医科栄養学・栄養医学ブログ

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ハマチワ豆(ルピナス)蛋白質のLDLコレステロール値、HDL値の改善効果について 日本ビタミンC研究会 栄養医学ブログ

2013-12-09 00:07:15 | 健康・病気

一般に豆類の摂取は、LDLコレステロール値対HDLコレステロール値比の改善に有益であると、言われています。今回は、ハマチワ豆(ルピナス、ルピン)の蛋白質を、成人高コレステロ―ル症患者に摂取してもらい、それが、血漿LDLコレステロ-ル値対HDLコレステロール値比に影響するというMelanie Bahr博士らの研究のポイントを紹介します(無作為、交差対照試験)。

Melanie Bahr博士らの研究によると、ヒトの心臓血管のリスク因子に及ぼすハマチワ豆の蛋白質の有益な作用が、指摘されています。しかしながら、これらの研究では、相対的に高投与量(33g/日より多い)用いられ、生理学的には、ほとんど食べれません。それゆえ、選ばれた心臓血管マーカーと血清アミノ酸に及ぼす、25g/日投与量の、単離したハマチワ豆の蛋白質(LPI)の作用を研究しました。

総計33名の高コレステロール血症被験者が、無作為対照ニ重盲検交差試験に参加し、LPIとの比較として単離した活性ミルク蛋白質(MPI)が蛋白質飲料に入れられ、4週間の洗い出し期間まで分離し、8週間以上飲用しました。人体計測データ、血圧、それに栄養素摂取が基準値において、両方の蛋白質の介在後、8週して再検討されました。血圧は、4週と8週目に基準値(base line)においてサンプリングされました。33名の全被験者は、一次元モデルのANOVA頻回計測と一次元モデルの最終的統計分析が実施されました。

ハマチワ豆の蛋白質(LPI)摂取の4週目では(P≦0.036)、より高いHDLコレステロール値を除いて、人体計測パラメータ、血圧、それに血漿脂質は、LPIとMPIの介在では、相違は認められませんでした。基準線(base line)と比較して、最初のLDLコレステロール値の結果は、両方の蛋白質の介在の4週後(P≦0.008)、著しく低下しました。しかし、LDL対HDLコレステロール値の比は、LPIによりのみ低下しました(P=0.003)。これらの時間的作用は、より高い高コレステロール血症の被験者では制限され、8週後、見られなくなりました。血圧は、LPI摂取8週後低下しました(P≦0.044)。ほとんどすべての血清アミノ酸値は、4週ではより高かったが、MPI摂取後8週では、LPI摂取に比べて、もっと高かった。続く4週と8週でのLPI摂取による介在では、ほとんどすべてのアミノ酸は変化しないままでした。両方の蛋白質の介在では、8週後、体重の著しい増加と体脂肪のの上昇がもたらされました(P≦0.045)。

25gのLPIの摂取は、少なくとも短期間より長い場合、血漿LDLコレステロール値を有効にコントロールできます。体の組成、ハマチワ豆の蛋白質だけでなく、エネルギー摂取の過剰を避け、食事組成を改善することも大切で、その他の豆類も摂取することが、コレステロール値や心臓血管系のリスクの改善に重要と、考えられます。更なる研究の積み重ねを期待します。

Reference

Melanie Bahr, et al:Lupin protein positively affects plasma LDL cholesterol and LDl: cholesterol ratio in hypercholesterolemic adults after four weeks of supplementation: a randomized , controlled crossover study.Nutrition Journal. 2013,12:10

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