トレードは球団最高機密事項。話が固まらないうちに外部に漏れると纏まる話も壊れてしまうのが通例。しかしこの時期はどこからともなくキナ臭い話が漏れ伝わって来る。
◆ ロッテ:木樽、江藤放出
ロッテでとりわけ気になるのは高給取りでありながら成績を上げられなかった選手や、監督・コーチ陣と衝突して睨まれている選手の動向だ。ロッテのゴッドファーザー・カネやんは好き嫌いがハッキリしているだけに一度睨まれたらチーム内での立場は危うくなる。先ず筆頭はミネソタツインズから6万ドル(1800万円)で入団したブリッグス選手。シーズン終了を待たず既に米国に帰国してしまい、球団からの再三の来日命令を無視している。南海や近鉄からのトレード話もあり6万ドルをドブに捨てるくらいなら放出も有り得る。
年俸1200万円の江藤選手もトレード候補。カネやんは江藤を後期からコーチ補佐の肩書を付けようとしたが江藤は拒否。あくまでもバットマンとして働きたい希望があり他球団移籍は必至だ。他の野手では飯塚選手の成長と芦岡選手の遊撃コンバートで宙に浮いた千田選手とラフィーバー選手。投手では木樽投手と松岡投手もトレード要員である。補強ポイントは大砲の指名打者。狙いは太平洋の土井選手、巨人の柳田・淡口選手、大洋の中塚選手だ。淡口を獲得する為なら成田投手の放出も覚悟しているという。カネやんは昨年張本選手の獲得に動いたが交換要員の差で巨人に奪われて失敗。それを反省してレギュラークラス選手の放出も辞さない覚悟でいる。
◆ 阪急:狙いは巨人の末次
ベテラン勢の衰え対策が急務なのだが波風を立てたくない恩情主義が今まで大型トレードの実現を阻害してきた。トレードで獲得したのは巨人からの島野投手ただ一人。昨季は日本一になった為に余計にその傾向が強かった。新たな血を注入しない限り今季のように後期になるとスタミナ切れを起こすことは目に見えている。そこで交換要員として名前が挙がっているのが森本選手と大熊選手。森本は昨年にもトレード話があったが成立せず残留し、新人の蓑田選手とのポジション争いに勝ち、試合の勝負所で決定打を放つなど健在ぶりを示せた。
だが森本は34歳、大熊も33歳と選手としての峠は過ぎており今季以上の活躍は望めず交換要員としての魅力に欠ける。代打の切り札として活躍した正垣選手も交換要員の一人だが他球団が欲しがるかは未知数だ。交換要員のバランスが取れない場合はプラス金銭で交渉する構えだが、相手球団がその話に乗ってくる可能性は低い。一方で狙っているのは巨人の末次選手、ロッテの江島選手、広島の水沼選手らだが、いずれもレギュラークラスの選手だけに獲得するには阪急も相当の出血をする覚悟が必要だ。
◆ 近鉄:益川、梅田を狙う
昨季は若手選手の成長で後期優勝を果たしたが、相手球団に研究された今季は抑えられ優勝を逃した。したがってかなり陣容の入れ替えが予想される。近鉄が狙うのはヤクルトの益川選手と中日の梅田選手。益川は大阪興国高出身のファイター。梅田は今季太平洋から中日に移籍したばかりだが、実は近鉄も井本投手を交換要員に太平洋と交渉していたが中日に奪われてしまった経緯がある。近鉄にとっては2年越しとなるトレードだ。
他には日ハムの行沢選手を獲得して内野ポジションの総入れ替えを計画している。トレードで獲得するには当然放出する選手がいる。梅田獲得の為に中日の地元中京商出身の加藤投手を用意している。ただ加藤はプロ10年目で新鮮味に欠け、中日が拒否した場合はプロ2年目ドラフト1位指名の福井投手の放出も検討している。野手では昨年の永渕選手(近鉄➡日ハム)に続いてベテラン勢がリストアップされ、小川選手の名前が挙がっている。
◆ 南海:中日・新宅を狙う
再び中日とのトレードを模索している。去年は星野秀・藤沢の両サウスポーを獲得。今年は稲葉投手に目をつけている。稲葉は昭和47年には20勝をあげながらその後は精彩を欠いている。野村監督は稲葉の再生に自信を持っていて山内投手(巨人➡南海)のように過去にも投手を再生した例があり、稲葉自身も野村監督率いる南海入りを望んでいるだけにトレード成立の可能性は高い。使える投手が喉から手が出るくらい欲しい野村監督はヤクルトの上水流投手の潜在能力の高さにも注目している。
監督・捕手・四番を兼務する野村監督の負担を減らすことが最近の南海が抱える課題であり、ドラフトやトレードで補強を試みてはいたが、なかなか四番を打てる選手の獲得は難しい。そこで球団は捕手のトレードに狙いを定めて幾つかの球団と交渉してきた。今年は阪神から和田選手を獲得したが思うような活躍は出来なかった。そこで今度は中日の新宅選手やヤクルトの久代選手を狙っているが捕手はどこの球団も人材不足で獲得は困難だ。
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