面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「カンフー・パンダ2」

2011年08月19日 | 映画
ただのカンフー好きのパンダだったポーは、今や“伝説の龍の戦士”となり、「平和の谷」を守るため、カンフーの達人たち「マスターファイブ」と共に、父親であるガチョウのピンさんと平和に暮らしていた。
そんなポーの前に、新たな敵が現れる。
それは、見たこともない強力な武器、花火を改造した巨大な大砲を操る大悪党・クジャクのシェン大老。
彼の目的は、中国全土を制圧し、カンフーを抹殺することだった。
「平和の谷」が最初の攻撃を受けたとき、ポーは再び「マスターファイブ」と力を合わせて立ち向かうが、ふとした瞬間に身がすくんでしまう。
敵の謀略を防ぐためには、ポー自身も知らなかった自らの出生の秘密が関係していたのだ。
これまで気づかなかった自分の“弱点”を克服するため、ポーは“自分探しの旅”に出る…


ぐうたらで小心者のパンダ、ポーの成長を描いたカンフーアクション・アニメーションの第2弾。
前作では伏せられていたポーの幼少時代が明かされる。
なぜ、ガチョウのピンさんが父親なのか?
なぜ、村にパンダはポーひとりだけなのか?
ポーの本当の両親は誰なのか?
いったいポーは何者なのか?
すべての謎が明らかになるとき、ポーは“生みの親”と“育ての親”から深く愛され、大切にされて育ってきたことを知る。
そしてポーが持つカンフーの能力は、「親の深い愛情」というエッセンスが注ぎ込まれて、更なる高みへと登っていく!
クライマックスにおけるポーの胸をすくカンフーアクションに、アニメであることを忘れて心の中で快哉を送ってしまう。

一方のシェン大老も、実は子供の頃の体験から、冷酷な性格が形成されていたのだった。
国王夫妻の子、王子として育てられたシェンだったが、親の愛情を素直に受けとれず、逆に疎外感を感じて心を閉ざしてしまう。
そして相手を威圧し、圧倒する強大な力を手に入れ、世界制覇へと乗り出していくのだが、結局は破滅へと向かっていく。
親の愛に気づいたポーと、親の愛を理解しなかったシェンの対照的な姿は、親子の絆の大切さを示唆していて、単なるアニメーションにとどまらない深い味わいを醸し出す。


初見でも問題なし。
親子で楽しめるのはもちろんのこと、オトナがフツウに観て、ワクワクし、心温まる痛快娯楽CGアニメの佳作!


カンフー・パンダ2
2011年/アメリカ  監督:ジェニファー・ユー
声の出演:ジャック・ブラック、アンジェリーナ・ジョリー、ダスティン・ホフマン、ジャッキー・チェン、ルーシー・リュー