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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

第一中学校1年生・ジオパーク校外学習

2013年03月12日 | 火山・ジオパーク
今日、表題の校外学習にガイドとして参加しました。
第一中学校は、島の中でも一番生徒数の多い中学校です。

今日の1年生は27名。
学校周辺のジオサイトを2時間で回るという計画でした。

今回も、先生との検討会&下見を経てクイズを作成。
6グループに分かれて、クイズに挑戦してもらうことにしました。

最初に「赤禿」と呼ばれる赤い丘へ。
問1「大島は黒い溶岩が多いけど、ここはなぜこんなに赤いの?」

みんなの回答
「さめるのが早い」「さめるのがゆっくり」「空気が入ったから」「日焼けした」「外側がゆっくり固まった」

みんな、グループで相談しながら答えてくれます。
それにしても「日焼け」って面白い!

温度の高い溶岩が空気に触れてゆっくり冷えると赤くなるから、この赤い丘は火口のそばだった可能性があること、ふりつもった溶岩は波に削られやすいことなどを伝えました。

ほぼ同じ場所から…
問2「みんなの学校がある元町は、ずいぶん平らだけどなぜ?」
 
みんなの回答
「山の途中から流れてきた」「溶岩がゆるくなった」「溶岩が薄くなった」「巨人が踏みつぶした」
巨人が大島を踏みつけた…これまた面白いです!

「どんな大きさの巨人なんだろ?」と、景色を見て想像してしまいました。(笑)
読者の皆さんは、どれが正解だと思われますか~?

長根岬で
問3「なぜここだけ溶岩が海に突き出てるの?」

みんなの回答
「地面があったが、波に削られた」「割れ目噴火で盛り上がった」にほぼ2分。

割れ目噴火が板状に地下から盛り上がってくることを、子ども達はイメージできているのですね。
正解とされているのは前者だけれど、「割れ目噴火」を答えの候補に挙げられることが素敵です。

ガラガラ溶岩の上で、海風に吹かれながら考える島の子ども達。

伊豆大島らしい、校外学習です。

さて同じ場所での問4は、「目の前の伊豆半島が遥か南の海にできた火山で、それがプレートの動きに乗って来て本州にぶつかった」という説明を「伊豆大島が本島にくっつくのは何年後?」という問いのヒントにするという、やや難しい問題でした。

今日の伊豆半島の眺めはこんな感じでした。

「あの半島が、遠い海のむこうから動いてきたなんてスゴイ~!」と思うような景色でしたが…

でも「時間のスケールが大きすぎて、伊豆半島の移動はイメージしにくいかもなぁ」と考えて、実はレジの紙をスケール代わりにしようと準備していました。

イメージとしては、こんな感じだったのですが…

しか~し!大島は風の島…紙はちぎれてヒラヒラするは、ロールがどんどん伸びてスケールにならなくなるはで大慌て(慌てているのは私だけ?)今度から時間がない時は、野外で大掛かりな仕掛けはしない事にします…(反省)←慌てていたので、当然写真はありません~。

さて、次に元町の海岸へ移動しました。
この海岸には、赤や黒のツブツブ溶岩がはさまった、こんな地層があります。

で、問5です。
「なんで色の違う石が入ってるの?」

子どもたちは「なんでだろう?」とつぶやきながら、細かく地面を観察してくれました。
「これ、すごくもろい!」という声もあがっていました~。

さて、みんなの回答。
「空気の混ざり方が違う」「違う噴火でふりつもった」「海の中に違う噴火のたびに積った」「海の中に積ったものがかき混ぜられて出てきた」

海との関連も考えられているのが、良い感じです。
この問題の正解が知りたい方は、1年前のブログ記事の後半部分をご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/2b30d28aabdcff61df7ed463974788f9
(たぶん「子ども達の方が色々考えられていて偉い!」って、思うはずです・笑)

問6は、「大島で一番古い遺跡(下高洞遺跡)で、イノシシの骨を探そう!」

走っていって、みんなで骨を探しました。

男の子達が「すげえ!」と言っていた、骨っぽい骨。


こちらは骨ではなく、ジオパーク事務局のN氏の作品です。

流木アート!

さて最後の見学場所は、1986年の溶岩流でした。
問7は「この溶岩、どこから流れてきた?」だったので…「割れ目火口!」全員正解!

ここで、大島では割れ目火口がある規則性をもってできる事を、ちょっぴり紹介。

問8 最後の質問は「この溶岩流が学校に迫ったら、みんなならどうする?」

みんなの答え「水をかける」「穴を掘る」「逃げる」「溶岩と仲良くなる」

「仲良くなる」って答え、いいですね。仲良くなって良く知る事が大事ですから。
全員正解!

1986年の溶岩流を、実際に見るとともに、赤ダレの溶岩流の高さも紹介しました。こんな厚みのある溶岩を流す噴火が、たかだか200年ちょっと前に大島で起こっているのです。(阿蘇はもっと大きいけれど)

みんなで火山をよく学んで、この島で生きなきゃね~。

帰りに1人の男の子から質問を受けました。
「マグマって溶岩なんでしょ?(あんなに)いっぱい出てきてなくならないの?」

「次々に作られるからなくならないよ。」プレートの動きがマグマをつくる仕組みを話しながら「地球が生きて動き続けている限り、噴火は起こると思うなぁ。そして高くなった山は崩れて…地球は、すごく長い時間をかけて、変わり続けていくと思うよ。」

「そうかぁ、すごいなぁ火山!」

「スゴイよね!」

「すごいなぁ」

中学校1年生の男の子と、「火山スゴイ!」「地球スゴイ!」という思いを共有できたことが、とても嬉しかったです。

そしてみんなと一緒に、ジオの不思議を考えることができて、とても楽しかったです。
校長先生の噴火後の体験談も、面白かった。

レジのロールには翻弄されたけれど(笑)なんとも素敵な1日でした。

(カナ)

コメント
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