしたりすることができることを、示しています。肝臓に対するビタミンCの効果を観察するためには、ビタミンCを効果が出るまで増やさなければいけません。少量では効果が出ない場合が、ガンの予防・治療と同様、認められます。ビタミンCの大量投与から効果を得ることができる、と多くの栄養医学者は主張しています。また、500mg/日の投与量では、肝硬変を発症さす脂肪の合成を阻害しますが、5,000mg/日では、肝臓の脂肪を有効に洗い流し、脂肪肝を防ぎます。

ビタミンCは大変安全ですが、ある種の酵素欠損や抗糖尿病薬、それにアスピリンとの併用で、相互作用を示す場合がありますので、これらに詳しい専門医に相談下さい。また、肝臓病に対し、適切な効果を得るには、大量投与が必要です。Klenner博士によると、肝炎に対しては、少なくとも2日から4日間、500~900mg/体重Kgの投与が必要、と主張していますが、胃腸に負担をかけないためにも食後の摂取が望まれます。また、マルチビタミンとの併用が、代謝をスムーズにするためにも、副作用を起こさないためにも必要です。

References

Andrew Saul:There must be fifteen ways to love your liver.Doctor Yourself. com

What are the effects of vitaminC on the liver?: wiseGEEK

当方のブログアドレスはblog.goo.ne.jp/h35p39です。

 

 


LDL-コレステロール対策と豆、およびその他の食品の効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-04-10 19:01:54 | 健康・病気

日本人は、急速な食生活の変化で、LDL-コレステロール値が高い人が急増しています。今一度、食生活を見直し、昔の豆食を取り入れることも、生活習慣病対策に必要、と考えます。今回は、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)対策として、豆類が注目されているので、この豆類について考えていきたい、と思います。

カナダのトロントのST.Michael病院の研究によると、一日一回、豆類(大豆など)、エンドウ、ヒヨコ豆、それにレンズ豆など豆を含む食品を摂取すると、著しく悪玉コレステロール値を低下させます。しかし、北米人は、これらの摂取量が著しく少なく、二倍以上の摂取量が望まれています。同様な傾向が日本人にも見られ、改めて、その摂取の重要性が、研究者の間でささやかれています。

この病院のSievenpipert博士によると、毎日、豆類を食べることによって、5%ほどLDL-コレステロール値を下げることができました。そのことは、心臓血管病のリスクの5~6%ほどの減少をもたらします。推奨摂取量は、一日あたり130g、もしくは3/4カップです。北米では、その摂取量の半分以下です。豆類は、低グリセミック指数(緩やかに分解する食品の事)を有し、食物のトランス脂肪酸(加工油脂に含まれる)のような悪玉脂肪酸だけでなく、獣肉など動物性蛋白質を減らしたり、それらに置き変われる食物です。

心臓血管への利点を引き出すべく、豆類の摂取を増やすための食事レシピがあります。また、豆類は安価で、その気になればたやすく摂取できます。またその他に、LdL-コレステロール対策として、Q10,ビタミンC、クルクミン、全粒雑穀、野菜、リンゴ、ヨーグルト、食物繊維、プロバイオテイクス、クロニウム、mg,Ca、グルコマンナン、レシチン、D-リボース、トコトリエノ―ル、パンテ―ン、ターメリック、ニンニク、玉ねぎ、カボチャ、人参、ナッツ類、シナモン、グレープフルーツなどの効果が研究され、報告されています。

Sievenpiper博士によると、1,0374名での26件の無作為対照試験の再調査をメタ分析を用いて、実施されました。その結果、男性は、女性に比べてLDL-コレステロール値のより低い減少が見られました。男性の食事は栄養のバランスが悪く、コレステロール値が高いが、豆類を多く含む健康的な食事から、上記、利点が得られました。なお、試験前には腹部膨満感、ガス、下痢、それに便秘などが見られましたが、豆類を多く含む健康的な食事の摂取で、それらの症状が見られなくなりました。これらの結果は、正しいと考えますが、更なる研究の積み重ねを期待しています。

References

Daily serving of beans, peas, chickpeas or lentiles can significantly reduce bad cholesterol: ScienceDaily. April 7,2014

Vanessa Ha,John L. Sievenpiper et al. Effect of diatary pulse intake on established therapeutic lipid targets for cardiovascular risk reduction; CMAJ,2014 DOI

Lowering Cholesterol Naturally: Aviva. ca

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糖尿病対策に有益な食品・食事について(外国の研究) 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-04-08 18:46:15 | 健康・病気

糖尿病は、摂取カロリーや食事のバランスだけでなく、適切な食品を選ぶことも必要です。今回は、それらの食品について考えていきたい、と思います。

糖尿病に適切な食品は、血糖値を安定化し、心臓を保護し、眼のダメージから視力を守る栄養素が詰まっています。

フィンランドでの研究では、もっと多くのリンゴとケルセチン(抗酸化栄養素)を多く含む食品を摂取した男性は、糖尿病と心臓病死が20%ほど低いようでした。ちなみに、ケルセチンを多く含む食物は、玉ねぎ、トマト、緑色野菜、それにベリー類などです。Beltsvilleの人間栄養研究センターでの研究では、毎日、シナモンを小さじ一杯摂取すると、インスリンに対し、細胞の感受性が高まることが判明し、それ故、細胞は血中の糖をエネルギーに転換します。糖尿病患者がシナモン抽出物をいろんな量、摂取して40日後、血糖値のスパイクが低下するだけでなく、心臓病の兆候の改善がもたらされました。ちなみに、シナモンの大量摂取は、副作用がでますので、禁忌です。

米国の研究によると、糖尿病患者は、組織のビタミンC値がより低い傾向にあるので、抗酸化栄養素が詰まった柑橘類はスナックとして適切ですが、ジュースの形では、逆に血糖値を高める、という研究も有ります。また、柑橘類は脂質含量が低く、食物繊維が多く、かつ、その他の栄養成分を摂取できます。

糖尿病でない人に比べて、糖尿病患者の心臓病の頻度は二倍です。鮭、イワシ、サバなどは、オメガ―3不飽和脂肪酸(EPA,DHAなど)を多く含み、動脈にこびりつくLDL-コレステロール、中性脂肪を減らし、HDL-コレステロール値を高めます。テキサス大学の研究によると、24~50g/日の食物繊維を摂取した人は、血糖値が劇的に改善し、事実、高繊維食は、糖尿病薬と同じぐらい効果的で、しかも副作用は観察されませんでした。それに比べて、ある種の抗糖尿病薬は、膀胱がんの発症など副作用が米国で報告されています。また、厳密に食物繊維量を計算しなくても、果物、野菜、豆、玄米、全粒穀物、シリアルなどを併用摂取することが賢明です。豆類は、低脂肪、低カロリー、高食物繊維、高蛋白質を含み、糖尿病と心臓病にリスクを減らすのに有益です。なお、食物繊維は、グルコースの血中への吸収を遅らせます。そのことは、糖尿病での血糖コントロールを悪化させ、空腹感をもたらす血糖スパイクを防ぎます。

米国での研究によると、慢性の炎症は、高脂肪食、運動不足、それに果物、野菜、EPAやDHAなど良質の脂質の摂取不足から生じ、心臓発作のリスクを高め、血糖の吸収能を妨げます。炎症を防ぐ、手っ取り早い解決法は、緑茶を飲むことです。米国では緑茶ブームです。緑茶には、抗酸化栄養素のフラボノイドが含まれ、頑固な炎症に対し、抗炎症作用をもたらします。したがって、緑茶を飲む習慣は、糖尿病対策に有益です。

米国の研究によると、ナッツ類を規則的に摂取する人は、そうでない人に比べて、心臓病に罹る割合が低いようです。その理由の一つは、ビタミンEの一種のトコトリエノ―ルの作用でないかと考えられます。すべての緑色野菜は、眼に良いルテイン(栄養素),カロチノイドなどの供給源です。糖尿病性網膜症の予防にも有益と考えられます。また、緑色野菜は、食物繊維、ビタミン群、鉄、カルシウム、それにビタミンCなどを多く含みます。

Tufts大学の研究によると、カカオ豆(ココアやビターチョコの原料)は、インスリン感受性を改善し、ニ型糖尿病の予防や治療において、著しい改善をもたらします。また、血圧の著しい低下をもたらし、LDL-コレステロール値の減少をもたらし、血管機能を改善する、と報告されています。しかし、ホワイトチョコはそれらの効果はなかったそうです。カカオ豆の含有量が少ないのが原因です。更なる研究を期待しています。

毎日、天然酢を小さじ一杯摂取することは、血糖値を下げることが、昔からわかっています。アリゾナ州立大学の研究によると、天然酢を摂取したグループは、そうでないグループに比べ、摂取後2時間で25%程、血糖値が低い結果でした。境界型糖尿病患者でも、より良い結果で、血糖値が約50%程、低下しました。これらの結果から、上記、食品を日常の食事に用いることが、糖尿病の改善につながる、と考えられます。更なる研究の積み重ねが待たれます。

References

12 powerfoods to beat diabetes: Men's Health. com

Best and worst foods for diabetes: WebMD

 

 

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LDL-コレステロール対策とビタミンC,E,D3の効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-04-07 17:16:43 | 健康・病気

高脂血症対策に於いて、LDL-コレステロール値を下げることは、糖尿病患者では、特に、難しいようです。糖尿病対策と高脂血症対策の食事療法を同時にせねばならないので、管理栄養士泣かせとなっています。しかし、栄養サプリメントを食事療法に併用することにより、効果が発揮される、と考えています。今回は、栄養ビタミンサプリメント療法の米国での研究を紹介いたします。

研究によると、LDL-コレステロール値とHDL-コレステロール値の比、総コレステロール値とHDL-コレステロ―ル値の比だけでなく、LDL-コレステロール値と総コレステロール値は、ビタミンC療法後、低下しました。中性脂肪値、中性脂肪値とHDL-コレステロールの比は、ビタミンD3療法に続いて、著しく低下しました。また、ビタミンE療法後、HDL-コレステロール値は増加し、LDL-コレステロール値とHDL-コレステロール値の比は著しく低下しました。副作用は見られませんでした。従って、これらのビタミン療法を併用することにより、効果は安定的になる、と考えられます。なお、詳細は、referencesの文献にアクセスして下さい。

複合マルチビタミンの追加は、ホモシステイン値とLDL-コレステロール値の酸化に対する抵抗性を改善します。追試を期待しています。

健康な人々のグループでの再調査での結果から、ビタミンCは、2g/日投与の男女において、ApoB(LDL-コレステロールやカイロミクロンの運搬蛋白質)の減少をもたらします。リスク因子が相関関係にある時、その結果は実際、変化し、特に性別に関係して変化します。すなわち、女性は男性より、もっとビタミンC療法が有効のようです。特に、運動、体重と血圧が考慮される時、そのような結果になります。

また、非喫煙者と比べると、男性喫煙者は、HDL-コレステロール値の減少を示し、リポ蛋白質aの著しい増加は見られなくなります。透析患者での酸化ストレスと脂質像に対し、ビタミンCの追加の効果が認められます。

米国の研究では、ビタミンEが動物とin vitroでの研究において、総コレステロール値を下げることを示していますが、ヒトでの研究では、いろんな結果が出ています。その要因として、研究デザインの違い、いろいろあるビタミンE同族体のどのビタミンEをもちいたか、それに試験期間など、いろんな要因が考えられます。ここに、生体での研究の難しさがあります。

References

VitaminC and LDL-C-Verifiable studies: TRACK YOUR PLAQUE

Brad Chase: Can vitamin E really help cholesterol?

http://www.ncbi.nim.nih. gov/pubmed/10757273

http://www.ncbi.nim.nih.gov/pubmed/14559932

http:/www.ncbi.nim.nih.gov/pubmed/8192275