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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

台風の後の生き物達。

2014年10月07日 | 今日の大島
台風18号は、各地に被害をもたらしながら過ぎ去っていきました。
大島でも土砂災害が心配されましたが、大きな人的被害の報告はありませんでした。

台風通過後の6日午後、万立浜で撮ったのですが、晴れ上がっているのに,波は普段人が歩いているところまで激しく打ち寄せていました。

激しい風雨で、トタン屋根が飛ぶぐらいの被害は何件があったようです。

うちの店でもシャワー室の屋根が壊れたり器材干しの台がたおれたり、屋根材がはがれたりしました。

そして台風は今回に限らず、身を寄せる建物のない生き物達にとってキビシイ試練になります。
樹齢300年と言われる、ヤブツバキの大木もボロボロになってしまいました。


海岸には20mはあろうかと思われる大木(杉?)が転がり…

普段は海底に生活している魚達が、何匹も打ち上げられていました。

これはたぶん、イタチウオ。

イタチのような顔(私は似ていると思います)をした、岩陰にいる魚です。

カサゴの仲間は大小様々、何匹も見つかりました。


砂浜には、台風の風の強さを物語るような模様が刻まれていました。


1年前の台風で流れ込んだ目の細かい泥状のものが団子になり、その上の砂の部分が風に飛ばされたようです。


自然は、不思議な風景を創りだすのですね。


もう1つ、不思議な風景に出会いました。
島在住のTさんから情報をいただき、案内してもらいました。

その風景とは…
コンクリートの壁一面に点在する、緑色の毛虫!

初めて見る光景に、もうビックリです。
台風と、何か関係があるのでしょうか??

調べてみたら毛虫の正体はヒロヘリアオイラガの幼虫でした。

ヒロヘリアオイラガ幼虫は棘に毒があり、少し触れただけでもとても痛いのだそうです。

でも見た目は、お菓子のような色使いで奇麗!

顔がどこにあるのかさっぱりわかりませんが…?

もともとは中国南部、インド、ジャワ島などに住む南方系の蛾だったのが、1960年代以降に日本中に分布を広げるようになったとのこと。大島にはいつごろから住むようになったのでしょう?

ところでヒロヘリアオイラガの幼虫はマユをつくるようです。(マユはさなぎを保護するカバーのようなもの)

毛虫達が集う壁にも、マユを作っている最中のようなものや…


雨の当たらない陰で、丸まって糸を出し始めたもの。


中身は既に蛾となって飛び立った後の抜け殻…という段階のものや…


かなり前に使われていたと追われる殻など、様々な段階のものがありました!
(Tさんが次々に教えてくれました。)


隣の大きなタブノキにも幼虫がいることはいるのですが、圧倒的に民家の壁を這っているものの方が多いです。たぶん100匹近い数が、壁にいたのではないでしょうか?

調べてみたらヒロヘリアオイラガの幼虫は、普通は木にマユを作るようです。
それがなぜ、こんなに目立つ、人工的な壁に移動したのでしょう?

やっぱり台風だから?
大木も折れてしまうような雨と風に身の危険を感じて、丈夫そうな人間の家の軒下を借りようとしているのでしょうか?

もしかしたら人間の方が、台風より怖いかもしれないのに…?

台風は、人間をはじめ、様々な生き物の運命を変えていきます。
さて、ヒロヘリアオイラガたちの運命やいかに?

(カナ)





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