![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/b2/1881aebd9aa6aa43c4537f8413c4852b.jpg)
中学生になった下の娘が、テニス部に入った。そんな娘に私の秘蔵の漫画を読むように勧めた。その漫画とは「エースをねらえ!」である。この名作をどこまで理解できるか?
この漫画はかなり前にアニメ化され、実写化もされたのでご存知の方もいると思う。
アニメや実写では主人公の岡ひろみの恋愛ラブストーリーに仕上がっているが、原作漫画を読破した人にとっては、この作者が本当に伝えたかった内容がまったく描かれていないことに気がつくだろう。
この漫画は単なるラブ・ロマンスではないし、スポーツ根性ものでもない。最初はそういう場面もあるが、宗方コーチの過去の秘密が解き明かされるごとに別の世界に入っていく。それとともに主人公も岡ひろみから宗方コーチ、そして桂コーチへと変わっていく。
この漫画を一言で言えば人間賛歌だ。
人生の中で苦しいこともあるだろう。しかし「百忍通意」の意のごとく、苦しみ、もがき、ひたすら忍べば意は必ず通じる。人の思念はどこまでも強く、どこまでも深く、そしてどこまでも届くものなのだ。努力に限界はない、可能性は無限なのだ。
絶望の中でも失なわれない信頼、堅い絆で結ばれた友情。誰も彼も真剣だからこそ輝いている。
この本を読んだあとは、人生は生きるに値する素晴らしいものなんだ、人間万歳と叫びたくなる。そして「よし!俺も頑張るぞ」と力が湧いてくる。