医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

乳がんのビタミンC点滴療法の症例について その三 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-12-18 17:56:48 | 健康・病気

Bernhard G. Welker医師の報告では、この乳がん患者の8ケ月に及ぶビタミンC点滴療法(15g/回)は、リンパ節転移の消散と初期の乳がんの退縮を示唆しています。他の特定の治療法、あるいは食事性介入は、このビタミンC点滴療法の間、行われていませんでした。ビタミンC点滴療法は、phenprocoumoneの日々の投与量を著しく変えないで、両方を同時に用いることは、安全な事を示唆しています。

次に、腎不全、全身での鉄の過剰負荷、グルコースー6-リン酸ヂハイドロゲナーゼ欠乏、あるいは積極的に透析をしているガン患者は、ビタミンC点滴療法を受けられません。ビタミンC点滴療法のメリットを否定する人は、自然の退縮は、ビタミンC点滴によるものでないと、主張します。しかし、ビタミンC点滴で自然にガンが退縮する場合、なにもしない場合の退縮とは違います。過去10年以上のガン治療に於いて、ビタミンC点滴で得られた結果は、
化学療法が以前に実施されたか、あるいはビタミンC点滴と並行して行われたかによって、このプロトコール(Hoffer's プロトコ―ル)が効果に影響を与えるかどうか、確証されない時でさえ、再現できることは明らかです。なお、ビタミンC療法におけるホッファ―のプロトコ―ルとリオルダンのプロトコールは、少し違いますが、どちらもガンに対する有効性はあります。

化学療法が特殊のガンに有効でないか、また、患者がそのような治療法を拒否する時、ビタミンC点滴療法は有意義と考えます。結論として、乳がんにおけるビタミンC点滴療法は、第一歩の有効な治療法ですが、更なる研究と症例の積み重ねが必要と、Welker医師は考えているようです。そして、ガンの転移と再発の予防戦略として、ビタミンC療法を予防的に実施することは、意義が有ると考えます。

なお、食生活では、禁煙、アルコール摂取の節制、野菜・果物・豆・加工度の低い穀物の頻回の摂取と獣肉・動物性脂肪の摂取をできるだけ少なくすること、良質の飲料水の摂取、良い空気を吸うこと、などがガン予防に求められています。

Reference

Bernhard G. Welker, MD:Intravenous ascorbate treatment  of breast cancer: Acase report. Journal of Orthomolecular Medicine .Vol 26, No4,2011