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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

対にあるもの

2013年12月13日 | ツアー
昨日は「大島社協ボランティアセンターで始まった住民交流の場“あいべぇ”に届けたいものがあって来た」というSさんと泉津地区(島の北東部)の森と海岸を歩きました。(“あいべぇ”についてはこちらをご覧ください。http://oshima.vc/resident/aibe

椿の植林地や、かつてのカヤ場と思われる場所を抜け、神社に立ち寄ってから海岸遊歩道を歩く1時間~2時間のコース。「深い森」というよりは、人が生活に利用していた「身近な森」という雰囲気です。

最後に歩いたのは1年ぐらい前でしょうか?もうあまり手入れされていないらしく、ツルが延びて歩きにくくなっている場所もありましたが、それでも安全に歩ける場所でした。

でも…
やはりここも、崩れていました。

行く手を木々に阻まれて、枝の間から山側を見ると…

今まで見たきた崖崩れと同じように、ごく浅い表層だけが崩れています。

「山の斜面が急で積っていた火山灰などの量は多くないはずだから、崩れた量もそれほど多くはないかも…」そう考えて、崩れを越えて先に進む事にしました。

「危なかったら帰ろう」と思いながら進んだら、わりと簡単に道に出ました。
そして再び行く手を阻まれ…

複数箇所が崩れていました。

横になった木の枝の形がトンネルのような形を作っている場所もありました。


コース後半の砂防堰堤。

目一杯、火山灰を受け止めていました。
ここも、この大きさでは足りなかったのではないでしょうか??

砂防堰堤下流の沢幅は広くなり、かなり両脇が削られたようです。
杉の木の根が半分むき出しになり、なんとか体を支えていました。

歩く度にこれだけ崩れている場所を見ると「この先の雨でどうなるんだろう?」と正直気持ちが重くなります。

でも歩く度に必ず、明るい気持ちにさせてくれるものに出会います。
昨日も…

太陽の光で輝いていたみかんの実。

枯葉の絨毯に明るいレモン色が眩しかったです。

森に差し込む光。

噴火や大雨や強風の中で、生き抜いてきたであろう巨木達が輝いていました。

木々の戦い歴史を目の前にしながらも…


その姿になんだかユーモラスなものを感じたり、

(「指みたいだね」と言い合いました。)

虫を呼ぶために咲き誇る黄色い花や、


命を繋ぐために少しでも遠くに広がろうと、空中をフワフワ飛んできたはずのテイカカズラのタネ。


そして岡田八幡神社の裏で、溶岩をしっかり抱え込み巨体を支えるタブの木の根。


“破壊”や“崩壊”と必ず対にある、生命の“強さ”や“しなやかさ”

歩きながら、その両方を感じています。

(カナ)
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