医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

LDL-コレステロール対策と豆、およびその他の食品の効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-04-10 19:01:54 | 健康・病気

日本人は、急速な食生活の変化で、LDL-コレステロール値が高い人が急増しています。今一度、食生活を見直し、昔の豆食を取り入れることも、生活習慣病対策に必要、と考えます。今回は、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)対策として、豆類が注目されているので、この豆類について考えていきたい、と思います。

カナダのトロントのST.Michael病院の研究によると、一日一回、豆類(大豆など)、エンドウ、ヒヨコ豆、それにレンズ豆など豆を含む食品を摂取すると、著しく悪玉コレステロール値を低下させます。しかし、北米人は、これらの摂取量が著しく少なく、二倍以上の摂取量が望まれています。同様な傾向が日本人にも見られ、改めて、その摂取の重要性が、研究者の間でささやかれています。

この病院のSievenpipert博士によると、毎日、豆類を食べることによって、5%ほどLDL-コレステロール値を下げることができました。そのことは、心臓血管病のリスクの5~6%ほどの減少をもたらします。推奨摂取量は、一日あたり130g、もしくは3/4カップです。北米では、その摂取量の半分以下です。豆類は、低グリセミック指数(緩やかに分解する食品の事)を有し、食物のトランス脂肪酸(加工油脂に含まれる)のような悪玉脂肪酸だけでなく、獣肉など動物性蛋白質を減らしたり、それらに置き変われる食物です。

心臓血管への利点を引き出すべく、豆類の摂取を増やすための食事レシピがあります。また、豆類は安価で、その気になればたやすく摂取できます。またその他に、LdL-コレステロール対策として、Q10,ビタミンC、クルクミン、全粒雑穀、野菜、リンゴ、ヨーグルト、食物繊維、プロバイオテイクス、クロニウム、mg,Ca、グルコマンナン、レシチン、D-リボース、トコトリエノ―ル、パンテ―ン、ターメリック、ニンニク、玉ねぎ、カボチャ、人参、ナッツ類、シナモン、グレープフルーツなどの効果が研究され、報告されています。

Sievenpiper博士によると、1,0374名での26件の無作為対照試験の再調査をメタ分析を用いて、実施されました。その結果、男性は、女性に比べてLDL-コレステロール値のより低い減少が見られました。男性の食事は栄養のバランスが悪く、コレステロール値が高いが、豆類を多く含む健康的な食事から、上記、利点が得られました。なお、試験前には腹部膨満感、ガス、下痢、それに便秘などが見られましたが、豆類を多く含む健康的な食事の摂取で、それらの症状が見られなくなりました。これらの結果は、正しいと考えますが、更なる研究の積み重ねを期待しています。

References

Daily serving of beans, peas, chickpeas or lentiles can significantly reduce bad cholesterol: ScienceDaily. April 7,2014

Vanessa Ha,John L. Sievenpiper et al. Effect of diatary pulse intake on established therapeutic lipid targets for cardiovascular risk reduction; CMAJ,2014 DOI

Lowering Cholesterol Naturally: Aviva. ca

筆者の栄養医学ブログは、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39で発信しています。