【 朝 】:朝の散歩は宿舎の筆山荘の前に午前8時15分に集合だが早起きで有名な上田監督よりも早くやって来るのが大熊野手総合コーチ。何しろ走るのが大好きで一足早く宿舎の周りをジョギングしている。昨年12月にはハワイのホノルルマラソンに挑戦し3時間台の好タイムで完走した程。朝の体操が始まる前にひと汗かいているのだからナインもおちおち遅刻できない。遅刻と言えば昨年のキャンプ初日に僅か1分だけ遅刻し、罰として5時間も走らされた松本投手は今年は " 早起きベスト5 " に常に入る程の気合いの入れよう。実は昨年オフに結婚した朋子夫人から目覚まし時計を渡され、ベルの音を聞くとパッと目が覚めるらしい。 " 愛は強し " だ。
【 昼 】:猛練習でピリピリした雰囲気に包まれる高知球場。そんな中ただ一人、ヒックス選手だけは例外?キャンプ初日からキャロル夫人が付きっきりなのだ。球場に金髪をなびかせながらやって来て練習を見守り、昼食時間にはヒックス選手にぴったり寄り添って甘いムードを漂わせている。あまりの睦まじさにブーマー選手は「俺もワイフを連れて来るんだった」とボヤクことしきり。昼食時間にお忙しなのが福本選手。食事をする選手目当てに多くのファンがサイン帳を片手に食堂付近をウロウロ。福本選手はその一人一人にサインをしていく。それもただサインするだけではない。無言でサイン帳を差し出すファンに「黙って出すやつがあるか!大きな声で『お願いします』と言いなさい」と " しつけ係 " も兼ねている。
【 夜 】:夜遅くまでバットを振り続けているのが山森選手。昨年は夕食も摂らず9時過ぎまでマシン打撃に励んでいた。今年も宿舎で黙々と素振りを続けている。「だって外野戦争なんて言われていますからね。納得するまで振りますよ」とケロリ。とは言っても夜は憩いのひととき。今年の高知は暴力団抗争の余波で街まで繰り出す選手は少なく、宿舎のロビーで暇を持て余した選手達がウロウロ。若手選手は御多分に漏れずテレビゲームに興じている。榎田投手の腕前が群を抜いているが、意外なのがブーマー選手で榎田投手に勝つ事もしばしばとか。新婚組の森投手、山沖投手、南牟礼選手、藤田捕手らは連夜、宿舎の電話の前に長い列を作る。中でも一番の長電話は藤田捕手とか。仲のよろしい事で御馳走様です。
【 推奨株 】:山田の穴(左ヒザの故障)を埋める候補に同じ下手投げの山中投手(鳴門商・3年目)が面白い。実は彼も左膝半月板を痛めて昨シーズンを棒に振ったけど今はほぼ完治した。体が柔らかいからフォームに無理がなく制球も安定している。課題は怪我に強い体を作る事と球威を増す事。それが克服出来れば一軍へ行ける力は持っているよ(足立二軍投手コーチ)。
【 我が家へのラブコール・松永浩美 】
「会いたい。一目でいいから会って抱きしめてチューしたい。離れてみてこんなに会いたくなるとは思わなかったよ」まさに熱烈そのもののラブコールを送るのは松永。毎夜ではないものの3日と空けず電話をしている。ただし電話の相手は幸子夫人ではなく昨年11月に誕生した長男・啓太くんだ。まだ3ヶ月なので喋る事は出来ないのだが「早く電話で話が出来るようにしてくれ」と夫人に無理な注文を繰り返す始末。ヤング勇者の旗手も今やすっかり親バカになってしまったようだ。
【 ウチの秘密兵器…古溝克之 】
聞き手…即戦力の期待が大きいけど自信のほどは?
古 溝…期待されるのは嬉しいですけどプロに入って1ヶ月ちょっと、まだ1球もプロの打者を相手に投げていないし
自分の球が通用するかどうかも分からないので自信のほどを聞かれても答えられません
聞き手…早く実戦で投げてみたいのでは?
古 溝…投げたいのが半分、投げたくないのが半分ですかね
聞き手…どうして?
古 溝…プロの打者は本当によく打つので未調整のまま投げても通用しないのは分かっている。でも投げてみたい・・
聞き手…やはりプロとアマの違いを感じますか?
古 溝…ハイ。ちょうど高校から社会人に入った時に日産自動車の池田さん(現阪神)を見て、「うわっ速い」と感じた時と同じですかね
聞き手…その差を埋めないといけませんね
古 溝…少しずつ慌てずにね。まだ21歳ですから、何が何でも今年から活躍しなくちゃとは思っていません
聞き手…少し消極的すぎない?
古 溝…いえいえ、社会人出身とはいえ僕がいた専売東北はノンビリしたチームでしたから先ずは身体作りです
聞き手…一軍入りの課題は?
古 溝…持ち球が直球とカーブだけなのがちょっと不安ですけど、球種を増やすより球のキレを出す事ですかね
聞き手…いつ頃に一軍へ、と考えていますか?
古 溝…8月に故郷に近い仙台で公式戦があるので、その頃までには上がりたいです
自主トレで右足と腰を少し痛めて調整が遅れたけど、もう八分程度の力で投げられるようになった。スタミナ面で多少の不安があるが
良い直球があるしカーブの投げ方をきちんとマスターすれば充分使える(梶本ヘッドコーチ)