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「相棒-劇場版II-警視庁占拠!特命係の一番長い夜」

2010年12月24日 | 映画
警視庁本部内で火災報知機が鳴り響く。
火事騒ぎの中、11階の第11会議室で人質籠城事件が発生した。
人質は、定例部長会議に出席していた各部の部長ら12名の幹部。
直ちに対策本部が設置され、現場の会議室は機動隊と特殊捜査班SITに完全包囲されるが、犯人の人物像も動機も何もかも不明。
犯人からは要求が無いまま、時間だけが過ぎていく。

混乱する庁内でいち早く事件に気づいたのは、偶然犯人と遭遇した神戸尊(及川光博)とその連絡を受けた杉下右京(水谷豊)。
右京は会議室内の様子を把握するため奇策に出る。
刑事部長も人質となったため、実質的にトップに立った刑事部の中園参事官(小野了)が捜査本部の指揮をとるが、事態は一向に進展せず、捜査一課のメンバーは苛立つばかり。
そこへ、“独自捜査”で得た情報を持った右京がやってきた。
この情報により、籠城犯は元警視庁刑事の八重樫哲也(小澤征悦)と判明。
“お手柄”にも関わらず、右京と尊の2人は捜査本部から追い出されるが、再び“独自捜査”に乗り出す。
そして、籠城前に偶然尊が八重樫から助け出した女性が、総務部装備課の朝比奈圭子(小西真奈美)だとつきとめた。

事態を打開するために対策本部が策を弄する中、会議室内から2発の銃声が響き、ついにSITと機動隊員たちが強行突入!
人質12名は無事に保護されるが、八重樫は幹部達との揉み合いの中で射殺される。
籠城してまで八重樫が求めたものが何だったのか、12名は事情聴取に対して何も証言せず、八重樫の死亡は正当防衛の結果とされ、事件は淡々と処理されていった。
疑問を持った右京と尊は、独自に幹部たちへの聞き込みを始める。

一方、事件の報告を受けた警察庁幹部の小野田官房室長(岸部一徳)は、金子警察庁長官(宇津井健)と共に、不穏な動きを見せ始めていた…


2000年のドラマ開始から10周年を迎えた「相棒」が、再びスクリーンに帰ってきた。
警視庁本部内で幹部達を人質に立て篭もり事件が勃発するという、警視庁始まって以来の大事件に庁内は大騒動となるが、結局はうやむやのうちに片付けられていく。
幹部達の動きに疑問の臭いを嗅ぎつけた右京と尊の2人が“独自捜査”で犯人の動機を探るうちに、埋もれていた真実が明らかとなっていく。
そして警察庁上層部と警視庁上層部が慌しい動きを見せる中、特命係の2人は衝撃の真相へとたどり着く。

脚本は、「相棒」の生みの親である輿水泰弘&前作『相棒-劇場版-絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』を大ヒットに導いた戸田山雅司の2人。
前作に続いてメガホンをとるのは、スタイリッシュでスピーディーな演出に定評のある和泉聖治。
水谷豊、及川光博という主役コンビに、岸部一徳ら人気レギュラーキャスト総出演に、小西真奈美、小澤征悦、宇津井健、國村隼ら実力派俳優陣がゲスト出演するという豪華な布陣も劇場版ならでは。
警察組織の闇の怖さと国家公務員のキャリア制度が持つ残酷さに裏打ちされた衝撃的なストーリーと、テレビドラマでは見られないスケール感で、見応えのある人間ドラマが展開して、最後まで一切飽きさせることがない。


「徹子の部屋」に登場人物の右京と尊が出演するという前代未聞(?)の宣伝には驚いたが、そんな宣伝を仕掛けるまでもなく、文句無しに面白く、掛け値なしに楽しめる娯楽作品!


相棒-劇場版II-警視庁占拠!特命係の一番長い夜
2010年/日本  監督:和泉聖治
脚本:輿水泰弘、戸田山雅司
出演:水谷豊、及川光博、岸部一徳、小西真奈美、小澤征悦、宇津井健、國村隼