青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

人里生物の起源

2021-10-08 19:39:41 | コロナ 差別問題と民主化運動 日記


★10月6日の記事に、いいね!その他、ありがとうございました。



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・・・

先日、キンモクセイについてネット(ウイキペディア)で調べていたら、その執筆者が僕と似た考えだったので、少し嬉しくなりました。曰く「キンモクセイは中国からの移入とされるが、正確な自生地は分かっていない(園芸キンモクセイのオリジナルとされ得る集団が見つかっていない)、案外、キンモクセイは日本で作出された可能性もなくはないと思う(意訳)」。

キンモクセイだけでなく、他の種についても、そのような可能性はあると思います(正確には必ずしも「日本で」と言う事ではなくて、種が成立する過程での時間レベルの問題点を念頭に置いたうえで「日本も強く関わって」)。

この思考様式を外面的に捉えて、ネトウヨの人たちと同じ(例えば最近よくネット広告に現れる「縄文人は大陸人と血縁が無かったことが判明」)に見做されると困るのですが(笑)。

その前に、中国と日本の関係性を改めて眺めておきましょう。

中国人は、日本人のことを「日本鬼子」とか「小日本人」とか呼んだりします。あからさまな蔑称ですが、ごく普遍的に使われています。

雲南とミャンマーの国境近くの高黎貢山を歩いていた時、山の中に小さな食堂があったので、そこで昼飯を食べました。

食堂のおっちゃんと話(主に筆談)をしました。大抵の人は「本物の日本人」に初めて会った、と喜んでくれます。

この地域は、第二次大戦中、南京に次いで多くの中国人が日本兵に殺された、とされるところです。いまでも、至る所にそのモニュメントが掲げられています。

僕は、日本人=日本鬼子?
と紙に書きました。

おっちゃんは、鉛筆で棒線を引いてそれを消して、
昔はそうだったけれど今は違う、我々は友達だ、
と書き添えました。

まあでも「小日本」はみんな言いますね。中国人と一緒に地図を広げていると(中国全土図には構成上右側に日本がすっぽり入る)異口同音に「わぁ!日本小っちゃい!」と笑います。悪気じゃないんで、僕も「そうだね」と一緒に笑っています。

実は、小さくはないんですよ。2つの立脚点から言って。

ひとつは海洋面積。中国は全く貧弱です(台湾を中国と見做すならそうでもなくなりますが)。日本はでっかい。海洋面積を含めた広さで言うならば、日本は世界有数の大国ではないでしょうか?

もうひとつ別の視点。

日本には山がある事。それも所謂「豊かな緑」の山。

中国の西部(四川・雲南およびチベット・ウイグル)には、日本の山々よりも圧倒的にスケールの大きな、標高6000mを超す氷雪の峰々が聳えています。

でも、そこは「豊かな緑」とはちょっと違うのですね。中国において「日本の豊かな緑」に相当する地域と言えば、(僕の造語ですが)「グリーン・ベルト」とその周辺部にほぼ限られています。面積的には日本とさほど変わりません。

言葉で表すと、「From “秦嶺”through“竜門山活断層周辺+横断山脈”to“南嶺”」
日本列島(+琉球弧+台湾) にほぼ対応しています。

「グリーン・ベルトは日本の自然のマザーランド」と僕は見做しているのですが、別の視点から見れば、「日本列島」もまた、東アジアにおけるもう一つのマザーランドであるわけです。

(繰り返し言っときます)ネトウヨ的思考と間違えられると困るのですけれど^^;。

中国起源とされる「日本の人里生物」の一部は、案外、日本列島のどこかに起源があったりするのかも知れません(そういう単純な話ではなくて実態は滅茶複雑なんだと思いますが)*。

例えば、これまであちこちで書いてきた、三島列島黒島のハラン(バラン)。誰でも見たことがあるはずの(公園とか路傍とかに植栽され、弁当の“偽バラン”のオリジンでもある)植物で、中国からの移入種と一般に考えられてきたのですが、中国には(今のところ)自生地が見つかっていない(同属別種は中国南部や台湾やインドシナ半島で度々出会っている)。野生状態生育地は、黒島のほか、最近噴火で認知度が高まっているトカラ列島諏訪瀬島と、九州南西端の無人島・宇治群島の3か所だけです。

いろんな“身近な生物”が、「バランの謎」と同様の問題に繋がっていくのです。

*“実態は複雑”ということで言えば、蝶の世界の天才、故・川副昭人さんが為された様々な指摘。とにかく凄い人です(故・日浦勇さんも天才ですが良くも悪くも俗っぽい才能ですね、彼の場合そこが良いのですが、川副氏の知能は別次元の孤高で桁外れです)。

何気なく発した言葉の中に凄い大きな問題提起が含まれていたりします(大抵の人は問題の重要さが分からずにスルーしてしまう)。

例えば、ヨーロッパのエゾスジグロチョウ(ピエリス・ナピ原名亜種、仮称セイヨウエゾスジグロチョウ)は、日本のエゾスジグロチョウ(現在はエゾスジグロチョウ北海道亜種と独立種ヤマトエゾスジグロチョウに分けられている**)よりも、(日本列島ほぼ固有種の)スジグロチョウ(ぼくは“スジグロシロチョウ”とは呼ばない、という訳注をいちいち付けなきゃなんないので面倒ですね)との間に(基本的な形質において)共通点がより多く見出される、といった話。

オリジンの発祥地(あるいは発展繁栄地)は、現存(ときには残存分布)地と同じとは限りません。

例えばメタセコイア。現存分布地は、世界で一か所、湖北省西部のごく限られた一角だけです。しかし地球年代的な時間レベルで見たほんのついこの間までは、むしろ日本の各地に広く普遍的に分布していたのです(化石が数多く出土)。

一方、奄美大島(と徳之島)だけに遺存分布し、世界の何処からも類縁種が知られていないアマミノクロウサギは、やはり(地球年代的な時間レベルでは)ついこの間まで、東シナ海を挟んだ、湖北省東部~安徽省西部に分布していました(化石が多数出土)。

**
(エゾスジグロチョウの例に限らず一般論としても)分子生物学的系統分類手法は、その解析が正しくても根本的な次元における解釈が間違っている場合が屡々あります。要は「体系的に」ではなく「俯瞰的に」捉えられているかどうか。「答」のみに焦点を当てた安易な種分割は僕はしたくない、ということです。

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パソコンが壊れて、明日修理に出します。外部(HDDなど)との接続が全くできません。修理に、最低1週間、7500円ぐらい(電車賃合わせると1万円)。なんとか足ると思います(植物園、図書通販などと交渉)。パソコン故障の影響でHDDがやられている可能性もあり、万が一メーカー送りになればそれ以上必要。たぶん大丈夫と思いますが、、、、。

パソコンが手元に無い間、部屋(段ボール)の大整理を行います。ちょうどいい機会です。

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最近、インターネットの「青空文庫」で著作権縛りがなくなった文学作品などの取り込み方法を覚え、時々利用しています。パソソコンが暫く手元を離れるので、昨日幾つかの作品を収納しておきました。以下、昨晩読んだ本(明治文学、後の三つは大正かな?*印は再読)。

夏目漱石 永日小品*(ことに「山鳥」が胸に染みます)
夏目漱石 長谷川君と余*(二葉亭四迷追悼文)
森鴎外 魚玄機*
森鴎外 長谷川辰之助*(二葉亭四迷追悼文)
二葉亭四迷 旅日記東海道線
幸田露伴 食べ物としての菊
広津柳浪 昇降場*
斎藤緑雨 かくれんぼ*
内田魯庵 美妙斎美妙
内田魯庵 人相見(坪内逍遥の書いた同じ話を更に詳細に紹介)
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永井荷風 里の今昔*
島木赤彦 諏訪湖畔の冬
斎藤茂吉 島木赤彦臨終記*




雲南維西 2010.5.18
 


雲南羅平 2008.2.17
 


雲南翁水 2010.9.22






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