青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

非科学的な話~雲の向こうの白い国Ⅰレンゲソウ

2024-04-18 21:25:11 | その他



一平さんに対しては、僕は正直言って、以前は苦手でした(なんでこんなに胡散臭い人が持て囃されるのだろうと)。大谷君は文句なくカッコいい。



今回の事件で、一平さん、見直しました(笑)。様々な(むろんネガティブな)情報が入ってくるにつれて、益々興味深々です。相反するように、大谷君が実につまらない人間に思えてきた(変わらずに応援していますが)。



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教育は洗脳、科学は手品。

陰謀論とか、エセ科学とか、僕は好きですね。

理屈ではよくわからんことを指摘すると、それは非科学的と蔑まれ、陰謀論として処理されてしまう。



今、ユリ科のあれこれ(ことに「Biosystematic Studies on Lilium I. Phylogenetic Analysis Based on Chloroplast and Nuclear DNA Sequences and a Revised Infrageneric Classification Seita T. Watanabe et.al」に基づく系統分類)をチェック中なのですが、意外な系統関係の組み合わせが示唆されていて、興味深いのです。



例えば、奄美固有のウケユリは、本土のササユリにごく近いとする解析結果。普通に考えれば、外観がより類似し、かつ同所的に(より広範囲に)分布が重なるテッポウユリと関連が深いように思われるのですが、遺伝的には遠く離れていて、本土に広く分布するササユリに近縁(というよりも種レベルでほとんど同一?)という解析結果が出ています。



そういえば、色とか全体の雰囲気はササユリに似ているかも知れませんね。そして花のプロポーションが独特です。実は、蝶の場合も、奄美の固有分類群は(他の生物の固有分類群の多くも)、種をクロスオーバーして独特のプロポーションを示している気がします。共通項は「丸味を帯びた四角」(蝶の場合は翅の概形)。どう説明すれば良いのでしょうか、こんなのは、科学での説明は不可能だと思うのですが(辻褄が合う説明があったとしたら、それはインチキ)。



次回のブログから、ユリ科の話題に戻る予定です。



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一昨日は天気が良かったので、知人の車に乗せて貰って、英彦山中腹にスギタニルリシジミ探索に向かいました。

萌える新緑に覆われた渓流に腰まで浸かって、濡れた岩上に吸水にやってくるだろうスギタニルリシジミを待ち続けました。お昼前後に2回だけやってきた。一瞬のワンチャンス、携帯電話の画面をギリギリまで近づけて、なんとか撮影に成功しました。



本州のスギタニルリシジミは、翅の裏表とも黒っぽい暗色なのですが、九州産はルリシジミに似て白く明るく、大陸産(更に白っぽくて明るい)との関係を考察するうえに置いて、重要なポイントになるのではないかと、僕は思っています。今更撮影したところで、意味がないと言えば意味ないのだけれど、やっぱり自分の目で生きた姿を確認しておくことは、大きいと思うのです。



オマケの収穫もありました。帰路、麓の路傍の空き地に、レンゲソウが一面に咲いていた。以前は見慣れた光景であるのだけれど、最近は目立って少なくなりつつあります。



白い花も混じっていました。九州では白花が出現する頻度が高いように思われます。





レンゲ畑。福岡県大任町2024.4.14









白い花も混じっています。同上



レンゲソウの原産地は一応中国大陸ということになっているのですが、僕の知る限り中国では日本のような“一面のレンゲ畑”には出会えません。中国のどこに自生地があるのか、ということも分かっていません(その辺りの事は「海の向こうの兄妹たち・上巻/59頁~108頁」で紹介・考察しています)。



中国に於ける、日本の紅花種)に対応する自生種(花序が総状にならない非高山性の種)は、その多くが白花です(種名が特定できないので仮称和名で記します)。レンゲソウも「西に向かうと白くなる」生物の一員と言って良いでしょう。



↓以下に、「海の向こうの兄妹たち(上)第三章」から一部を抜粋しておきます。



■中国の“里山ゲンゲ”4 種について 中国科学院編(科学出版社)の中国植物志・第 42 巻第一分冊(1993 年 12 月刊行) はゲンゲ属 Astragalus を中心に組まれていて(他に同一亜族 Coluteinae に含まれる 3 属を収録)、ゲンゲ属 278 種の解説・189 種の図版(線画)が表示されています。 レンゲソウ(ゲンゲ)については、125 番目に、Astragalus sinicus(中国名:紫 云英)として、12 行(他種とほぼ同じ分量かやや少なめ)の解説文と、図版で紹介 されています。ゲンゲ属に於ける A.sinicus の位置付けは、8 亜属中三番目の華黄耆 亜属 Sub-genus Astragalus(7-section)、その第 6-section 傘序組 Sect.Lotidium(8 種)の一員、ということになっているようです。 8 種中レンゲソウを含む 5 種(A.sinicus のほか、[124] A. tungensis 洞川黄耆、[128] A.souliei 蜀西巫山黄耆、[130] A.sutchuenensis 四川黄耆、[131] A.wenxianensis 文 県黄耆)が図版表示されています。記述や図に於ける判断では、傘序組 Sect.Lotidium 076 の共通項は、花序の小花が傘状(外側に向かって垂れ下がり気味という意?)に付く ことのほか、果実が余り膨れないことと、葉がやや丸味を帯びる(ただし小型)とい うことぐらいのようで、いずれも花序は、レンゲソウのように(外観上の)散形とは ならないようです。仮にある程度はレンゲソウに近いグループであるとはしても、レ ンゲソウのルーツを探る対象と成り得るような、ごく近い類縁関係には相当しないと 考えられます。 図版に載っていない 3 種は、[126] A.yangtzeanus 揚子黄耆、[127] A.wushanicus 巫山黄耆、[129] A.fangensis 房県黄耆。しかし、検索表では、どれもレンゲソウか らは遠い位置に置かれていて、図版に示されている(レンゲソウとは明確に異なった 特徴をもつ)各種と姉妹種関係にあるようです。検索表で見る限り、唯一レンゲソウ と同一枝に置かれているのは、A.tungensis 洞川黄耆ですが、子房などが無毛、とい う若干の共通点を持つにすぎず、それ以外の主要形質の特徴は、小葉が小さく細長い ことなど、7 種中最も隔たっているように思えます。 そもそも、傘序組 Sect.Lotidium の共通形質は、花序が“傘状”を呈している、とい う点だけのようであり、しかも、レンゲソウを除く 7 種は、いずれも花序が総状に伸 長し、レンゲソウのように(外見上)完全な散形状になる種は見当たりません。 Sect.Lotidium のみならず、ゲンゲ属 Astragalus 全体を見渡しても、図に表示され た全 189 種中、ごく数種だけが散形状の花序を呈していますが、それらの種は、ほ かの形質が大きく異なっていて、レンゲソウとの間の強い類縁の想定には無理があり ます。 ということで、278 種の中には、レンゲソウの姉妹集団たるべき「花序が集散型、 種子が細長く、小葉が大型で幅広い卵型」の存在は、一種も見当たらない(*1)。む ろんこの総説が発表されてから 20 年近く経つわけですから、僕がチェックをし得な いでいるだけで、新たな分類体系によるレンゲソウ近縁種の知識が集積されている可 能性は大いにあります。 とりあえず、上記の特徴を共有した、レンゲソウの姉妹集団(高山性の種を除く“里 山性”の種に限る)を、僕なりにまとめてみました(レンゲソウ以外の和名は新称、 産地名は僕の確認した地域のみ)。 ★①オナガシロゲンゲ 湖北恩施 ★②レンゲソウ 浙江舟山・浙江杭州・広西桂林・湖北恩施・四川成都 ☆②b レンゲソウ(白花) ★③ユンナンシロゲンゲ 雲南大理・雲南謄沖 ★④ユンナンベニゲンゲ 雲南屏辺・雲南金平 ガク裂片長は本体部分の長さよりも長く、果実に軟毛を生じる→オナガシロゲンゲ ガク裂片長は本体部分の長さよりも短く、果実は平滑無毛 花の色調は鮮やかなピンク部分と白色部に明瞭に分かれる(*2)→レンゲソウ 花の色調は一様 一様に紅色 →ユンナンベニゲンゲ 白色、または淡い紅色や黄色を帯びた白色 →ユンナンシロゲンゲ 077 (*1)図版が示されていない 3 種を含む Sect.Lotidium の 5 種は、いずれも同じ報文により記 載されていて(1915 年)、うち、A.wushanicus 巫山黄耆の摸式産地(固有種)の四川省(現・ 重慶市)Wushan 巫山は、恩施とは目と鼻の先の三峡沿岸の都市。従って、この種が“オナガシロ ゲンゲ”に相当する可能性は大いにあると思う。図示は成されていず、記述のみで判断すると、小 葉が大きく幅広いこと、および子房(オナガシロゲンゲでの確認は果実)に軟毛を生じる点では 一致します。花色が“粉紅色”とあるのは、“淡く紅色を帯びた白花個体”と同義と考えて良いのか も知れません。ただし、花序は、レンゲソウのように傘形(≒散形状)とは記していず、他の種 同様に疏松近傘形(≒総状)と記されています。また、最も特徴的であるべきガク裂片の形状に ついては、余り詳しくは述べられていません(少なくても、長く伸長するとは書かれてはいず、 むしろ長さ 0.5~1.5 ㎜と、他の種同様に短く記されている)。ほかに、A.fangensis 房県黄耆も摸 式産地が湖北省西部(西北部)ですが、恩施からの距離はより遠く、A.sinicus との共通形質も、 より少ないように思われます。 (*2)竜骨弁、翼弁の基半部が白色、旗弁の内側が白地にピンク条、その他は濃ピンク色。

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「中国植物誌:第 42 巻第 1 分冊」にも、肝心の種としてのレンゲソウ(紫雲英 Astragalus sinicus) については、「長江流域各省の海抜 400~3000mの山岳地帯渓谷周辺および湿潤地に 見られ、現在は、重要な緑肥作物、家畜飼料、稀に食用として、我が国の各地で栽培 されている。摸式標本産地は、浙江省寧波」となっているだけで、具体的な在来集団 の自生産地などに関しては、全く触れられていません。また、この本に紹介されてい る 278 種に及ぶ中国産ゲンゲ属の中にも、雲南の白花種や赤花種をはじめとした、 強い類縁関係を持つと思われるレンゲソウ近縁種についての記述も見当たりません。



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この項(“西に行くと白くなる話”)続く











レンゲソウ

浙江省舟山島2009.7.7







レンゲソウ

広西壮族自治区興安県猫児山山麓 2005.4.19





レンゲソウ

広西壮族自治区興安県猫児山山麓2009.4.26





レンゲソウ白花

広西壮族自治区龍勝県芙蓉村 2009.5.20





レンゲソウ

湖北省建始県猫児坪 2009.5.3





レンゲソウ

湖北省恩施市板橋 2009.5.4









レンゲソウ白花ほか

湖北省恩施市板橋2009.5.4







レンゲソウ(左)/オナガシロゲンゲ(中と右)

湖北省建始県猫児坪 2009.5.3











オナガシロゲンゲ

湖北省恩施市板橋2009.5.4







ユンナンゲンゲ(ユンナンシロゲンゲ)

雲南省大理蒼山山麓 1995.5.12







ユンナンゲンゲ(ユンナンシロゲンゲ)

雲南省大理蒼山山麓 2009.3.17









ユンナンゲンゲ

雲南省謄沖市 2004.3.28









ユンナンゲンゲ(ユンナンベニゲンゲ)

雲南省紅河州屏辺2009.3.27







ユンナンゲンゲ(ユンナンベニゲンゲ)

雲南省紅河州金平県 1995.4.14





ユンナンゲンゲ(ユンナンベニゲンゲ)

雲南省紅河州緑春県 1995.4.7











ユンナンチビゲンゲ

雲南省謄沖高黎貢山2006.5.12










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