goo blog サービス終了のお知らせ 

グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

山頂口でヘルメットの貸し出しが始まりました。

2014年10月12日 | 火山・ジオパーク
また大型台風が、日本を縦断しはじめました。各地でケガ人も出ているようです。
これ以上、被害がでないことを祈るのみです。

ところで台風の狭間の昨日、伊豆大島では御岳山の噴火を受けて、山頂口でのヘルメット配備とポスター掲示が始まったそうです。

「三原山登山の観光客に対する火山防災対策の緊急安全点検を行って、実施可能なものから直ちに行うことにした。」とのことです。

ポスターの内容を、部分ごとに紹介します。
まず、現在の伊豆大島火山の状況。



続いてQRコードつきの「火山情報の入手先」の案内と、ヘルメット無料貸し出しの案内。



「噴石」「火山灰」「火山ガス」それぞれから身を守る方法



ヘルメットの貸し出し場所と…



避難経路などの案内。

ポスター内容は以上です。

実は、御岳山の噴火以降、本気で「ツアー用に、ヘルメットを20個ぐらい買おうか?」と考えていました。

「御岳山と同じような水蒸気噴火は、どの活火山でも起こる可能性がある→将来避難壕が増える可能性があるとしても、予算も時間もかかるものだから急には無理→では、せめてヘルメット持参でツアーに行こうか?」と、このような思考回路でした。

それがヘルメットの無料貸し出し開始!…大島町の素早い対応が、とても嬉しかったです。(ヘルメットは山頂口駐車場以外の2か所合計で50個配備してくれたそうです。)

この情報をくれた気象庁伊豆大島火山防災連絡事務所の加治屋氏は「噴火予知連絡会藤井会長の噴火予知の技術レベルに関する発言の主旨が一部で誤解されている。」と感じているようです。

加冶屋氏は「本当は 『火山は噴火すれば甚大な被害になることがあるが、噴火の仕組みなどは分かっていないことが多いので予知は確立されていない。 だから、火山観測体制を強化し専門家を育成することが必要である。そして、予知できない突発的な現象が起こりうることを理解し、 行政機関と防災機関と専門家による火山防災協議会で火山防災計画を策定することが必要である。 登山観光客の方は、その山の火山活動の状態や噴火リスクと、それに備える方法などを知っておくことが重要。』という主旨だと思います。」 と語っていました。

確かに、国内の火山研究者は40人ほどしかいないと様々なメディアで報道されていますよね。
これってかなり、深刻な問題なのですね…。

ところで私は今までジオパークを通して火山を学び「大島でも過去に“溶岩を流さない火山灰だけの噴火”は起こっていて、それは予測がしにくい。」と理解していたはずでした。

でも今回の御岳山の噴火を見て「理論でわかる」のと「事実を見てわかる」のとでは、全然違うということを実感しています。この感覚は、1年前の土砂災害の時と全く同じです。

ヘルメットをかぶっても100%の安全は確保できません。
でも…では火口だけが危険なのかというと「そうではない」ということだけは、わかります。

知らないこと、わからないことがいっぱいある…それが事実。
私たちは過去に起きたことに学びながら、できる限りリスクを減らして暮らすしかないのだと思います。

だから…台風が過ぎ去ったらヘルメットを持って山を歩いて、自分なりの「火山とのつき合い方」を探したいと思います。

(カナ)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする