医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

LDL-コレステロール対策とビタミンC,E,D3の効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-04-07 17:16:43 | 健康・病気

高脂血症対策に於いて、LDL-コレステロール値を下げることは、糖尿病患者では、特に、難しいようです。糖尿病対策と高脂血症対策の食事療法を同時にせねばならないので、管理栄養士泣かせとなっています。しかし、栄養サプリメントを食事療法に併用することにより、効果が発揮される、と考えています。今回は、栄養ビタミンサプリメント療法の米国での研究を紹介いたします。

研究によると、LDL-コレステロール値とHDL-コレステロール値の比、総コレステロール値とHDL-コレステロ―ル値の比だけでなく、LDL-コレステロール値と総コレステロール値は、ビタミンC療法後、低下しました。中性脂肪値、中性脂肪値とHDL-コレステロールの比は、ビタミンD3療法に続いて、著しく低下しました。また、ビタミンE療法後、HDL-コレステロール値は増加し、LDL-コレステロール値とHDL-コレステロール値の比は著しく低下しました。副作用は見られませんでした。従って、これらのビタミン療法を併用することにより、効果は安定的になる、と考えられます。なお、詳細は、referencesの文献にアクセスして下さい。

複合マルチビタミンの追加は、ホモシステイン値とLDL-コレステロール値の酸化に対する抵抗性を改善します。追試を期待しています。

健康な人々のグループでの再調査での結果から、ビタミンCは、2g/日投与の男女において、ApoB(LDL-コレステロールやカイロミクロンの運搬蛋白質)の減少をもたらします。リスク因子が相関関係にある時、その結果は実際、変化し、特に性別に関係して変化します。すなわち、女性は男性より、もっとビタミンC療法が有効のようです。特に、運動、体重と血圧が考慮される時、そのような結果になります。

また、非喫煙者と比べると、男性喫煙者は、HDL-コレステロール値の減少を示し、リポ蛋白質aの著しい増加は見られなくなります。透析患者での酸化ストレスと脂質像に対し、ビタミンCの追加の効果が認められます。

米国の研究では、ビタミンEが動物とin vitroでの研究において、総コレステロール値を下げることを示していますが、ヒトでの研究では、いろんな結果が出ています。その要因として、研究デザインの違い、いろいろあるビタミンE同族体のどのビタミンEをもちいたか、それに試験期間など、いろんな要因が考えられます。ここに、生体での研究の難しさがあります。

References

VitaminC and LDL-C-Verifiable studies: TRACK YOUR PLAQUE

Brad Chase: Can vitamin E really help cholesterol?

http://www.ncbi.nim.nih. gov/pubmed/10757273

http://www.ncbi.nim.nih.gov/pubmed/14559932

http:/www.ncbi.nim.nih.gov/pubmed/8192275