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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

春と風

2013年03月17日 | ツアー
大島は1年のうち最大瞬間風速が10m以上になる日が3分の1ぐらいあるという「風の島」です。
昨日も“ビュ~!”と吹きあれる大島らしい風の中、春を見つけながらツアーを行いました。

例年の春と違い、今年はスミレや桜という春の花と同時に、2ヶ月遅れで咲き始めた椿が華やかに咲いています。樹齢300年と言われる小清水の椿の木…

木の下が、まるで花の絨毯のような状態です!
とってもキレイでしたよ~。

鮮やかな椿の花を堪能してから三原山に登っていくと、足もとのあちらこちらにアシタバの若葉。

枯れ草の隙間から伸びる、爽やかな緑を見つけて歩くのが楽しいです。

パッと見ただけでは、まだまだ冬色の溶岩の上でも…

足もとには点々と赤い色が!

「よっこらしょ!」…という声が聞こえてきそうな光景。

ハチジョウイタドリの新しい葉が、溶岩を持ち上げようとしていました。
(頑張れ~!)

お客様が「あ、かわいいですよ!」と教えてくれたのは、この風景。

細かい溶岩の粒を押しのけて、ここでもイタドリの芽が地上に顔を出していました。

「あ、ここのはまだ砂粒が乗ってますよ、可愛い!」とお客様。

ホントだ、砂粒ついてますね~(笑)

…と、こうして春を見つけて歩いていたら、何やら風の音が強くなってきました。
海にも白波が立っています。


足もとに、ちょっと大きめ(長さ30cmぐらい)の、コッペパンのような形の赤い溶岩があることに気がつきました。

「ちょっと変わった形だな~」と思ってひっくり返したみたら…

なんと裏側もそのままの形で、赤い色をしていました。
全く同じ形ということは…

この石は26年間動く事もなく、ず~っとここにあったという事でしょうか?!
人も歩くし台風だって、何度も来たはずなのに??(ちょっとビックリしました!)

ふだんそれほど風があたらないと思っていた坂道に来ても、まだ風がビュ~ビュ~当たっていました。

きっと、ビミュ~な風向きの違いがあるのでしょう。

途中タワシのような物体が、落ちていました。
「?」と思って拾ってみたら、細かい根が複雑にからんで、細かい溶岩をまとめていました。

きっと強風かなにかで、上から転がって来たのでしょう。
細い根を張り巡らせても、風の力にはかなわなかったのかもしれません。

“タワシ”を、オブジェ風の火山弾の横に置いて記念写真と撮りました。(笑)

やっと風が弱まる場所まで来たので、一休み。

火口から飛んで来た溶岩の一滴に座って「ポカポカ暖かいよ!」とお客様。
そうそう、黒い溶岩は太陽の熱をとりこんで暖かいんですよね。(火山って粋な計らいしますよね)

休憩後、お客様がまた素敵な発見をして教えてくれました。
富士山に積った雪が、舞い上がる様子を!

一瞬「なだれ?」と思うほど、白い雪の稜線が竜巻のように舞い上がって形を変えていました。
もし富士山を登っている人がいたら、300mぐらいの雪の柱に巻かれているのではないでしょうか?
(今は、登山のオフシーズン?)

この日は、火口を一周ちょっと歩いて、道のない斜面をおりました。


面白いオブジェ発見!

イタドリの根ですが、なんとも逞しい!

春になると、フサフサの狸の尻尾のような花を咲かせるシマタヌキランが、少しずつ咲くための準備を始めていました。


ルリタテハの成虫にも出会いました!(ブルーのラインがキレイな蝶です)
冬に成虫で越冬していたはずのルリタテハたち。

飛び去ったかと思うと我々の前にひらりと降り立ち、その姿を見せてくれました。
「ナルシストなんじゃないの?」とお客様。

頭上も春!
オオバヤシャブシも空に向かって元気に伸びています。

これからどんどん、新しい緑の葉を身にまとう事でしょう。
しばらく「春を感じるツアー」が楽しめそうです。

さあ、歩かなくては!(強風でも・笑)

(カナ)


 
コメント
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