青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

近所の森の蝶1

2021-12-02 13:42:59 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然

近所の森の蝶1

アゲハチョウ科

大型(翅を開いた差し渡しは10㎝前後)で、後翅に長い尾状突起がある種が多く、(ウスバシロチョウの仲間を例外とすれば)ひと目で他の科と見分けがつく。翅は「黒」または「黒と黄や青の斑」で、裏面と表面、雌と雄、季節による色彩・斑紋の変異は少ない。体の構造は蝶の中で最も原始的で、複眼は大きく、前脚は退化せずに中・後脚と同じ形をしている。

成虫は花の蜜を吸い、ぶら下がって翅を半開きにしていたり、小刻みに動かしていたりする。湿地で吸水するのは雄だけで、雌雄ともに樹液や腐果は好まない。日中に活動し、明るい色彩の種ほど日の当たる場所を飛ぶ傾向がある。

幼虫の食草はミカン科、クス科、セリ科、ケシ科、ウマノスズクサ科など臭いの強い植物を食草とし、刺激を受けると頭から悪臭を放つ肉角を出す。4回脱皮して終齢で緑色のユズボウ型になる種が多く、蛹は帯蛹で胸に糸をかけ、懸垂するような姿勢で葉や枝、壁などに上向きにつく。

世界には約500種余。日本産の約20種は大きく2つのグループに分けられる。ウスバシロチョウ亜科(ギフチョウ族、ウスバシロチョウ族)は比較的小型で、地上低くを不器用に飛び、雌の腹部には交尾後に付属物が形成される。丸くて白い翅のウスバシロチョウ族は一見シロチョウ科の種に似ている。アゲハチョウ亜科(ジャコウアゲハ族、アオスジアゲハ族、アゲハチョウ族)は大型で、一定のコースを巡回する蝶道を形成したり、求愛時に雌雄が空中を前後して飛び続けたりする種が多い。

霞丘陵産の11種のほか、首都圏ではほぼ絶滅したが、関西や北陸では都市近郊にも産地が残るギフチョウを参考として追加紹介。



キアゲハ(上)とアゲハチョウ(下)
中国雲南省白水台の宿屋の庭先にて 2009.6.3
【ともに霞丘陵周辺では良い写真が写せなかったので中国奥地産(日本産と同じ)を紹介】



アゲハチョウ科の幼生期など(「里の蝶」から一部をコピー)。



平均的なサイズ 大型

アゲハチョウ科は、最もチョウらしいチョウである。一般の人々が“蝶々”で思い浮かべるイメージは、シロチョウ科のモンシロチョウか、アゲハチョウ科のアゲハか、どちらかであろう。生物の近代分類の祖リンネが、最初に学名を付けた蝶は、ヨーロッパや日本を含む北半球に広く分布するキアゲハ(パピリオ・マカオン)であることからも、その事実は疑いようもない。

いわば「蝶の中の蝶」なのだが、近年、どうも雲行きが怪しくなってきた。教科書的には、以下のようになっている。蝶は鱗翅目(チョウ目)に属し、鱗翅目の大半は(いわゆる)蛾が占めていて、数多くのグループ(例えば上科)に分かれる。蝶もその一グループで、セセリチョウ科単独から成るセセリチョウ上科、その他の全ての“蝶”からなるアゲハチョウ上科、および最近“蝶”の一員に見做されるようになった(以前は所謂“蛾”の一員だった)シャクガモドキ上科の3上科を合わせて、便宜上“蝶”と呼ぶ(ここではシャクガモドキについての見解は割愛)。

大多数の蝶は“バタフライ”とか“パピヨン”とかの名で呼ばれている。それに対し、セセリチョウは“スキッパー”で、一般的な(大衆の)認識では蝶には含めない。すなわち、アゲハチョウ上科に属する各科の蝶(シロチョウもタテハチョウもシジミチョウも)が“バタフライ”であり、セセリチョウはそれとは別の“スキッパー”という別の昆虫と見做されているわけである。

しかし、近年のDNAに因る系統の解析結果で、意外な(困ったというか、当惑せざるを得ない)ことが判明しつつある。アゲハチョウ科は、セセリチョウ科より古い時代に、他の“蝶”たちと分かれている。すなわち、セセリチョウ科を含む大多数の蝶たちが同じグループで、アゲハチョウ科はそれらとは離れた類縁関係にある。ということは、捉え方によれば、アゲハチョウ科以外の蝶が「真正の蝶」で、(蝶の代名詞的存在である)アゲハチョウの仲間は、「蝶ではない」という、究極の捻じれ現象が起こるわけである。

客観的に考えたなら、このことは予測できたことである。確かに、セセリチョウ科の外観は、いかにも地味で、イメージ的に(いわゆる)蛾に近い。一方、アゲハチョウ科には、外観上大きくて煌びやかで派手な種が多く、いかにも蝶のイメージだ。しかし、そのことが系統に反映するわけではない。色眼鏡抜きで体の各構造を調べていけば、アゲハチョウの仲間が、より祖先的な形質を数多く備えていることが分かる。

何よりも、出現した時期。セセリチョウ科のほとんどの種の食草は単子葉植物(主にイネ科)。外観上地味なため古い時代の植物と一般には考えられそうだが、ごく新しい時代に出現し、一気に種分化して現在の繁栄に至っている植物群だ。一方、アゲハチョウ科の多くの種の食草(食樹)、ウマノスズクサ科、クス科、モクレン科などは、被子植物の中で最も古い時代に出現した植物である(ミカン科やケシ科の成立もイネ科より遥かに古い)。例えばモクレン科などは、大きな花が咲いて一般的な感覚ではいかにも「進化した生物」の様に見えそうだが、実は極めて原始的な植物なのだ。それに結びついた蝶のほうも同様の存在であることが知れる。

霞丘陵では、(場所と時期により大量に見ることの出来る)ウスバシロチョウを除き、アゲハチョウ科の種は、ごく僅かしか撮影出来なかった。分布する10種のうち、出会えなかったのが1種、出会ったけれど撮影出来なかったのが1種、1カットのみ撮影が1種、1個体のみ撮影が4種、複数個体出会うも汚損個体しか撮影出来なかったのが3種。散々な結果である。ただし、どの種も、住宅街の中では、かなり普遍的に見られた。食草および成蝶の訪花植物が林の中には少なく、むしろ(園芸植物を主体として)街中に多く植えられているのが、その理由のひとつと思われる。

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ウスバシロチョウ Parnassius glacialis 冰清绢蝶


東京都青梅市霞丘陵 2021.5.1 オス

東京西郊外の丘陵地で、ゴールデンウイークの前後に最も数多く見られる蝶のひとつ。霞丘陵でも幾つかの特定の草地で大発生する。林縁の草地の上を緩やかに飛翔し、ヒメジョオンなどの花を訪れる。やや大き目の中型種で、いわゆる「白蝶」の中では最も大きい。アゲハチョウ科に所属し、飛翔中の印象はシロチョウ類よりも他のアゲハチョウ科各種に近い。アゲハチョウ科の中では祖先的な一群とされるが、比較的近い類縁関係にあるギフチョウ属の種が衰退の一途を辿っているのとは逆に、近年増加傾向にあるように思われる。成蝶の吸蜜源植物が多様なことと関連するのかも知れない。卵は食草のムラサキケマンに直接ではなく、付近の枯れ枝や石礫に産付する。ギフチョウ同様、交尾後の雌には交尾嚢が形成される。年1化(卵越冬)。北海道、本州、四国に分布。フィールド日記4.23/4.27/5.1/5.23。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


ジャコウアゲハ Atrophaneura alcinous 麝凤蝶


東京都青梅市霞丘陵 2021.5.14 オス

一見、アゲハチョウ属の黒色各種(殊にオナガアゲハ)に似るが、類縁的には遠く離れていて、生態的な側面は、むしろウスバシロチョウやギフチョウと共通する部分もある。幼虫、成蝶とも体内に有毒物質を持つ。熱帯アジアの巨大な美麗蝶として有名なトリバネアゲハ類も同じ仲間(ジャコウアゲハ族)。腹部の鮮赤色はジャコウアゲハ族に共通の特徴で、キシタアゲハではこの部分が黄色い。大型種。殊に夏型雌は大きい。雄の翅色は濃黒褐色で光沢を帯び、雌は明るい茶褐色。雌はふわふわ浮かぶように飛び、林床や藪の中に生える食草の葉裏に赤い卵を産付、雄は羽化間もない雌を探して木陰の暗所を旋回し続ける。食草はウマノスズクサ科ウマノスズクサ属。花蜜(アザミ類など)を好む。霞丘陵では著者は入口の民家の向かいの生垣脇草地で出会っただけだが、暗所では多く見られるようである。年3化(蛹越冬)。本州~八重山諸島に分布、南西諸島産は幾つかの亜種に分割される。フィールド日記5.14。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


オナガアゲハ Papilio macilentus 美姝凤蝶


東京都青梅市霞丘陵 2021.5.14 メス

類似するクロアゲハとは尾状突起がより長いことで、ジャコウアゲハとは腹部が黒色で翅の地色の色調が異なることで区別がつく。系統上は外観の異なるナガサキアゲハに近い。ジャコウアゲハ属や、他のアゲハチョウ属の種の場合でも、近縁種間で(ときに同一種内でも)「長い尾状突起を持つ」か、「全く尾状突起を欠く」か、という2つの方向に分かれるという共通の傾向がある。大陸産や台湾産の本種の近縁各種も、尾状突起を持たない種が多い。クロアゲハとは類縁的には離れているが、雄はクロアゲハ同様に後翅表前縁に白い帯状部を生じることは興味深い。雌は翅色がやや淡い。大型種、殊に第2化雌は大きい。食草はミカン科の主にコクサギ。各種の花を訪れ、雄はよく吸水を行う。年2化(主に5月と8月)。北海道~九州に分布。フィールド日記5.14/6.12。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


クロアゲハ Papilio protenore 蓝凤蝶


東京都青梅市霞丘陵 2021.5.14 メス

黒いアゲハチョウの代表的存在で、オナガアゲハの様に長い尾状突起があるわけでもなく、モンキアゲハの様に目立つ大きな白斑もなく、ナガサキアゲハの様に(日本産のアゲハチョウ類としては例外的な)尾状突起を欠くわけでもない、最も「普通の」姿をしている。雌雄はよく似るが、雄はオナガアゲハ同様に後翅表前縁に白い帯状部を持つ。ただし静止時には前翅がこの部分に重なり、白帯が見えないことが多い。後翅の縁に赤斑があり、しばしば雌で顕著に発達する。大型種。食草はミカン科の各種樹木。年2化(蛹越冬)。通常林内などの暗所にいることが多いが、人家の庭の園芸植物などを訪れることも多い。蝶道の形成が顕著。本州~南西諸島に分布。南の地域ほど尾状突起が短くなる傾向があり、台湾産や中国大陸産は尾状突起を全く欠く。フィールド日記5.14/8.19/9.8。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


ナガサキアゲハ Papilio memnon 美凤蝶


鹿児島県屋久島 2006.8.2 メス

以前は関東地方などでは見られなかったのだが、近年多く見られるようになったことから、いわゆる「温暖化」の象徴(分布の北上)として取り上げられることが多い。しかし実態は必ずしもそれに当て嵌まるわけではない。種としてのナガサキアゲハは、確かに熱帯アジアに広く分布している。その中で日本本土産は、雌の白斑の出現程度が極めて僅少であることなど、形質的にかなり特殊な位置づけにある。現在東京周辺などで見られる個体群は、雌に白斑が顕著に表れる沖縄(南琉球の八重山諸島などには在来分布しない)や台湾、中国南部以南の地域集団とは異なる存在である。「北上」と考えるよりも「分布の拡散」と捉えるべきであろう。大型種。雄は白斑を全く欠き、青色鱗を散布。食草はミカン科の主に栽培柑橘類。年3化前後(蛹越冬)。フィールド日記7.20。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。
*東京近郊産の写真が無いため他地域産を使用した。日本本土産は雌の白斑や雄の青色鱗は発達しない。


モンキアゲハ Papilio helenus 玉斑凤蝶


台湾花蓮県天祥 2006.8.30 

ナガサキアゲハ同様に「暖地の蝶」の代表とされていて、より北の地域(関東地方北部)まで分布している。台湾や中国大陸南部にも分布するが、その他の熱帯アジア地域に於いては近縁別種に置き換わり、必ずしも「南方系」の広域分布種というわけではない。後翅の大きな白紋が特徴。大型種。雌はより大型で、翅色がやや淡い。外観のよく似た熱帯アジア広域分布種タイワンモンキアゲハPapilio nephelusは、モンキアゲハとは別系統に属し、日本には分布しない。年3化前後(蛹越冬)。食草はミカン科樹木。栽培柑橘類も食するが、野生種のカラスザンショウなどをより好む。栽培柑橘類主体のナガサキアゲハが人里に多く見られるのに対し、本種は樹林内で見られること多い。フィールド日記5.23。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。
*東京近郊産の適切な写真がないため他地域産を使用した。斑紋などは本土産とほぼ同じ。


アゲハチョウ Papilio xuthus 柑橘凤蝶


東京都青梅市霞丘陵 2021.4.23

「アゲハ」「ナミアゲハ」とも呼ぶ。「蝶」の代表的な存在が「揚羽蝶」であるとすれば、その名を和名に冠した本種は「蝶の中の蝶」と言う事になろう。モンシロチョウと並ぶ日本で最もポピュラーな蝶である。しかしモンシロチョウがユーラシア大陸に広く分布するのと異なり、本種は日本や中国などの東アジアに限られた分布圏を持つ。分布圏内では極めて普遍的であるが、他地域には(唯一ルソン島のベンゲットアゲハを除き)近縁種が存在しない(北半球広域分布種キアゲハとは系統が異なる)。なおかつ形質的にも分布圏全体で安定していて雌雄と季節型以外には変異がない。案外謎の存在でもある。大型種(春型はやや小さい)。雌は黄色味が強い。前翅中室に数本の条線を生じ、キアゲハと区別できる。食草はサンショや柑橘類などミカン科。花を訪れ、雄は吸水する。年3~4化(蛹越冬)。霞丘陵には何故か少なく、新鮮個体は撮影出来なかった。フィールド日記6.12/6.20/8.3/8.20。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


キアゲハ Papilio machaon 金凤蝶


東京都青梅市霞丘陵2021.4.27

アゲハチョウ(アゲハ、ナミアゲハ)が「東アジア」に限られた分布圏を持つ「地域限定普通種」なのに対し、本種は北半球全域に広く分布している(両者は類縁的にはさほど近い関係にはない)世界レベルでの「蝶の中の蝶」。地域ごとに形質差があり、北米産は多数の種に分けられている。前翅表中室基半部はアゲハチョウのような線条ではなく胡麻斑状になる。アゲハチョウが都市内部や住宅地周辺でも多く見られるのに対し、本種は近郊の田畑などの、より開けた環境に多い傾向がある。幼虫の食草は、ほかの日本産アゲハチョウ属の種が全てミカン科であるのに対し、本種は例外的なセリ科(ニンジン、パセリなど)。花を訪れ、雄は吸水する。年3~4化(蛹越冬)。大型種(春型はやや小さい)。雌は翅色が淡い。日本での分布域は北海道~屋久島。フィールド日記4.22/4.23/4.27。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


カラスアゲハ Papilio bianor 碧凤蝶


東京都青梅市霞丘陵 2021.4.20 メス

地味な種の多い日本産の蝶の中では、例外的な煌びやかな装いをしている。樹林の周辺 のほか、都市近郊でも見かける。北海道~九州に分布し、屋久島・種子島には分布せず、両島を挟んだトカラ列島に産する(両島には近縁種のミヤマカラスアゲハが分布)。奄美・沖縄・八重山産や、台湾・中国大陸産を別種として扱う見解もある(本書では臨機応変に対処を行った)。ミヤマカラスアゲハも地域によっては都市周辺の人里に分布している。前翅裏面の白色部は上下で均等な幅のミヤマカラスアゲハと異なり、本種では上方で広がる。後翅裏には白帯を生じない。雄の前翅表下半部にビロード状の性標がある。食草はミカン科の主に野生種(コクサギ、カラスザンショウ、ハマセンダンなど)。園芸植物を含む各種の花を訪れ、雄は吸水性が顕著。年2化(蛹越冬)。フィールド日記4.20。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


ミヤマカラスアゲハ Papilio mackii 绿带翠凤蝶


長崎県対馬下島 1987.9.22 メス

関西では、著者の地元の兵庫県の都市近郊でも何度か撮影した。しかし首都圏では山地の蝶だと思っていた。一年の撮影を終えた秋になって、たまたま霞丘陵で出会った蝶愛好家の方から、「ここにも結構いるよ」と伺った。関西だけでなく九州でも場所によっては低地で見られることから、首都圏の低地に居ても不思議はないのである。北海道以南に分布。なぜか、カラスアゲハの産しない(飛び越えてトカラ列島に分布)屋久島にも分布している。前後翅とも顕著な明色帯をもつのでカラスアゲハとの区別は一目瞭然だが、暖地産には明色帯の出現が曖昧で紛らわしい個体も少なくない(中国大陸産の一部は酷似)。年2化。蛹越冬。暖地の夏型メスは、蝶の中で最も大きい種のひとつ。春型は夏型より一回り小さいが、黄緑色鱗はより鮮やかに出現する。食草はミカン科のキハダ、カラスザンショウ。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


アオスジアゲハ Graphium sarpedon 青凤蝶


東京都青梅市霞丘陵 2021.4.27

本属を含むアオスジアゲハ族は、アゲハチョウ族、ジャコウアゲハ族と共にアゲハチョウ亜科を形成、前二者がそれぞれミカン科、ウマノスズクサ科を主要食草とするのに対し、モクレン科やクス科を主要食草としている。ウマノスズクサ科共々、被子植物の中で最も古い起源の植物であり、アゲハチョウ科が蝶の中で最も原始的な位置づけにある事と呼応している。日本産のアオスジアゲハ属は、ミカドアゲハと本種の2種。局地的分布の前者に対し、本種は日本の暖地に広く分布。食草はクス科。年3化(蛹越冬)、周年発生経過は一定していない。小さめの大型種。春型は青紋の幅が広い。雄は後翅表内縁に毛の束を持つ。花を訪れるが、アゲハチョウ属の種とは好みの花が異なる。雄は吸水しながら盛んに放尿する。種としては東西2つの異なる分類集団に分かれ、セレベス周辺では(おそらく中国大陸でも)複数の分類群が同所分布し複雑な様相を示す。フィールド日記5.14/8.19/9.8。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。


≪参考≫ギフチョウ Luehdorfia japonica 日本虎凤蝶


兵庫県西脇市 1981.4.17 産卵

年に一度、春にだけ成蝶が出現する「スプリング・エフェメラル」の代表的生物で、“春の女神”として知られる。かつては多摩丘陵などにも分布していた由だが、現在では首都圏の大多数の産地では絶滅、唯一、神奈川県津久井町の石砂山に残存するのみ。関西では都市近郊にも幾つかの地に棲息し続けている。本州の固有種。日本海側には多産地も多い。適度の明るさの雑木林や栗林、若い杉林などの落葉の上を這うように飛び、カタクリやスミレ類などの花で吸蜜し、ウマノスズクサ科カンアオイ類の葉裏に卵塊を産付する。翌春まで一年の大半を、枯葉や土榑に付着した蛹で過ごす。雌は交尾後に交尾嚢を形成。大きめの中型種。同属種ヒメギフチョウが本州中部以北と北海道および日本海対岸域に、他2種が中国大陸に分布する。本属に最も近縁な蝶は、地中海南東部から西アジアにかけて分布する外観がウスバシロチョウに似たArchon属(モエギチョウ:シリアアゲハから改称)。国外分布は「海の向うの兄妹たち」に別掲。




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近所の森の蝶 ブログ紹介 

2021-12-01 21:15:42 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


近所の森の蝶 ブログ紹介 8回連載で 2回目からは写真10枚前後

フィールド・ガイド・ブック 「近所の森の蝶」 【見本版】
上巻:都市近郊の蝶80種の生態図鑑(附:日本産240種)
中巻:東京都青梅市 『霞(かすみ)丘陵』 フィールド日記
下巻:「海の向うの兄妹たち」中国大陸産との関連を探る
青山潤三 著
Photo office萌葱(MOEGI)

はじめに

著者は、東京の郊外で一人暮らしの老人である。今のアパートに越してから18年間(それ以前の20年間余も同じだが)、外出は最寄りの駅(新宿から青梅特快で一時間の河辺駅)にほぼ限られていた。この35年間の活動拠点は中国大陸で、日本滞在時にはほぼ毎日3つ先の駅スタバに居座ってWi-Fi作業、たまに都心で編集者らと打ち合わせ、そして中国に戻るため空港(成田/羽田)に行く、、、そんなわけで、駅と反対方向には、一度も行ったことがなかった。

73歳になった2021年の春、ふと思いたって、駅と反対側に行ってみることにした。中国には当分戻れそうもない。それでこの機会に、久しぶりに日本の蝶を見て置こうと思ったのである。

駅と反対側がどんなところなのか、全く予備知識はなかった。歩いて行けば、たぶん小さな丘や森に突き当たるだろう。徒歩25分、ファミマの前を通り、セブンイレブンの前を通り、ローソンの前を通り、2つ目のファミマを通り過ぎたところで、塩船観音という神社に着いた。そこまでが住宅街で、その先は緩やかな丘になっている。「霞(かすみ)丘陵」というのだそうである。最高点が205m、河辺駅の標高が180mだから、比高は25mぐらいだ。

その日(2021年3月23日)は、観音像の下の開けた空き地のようなところで、蝶や花を撮影した。日本の都市近郊での蝶の撮影は、かれこれ40年ぶりぐらいかも知れない。浦島太郎の気分である。初日、蝶は6種が撮影出来た。思ったよりも良い感じだ。翌日は、丘陵の内部に分け入って見た。そして、2021年の丸一年間、11月末まで、ほぼ週に平均1~2回ほどのペースで探索を続けた。ほとんど毎回同じコース。 夏の期間には、アパートから歩いて行ける反対方向の森(西の青梅の森東端部、東の狭山丘陵西縁部)にも行ってみた。

春~秋にこの一帯で撮影出来た種は61種。特に目的の撮影対象が有ったわけでも、下調べを行ったわけではない。毎回ほぼ同じコース(地図もチェックしていなかったので長い間自分がどこを歩いているかも把握していなかった)を散歩していたようなものである。住宅街に沿った雑木林の林床、たまに現れる草地、そして尾根の反対側に下る小さな谷。このような環境は、おそらく霞丘陵などの東京近郊に限らず、 (北日本や南日本や島嶼部などを除く)日本の多くの都市近郊地域とも共通しているだろう。そこに棲む蝶たちも、概ね共通していると思う。 

著者が撮影した61種は、何の前知識もなく、何の下調べもせず、ただカメラ(昔人から貰ったものでほぼぶっ壊れているのだが何とか最低限の撮影は出来る)をぶら下げて、ペットボトルに麦茶を詰めて、おにぎり2個をポケットに入れて、サンダル履きでの散策中に為されたものである。ある意味“偶然”出会った蝶たちだ。言い換えれば、日本の各地に住む読者の方々も、年に何度か近所の森の探索を繰り返せば、この60種の7~8割ぐらいには出会えるはずなのである。

著者は、何の知識も前調べもなく、突然思い立って適当に近所を歩きまわって撮影していたものだから、ここに棲んでいるはずの幾つかの蝶には出会い損ねている。探索途上に知り合った地元の蝶愛好家の方からの情報や、僕のこれまでの(40年ほど前の)知識を併せ考えれば、霞丘陵一帯に棲む蝶は80種前後だと思う。それは同時に日本各地(北国や南国や山岳地帯を除く)で身近に出会うことの出来る蝶たちであろう。従って本書は「霞丘陵の蝶」であると同時に、「身近な日本の蝶たちの図鑑」と捉えて頂きたい。

本書ではその80種前後を、2021年に霞丘陵で撮影した写真を中心に紹介していった。今回撮影出来なかった残りの身近な種については、以前各地で撮影した写真(ほとんどがポジフィルムで今の著者の経済事情ではスキャナー機の購入は不可能なため一度印刷物としてなされたものを撮影コピー)で補った。

それが、今回作成した本書である。本来は3章構成を予定しているが、まず第1章「図鑑」編を単独で作成した。「身近な蝶80種」に加え、著者が昔写した日本産全種(約240種)を10頁ほどに纏めて紹介しておくことも考えたが、ポジ→デジタルのスキャンの問題を考えれば難しいので、今回は保留しておく。

第2章は、この1年間の霞丘陵探索日記。ここを訪れた読者に対してのフィールドガイドであると共に、        第1章で出来なかった各種説明の補足を成す。第3章は「海の向うの兄妹たち」。主に僕の35年間メインフィールドである中国に於ける対応集団(姉妹種を含む)の紹介。1~3章併せ約400頁を予定している。

今回、その雛形として、第1章「図鑑編」を「スペッシャル版」として配布する次第である。

2021年12月2日 福生のスタバで早めのクリスマスメロディを聴きながら  

目次

001 はじめに/002 目次/003 本書(第一部)について

【第1部 都市近郊の蝶フィールド図鑑】
004-007 アゲハチョウ科の概要
008-021 アゲハチョウ科各種紹介(ウスバシロチョウ/ジャコウアゲハ/オナガアゲハ/クロアゲハ/ナガサキアゲハ/モンキアゲハ/アゲハ/キアゲハ/カラスアゲハ/ミヤマカラスアゲハ/参考:ギフチョウ)
022-025 シロチョウ科の概要
026-031シロチョウ科各種紹介(モンシロチョウ/スジグロチョウ/ツマキチョウ/モンキチョウ/キチョウ/参考:ツマグロキチョウ/参考:エゾスジグロチョウ)
032-035 タテハチョウ科の概要
036-067 タテハチョウ科各種紹介(アサギマダラ/スミナガシ/ヒメアカタテハ/アカタテハ/キタテハ/ルリタテハ/ヒオドシチョウ/サカハチチョウ/コミスジ/ミスジチョウ/イチモンジチョウ/アサマイチモンジ/ツマグロヒョウモン/ミドリヒョウモン/クモガタヒョウモン/メスグロヒョウモン/ウラギンヒョウモン/オオウラギンスジヒョウモン/オオムラサキ/アカボシゴマダラ/ゴマダラチョウ/コムラサキ/クロコノマチョウ/ジャノメチョウ/ヒメウラナミジャノメ/サトキマダラヒカゲ/ヒカゲチョウ/クロヒカゲ/ヒメジャノメ/コジャノメ/参考:ウラギンスジヒョウモン/参考:ホシミスジ)
068-071 シジミチョウ科の概要
072-087 シジミチョウ科各種紹介(ツバメシジミ/ヤマトシジミ/ルリシジミ/ウラナミシジミ/ベニシジミ/コツバメ/トラフシジミ/ミズイロオナガシジミ/ミドリシジミ/オオミドリシジミ/ウラゴマダラシジミ/アカシジミ/ウラナミアカシジミ/ムラサキツバメ/ムラサキシジミ/ウラギンシジミ/ゴイシシジミ)
088-091 セセリチョウ科の概要
092-101 セセリチョウ科各種紹介(ミヤマセセリ/ダイミョウセセリ/アオバセセリ/ギンイチモンジセセリ/ホソバセセリ/コチャバネセセリ/ヒメキマダラセセリ/キマダラセセリ/ミヤマチャバネセセリ/チャバネセセリ/イチモンジセセリ/オオチャバネセセリ)
*日本産蝶類240種の紹介:編集中(本見本版では割愛)

【第2部 霞丘陵フィールド日記】*編集中(本見本版では一部を抄出)
霞丘陵フィールド日記について
2021年3月: 3.23/3.24/3.27
2021年4月: 4.8/4.10/4.20/4.22/4.23/4.27
2021年5月: 5.1/5.6/5.23/5.25/5.29/5.30
2021年6月: 6.1/6.8-6.18/6.20/6.22/6.24/6.26/6.28
2021年7月: 7.10/7.11/7.12/7.17/7.18/7.19/7.20/7.21/7.22/7.28
2021年8月: 8.1/8.3/8.11/8.19/8.20/8.22/8.27
2021年9月: 9.7/9.8/9.10/9.16/9.19/9.20/9.21/9.28/9.29
2021年10月: 10.2/10.3/10.5/10.6/10.11/10.20/10.23/10.24/10.28/10.30
2021年11月: 11.11/11.12/11.13/11.20/11.25
探索コースの概要と地図(*編集中)

【第3部 「海の向うの兄妹たち」】*編集中(本見本版では割愛)

第一部(上巻)について

「近所の森の蝶」上・中・下の上巻に当たる本書は、種別に纏めた簡易フィールド生態図鑑編である。蝶
愛好家の人々に向けてではなくて、自然に触れようとするごく一般の人たちを対象に、これまでの定説や常識にとらわれることなく、私的な知識をベースに内容の構築を行った。よって「教科書」としての「図鑑」ではない、と言う事を始めに断っておく。

2021年3月23日から同年11月25日までの間に、著者のアパートの背後に広がる東京都青梅市霞丘陵、および、その西方の青梅丘陵西端部と東方の狭山丘陵東縁部で撮影した61種を中心に、今回撮影は行えなかったが、この一帯に確実に分布している(あるいはその可能性がきわめて高い)10数種を加え、各種一頁(基本3組の写真)ごとに紹介していった。

原則として、写真は今回撮影したものを使用した。しかし、幾つかの写真は別地域のものを使った。その多くはポジフィルム時代の撮影で、しかしスキャンが叶わず、以前に発表した印刷物として発表した自著から写真コピーした。その場合、なるたけ都市近郊産の利用を心がけたが、それが見つからない場合は遠隔地域産を使用した。

撮影場所年月日は出来る限り正確に記した。ただし過去の撮影品の一部に関しては、膨大な未整理ポジフイルム原版を照合せねばならず、時間的余裕がないために、暫定的に「データ確認中」として示した。

科の説明は1994年に著者が刊行した「里の蝶基本50種」の科解説の文章を(そこに添えた幼生期の写真共々)そのまま使った。ただし、明らかな誤認箇所は訂正し、全体のバランスを考えた上で、幾らかの改変を行った。そのうえで、更に一頁分の、科全体に対する文章を書き加えた。

各種説明の文章は、文献を参考せずに、その場で思ったことをそのまま書いた(最終的には正誤を照会している)。解説というより、問題提起、と考えて頂きたい。

周年経過については、著者の認識に基づいたうえで、各種文献の記述を参考にして記した。越冬態は、概ね各種文献の記述に基づいた。食草も、各種文献記述に著者の判断を加え、摂取選択して表記した。

学名は、必ずしも現行使用されている名に沿っていない。筆者の判断で、これまでに発表された見解の中から、より適切と思われるものを選んだ。特に選定基準があるわけではなく、全体あるいは各グループ のバランスを考慮し、臨機応変に選択した(それぞれの選択理由を詳しく述べていくとそれだけで長大な記事になってしまうので、ここでは割愛する)。和名は、出来る限り古くから永い間利用されて来た名を選択した。

大きさについては、通常は「前翅長」か「開翅長」の具体的な数字で示すが、本書では2つの理由で、あえて曖昧におおざっぱな表現方法をとった。

ひとつは、具体的な長さの表示では(「前翅長」と「開翅長」の認識上の混乱もあって)感覚的に把握し難いと思われること。もう一つは、雌雄・季節・地域・個体間の差、および翅を閉じたとき開いた時と閉じた時の差を、どれぐらい数字での表現に反映するか、ということ。

そのような視点から、本書では敢えて大まかな「小型種」「中型種」「大型種」に三分し、それぞれ「小さめ」「やや小さめ」「やや大きめ」「大きめ」を補足した5段階(×3)を設定した。シジミチョウ科とセセリチョウ科は、ともに大半が小型種。アゲハチョウ科は、大半が大型種。シロチョウ科とタテハチョウ科は、基本「中型」で、シロチョウ科は「小さめの中型種」、タテハチョウ科は「大きめの中型種」が多くを占める。むろん(特に隣り合った段階との)線引きは曖昧で、あくまで大雑把なイメージの手助けの指標と考えて頂きたい。

ちなみに、小型種は“親指の爪”、小さめの中型種は“親指と人差し指で作った円”、大きめの中型種が“横から見た拳骨”、大型種が“掌(てのひら)”と認識すれば、当たらずしも遠からずだと思う。各科ごとの扉のひとつに、100円硬貨を添えた「一般的大きさ」図(原版頁の写真は「里の蝶」からのコピー)も示した。それも参考にして頂きたい。






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裏山探索 2021.9.28-9.29

2021-09-29 21:05:56 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


★9月28日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。



2021.9.28 新規追加種 59種目 ウラギンヒョウモン 
2021.9.29 新規追加種 60種目 オオウラギンスジヒョウモン

(この両種については)言いたいこと、言わなければならないことが多数ありますが、明日にします。

今日写したメスグロヒョウモン雌も再紹介しておきます。これで霞丘陵で撮影した大型ヒョウモン類は、(ツマグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、および5月に一個体撮影後出会っていないクモガタヒョウモンを加えて)6種、この辺りに分布するはずの種で残るのはウラギンスジヒョウモンだけです。

写真1-3






ウラギンヒョウモン

写真4-6






オオウラギンスジヒョウモン

写真7-8




メスグロヒョウモン(雌)




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訂正:2021.9.23 

2021-09-23 20:00:07 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・

図鑑(「我が家の近所の蝶たち」)作成に没頭せねばならず、ブログ書く時間が勿体ないので当分止めようと思っているのですが、、、昨日のブログをチェックしたら、思わぬ誤植(僕の書き間違い)を見つけたので訂正記事を入れます。

誤:頭部(複眼)が大きく、触角が長いことで、オオチャバネセセリであることが分かります。

正:頭部(複眼)が小さく、触角が長いことで、オオチャバネセセリであることが分かります。

一昨日の帰路と昨日、ほんの少しだけ同じ場所でツクツクボウシの録音を行っていました(なかなか思ったように録音出来ない)。その合間に蝶も写してたのだけれど、ボロ蝶ばかりです。ボロ蝶を綺麗に写すのはなかなかテクニックが要ります(そんなことないか、、、いたって簡単ですね)。



















・・・・・・・・・・・・



一昨日、オオチャバネセセリの写真の撮影時(録音収録中の動画画面から)。


昨日も同じ時間帯に同じ場所に行きました(スタバにパソコン開いたまま置いてるので暫し録音してすぐに戻った)。




・・・・・・・・・

最初の「質問」について、広州のK氏からメール返答が来ました(答えを頂いたのは初めてです)。

>マスクは、なぜ必要か?
>>売るためです。医療ってのに関心持つようにして、入院、薬、付属品が売れるように仕組まれているからです。死を前に宣伝すれば、簡単に売れます(K氏の中国の奥さんは確かお医者さんだったと思う)。

>「沖縄に対する日本」「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」の違いを教えて下さい。
>>時代が違うだけです。皆、勘違いしてます。やっていることは、世界中どこも同じです。

シンプルで良いですね。両方共その通りだと思います。でも、大衆は、モロ勘違いしちゃってるので、、、。




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日記:2021.9.20 

2021-09-22 09:46:01 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


★9月20日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・

一日違いで大失敗してしまいました(昨日が祭日とは知らなかったものですから、、、)。

毎月、月末には生活費の予算が足らなくなってしまいます。なんとか綱渡りで切り抜けています。今月も計算上どう頑張っても月末までしか持たない(月を越えた1日‐4日あたりでゼロになる)ことは分かっていたのですが、前に報告したように昆虫図書専門通販でDVD(たぶん1万円余)が一枚売れた(購買者からの連絡あり)とのことで、いざとなればそれを受け取りに行こうと思っていました(都心に出る電車賃を考えて躊躇していた)。

金曜日の時点で、やはり今月末までしか持ちそうもない、ということが確実になったため、支払い要請しようと思っていたのですけれど、まあ月曜でも良いか、と思って先送りにしていたら、祭日です。それで今朝一番に電話したら、毎月支払いの〆が20日、今月は既に終了。次の支払いは10月21日になる、と。先週電話しときゃ良かったです。

まだあと一週間は持つと思うので、それまでに何とか方策を考えましょう(探索行はバスには乗らず歩く、おにぎりは食べない、銭湯には行かない、、、)。まあ、なんとかなるでしょう。

・・・・・・・・・・

昨日も雲一つない快晴。朝7時半出発、夕方4時半帰着。新規追加種はなし。入口付近のアザミの花にメスグロヒョウモン雄(昨日と同一個体?)が来ていました。少し早く入口に戻り、青梅の森へも行ってみました。

昨日の撮影種:
ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、コミスジ、イチモンジチョウ、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、スジグロチョウ、キチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ダイミョウセセリ、オオチャバネセセリ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ。

一昨日撮影種の訂正。ウラギンスジヒョウモンは誤。アゲハチョウは結局画面に写ってなかった。

[参考]街の中での目撃種(撮影出来ず):アゲハチョウ/クロアゲハ/ナガサキアゲハ?/ヒメアカタテハ/ウラギンシジミ。
モンキチョウ(ヒガンバナ群落の隅を飛んで行く1個体を確かに見たはずなのだけれど、、、写真に撮れていない、、、、該当箇所に写っているのはキチョウ、、、、僕の勘違いかな?)

最初に紹介するのは、昨日も取り上げたツマグロヒョウモン雌。今日もイの一番に出現しました。現在、東京の都心では最もポピュラーな蝶です(小型種を含めると一番はヤマトシジミかな?)。日本(世界)全体で言えばヒメアカタテハ。「都心(市街地など)」に拘らず「都市周辺」ということで言えばヒメウラナミジャノメなのではないかと思います。ヒメウラナミジャノメは在来分布種なのですが(現在この蝶が非常に多く見られる原因などについては別に考えます)、ほかの2種(ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン)は、比較的新しい時代になって繁栄しだした種です。

僕の以前の活動期(30~40年ほど前)にはツマグロヒョウモンはかなり南に行かねば見られない種でした。60年ほど前に僕が蝶に興味を持ち始めた頃は、関西でも滅多に見られない大珍種だったのです。それが今では、、、、。

下に例を挙げる各種は秋になって爆発的に増えるという傾向を持ちますが、本種は(秋に特に多くなるのは確かとしても)一年を通して見られます。原因を「温暖化」で済ませれば簡単なのですが、そう単純な問題ではないと思います。温暖化(それと何らかの関係を持った移動)に結び付けられて語られることの多い種のうち、ヒメアカタテハの場合は、ずっと以前から世界中のほとんどの地域に分布していて、現在の環境や気候とは特に大きな関りを持たず繁栄が為されているように思えます(ウスバキトンボも同じような傾向があるのかな?)。

以前は関東地方には見られなかったのに、最近になって東京近郊でも増えている蝶としては、ナガサキアゲハやクロコノマチョウなどが思い当ります。それらは「地球温暖化」の象徴として「南からの北上」と捉えられることが一般的です。でも、僕は違うと思う。

厳密に言うと、それらは(クマゼミの場合も同様)日本本土(本州-四国-九州)に固有の分類群です(“種”としてエンデミックとまでは行かないけれど他の地域産とは異なる独自の形質を有している)。必ずしも“南”の生物と言うわけではなく、分布の拡大(いわゆる“北上”)と気温は、さほど関係していないように思われます。

確かに、九州や四国から見ると東京は北に位置します。でも、気温はそれほど変わるわけじゃないと思うのですけれど。「北上」と言うよりも、「拡散」(北にも広がる)と捉えたほうが良いのではないでしょうか?実際、上掲種の多くは逆に南の方角(沖縄など)にも分布を広げているので、「北上」とするのは辻褄が合わないと思います。

それに、例えば、ウスバシロチョウとかヒメキマダラセセリとかミヤマカラスアゲハとかのような、どちらかと言えば「北」「山」の蝶というイメージの強い種が、比較的近年になって(地域によっては)都市周辺の低地や暖地でも結構見られるようになっている、という逆転現象もあります。

生物各種の増減は、様々な複合要因を持って成されるものです。因果関係を理路整然と説明して、、、という方向性でのみ答えを示そうとすると、おかしくなってしまいます。

近年東京近郊で増えた蝶としては筆頭格に挙げられるツマグロヒョウモンは、(東京産と同一の分類群も)南方にも広く分布しているので、分布の拡大に温暖化が要因として関っている程度が最も大きい種である、ということは出来ると思います(でも要因はそれだけではない)。

ところで、コスモポリタン種ヒメアカタテハと、それに次ぐ世界的普通種ツマグロヒョウモンは、なんとなく色調が似ていますね(他の日本の蝶に無い鮮やかなピンクを帯びる)。偶然でしょうか?

ちなみに、大抵の蝶の翅は、雄の方が鮮やかで派手。ヒョウモンチョウ類は例外的に雌のほうが鮮やかなのですね。ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、、、。



ツマグロヒョウモン雌。昨日に続けての紹介。単に見栄えが良いので、、、。



ミドリヒョウモンも雌のほうが綺麗と思います(翅表の微妙に黒緑がかったところが良い)。







メスグロヒョウモン雄。昨日の夕方写したのとたぶん同じ?ボロ個体。ミドリヒョウモン雄ボロ個体2頭との3ショットを計140枚写しました。写真の出来以前に、これだけボロイと、何枚写してもどうしようもありません。





今日(9月20日)は祭日だったらしく、入口の三色ヒガンバナに昨日同様多数のカメラマンが訪れています。僕はその横の路傍で、ヒガンバナに背を向けてボロヒョウモンを写しているので、みんな不審そうに思っているようです(邪魔だからドケと言われた)。

・・・・・・・・・・・

昨日のブログにも書いたと思うのですが、イチモンジセセリが少ないですね。むろんいることはいるのですが、【9月20日、快晴微風、(町の中にも)小さな水田あり、その周りに訪花園芸植物多数=ケイトウ、キバナコスモス、マリーゴールド等々)】という条件下で、どこにも群れ飛んでいない、というのは変です。途中で会った昆虫愛好家の方もそのことを指摘していました。僕だけの認識ではないと思います。

原因は、(ある人の指摘では)訪花植物の減少?しかし、イチモンジセセリが訪れるのは、元々園芸植物が主体なので、それは違うでしょう。

水田耕作の減少?ずっと以前から都市周辺の水田は減っています。でもイチモンジセセリは秋にはいつも大発生していました。今になってそれが要因とは考え難いと思います。

環境の変化?イチモンジセセリは、むしろ「環境の変化」に伴って増えた昆虫のはずです。辻褄が合わないような気がします。

最初に挙げた、吸蜜源となる植物の減少が蝶の衰退に関わっている、というのは、イチモンジのようなポジションにある種はともかく、一般論としては大いにありだと思います。殊に、衰退傾向にある種では、種や個体群の滅亡に大いに関係しているはずです。中国杭州のギフチョウ(Luehdorfia chinensis)は、その最たる例ですね。

僕が撮影を行っていた1980年代末頃は、都心周辺に(都市の内部にも)雑木林が発達していました。ギフチョウの棲息環境としては「完璧」、、、、に見えたものです。

しかし、ひとつ怪訝なことが、、、。林床に幼虫の食草のカンアオイは豊富にあったのですが、成蝶の栄養源として必須の、春に花が咲く野生の植物がほとんど見当たらないのです。ギフチョウは園芸植物にはやってきません。これで大丈夫なんだろうか?と訝しく思っていたところ、、、案の定、数年後一気に消滅してしまった(小笠原のオガサワラシジミなども似たような事情があると思っています)。

でも、イチモンジセセリに関しては、事情や背景が全く異なります。何で少なくなってきているのか、よく分からない(そもそも毎秋大発生している事がおかしいので、まあこれくらいでちょうどいいのかも知れません)。そう言えば、黒雲18億の大群のような報告例は、最近余り聞かないように思うのですけれど。

「イチモンジセセリが通常よりも少ないのではないか?」と言うのは、実は僕の思い込みバイアスに因るものである可能性もありますね。そのことを考えて、昨日撮影したゲゲネス類を、ざっとチェックしてみました。むろん、ざっとチェックしただけなので見落としとかもあるでしょうし、単に写真を撮っただけということで、元々イチモンジセセリのような超普通種にカメラを向けることは少ないでしょうから、実際に出会った個体数が反映されているわけではありません。でも、この数字で、おおよその傾向は掴めると思います。

小型セセリの昨日の総撮影枚数は179枚。
*オオチャバネセセリ168枚:個体ごとのカウントは未選別(平均1個体につき4~5枚ほどは写していると思うので推定40個体前後?)
*イチモンジセセリ9枚:3個体
*チャバネセセリ2枚:1個体

以下、全てオオチャバネセセリです。



写真を改めてチェックした結果「オオチャバネセセリ」と分かった個体の多くも、リアルタイムでは「イチモンジセセリ」と思って撮影していたわけですから、実際に思いのほか少ないのは確かだと思います。



通常、オオチャバネセセリのほうが、イチモンジセセリやチャバネセセリより(頭部は別として)やや大きいのですが、6~7月に発生する第1化の個体では確かにそうなのだけれど、この(秋の)世代の個体は、むしろ小さめなのが多いような気がします。参考として僕の指を添えてスケールを示しておきます。



後翅の白斑は、(通常言われているように)必ずしも4個が互い違いに配置するわけではありません。3個だったり5個だったり、配列バリエーションも多様です。





この個体の白斑は、ほぼ一列。頭部(複眼)が大きく、触角が長いことで、オオチャバネセセリであることが分かります。




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2021.9.19 裏山(霞丘陵)探索

2021-09-20 07:09:20 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・

さすが、「台風一過」です。文字通り雲一つない快晴。朝7時半に出発して、午後4時半に戻ってきました(霞丘陵)。でも蝶は余りいませんでした。ミヤマチャバネセセリにはむろん出会えず、多摩川の河原同様に、イチモンジセセリも大して多くはなかったです(いたことは結構いたけれど“群れ飛んでる”という感じではなかった)。

今日の撮影種。アゲハチョウ(ほぼ撮影失敗、、、未だまともな写真が撮れていません)、キチョウ、モンシロチョウ、スジグロチョウ、ツマグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、ウラギンスジヒョウモン、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、ウラギンシジミ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ダイミョウセセリ、キマダラセセリ、オオチャバネセセリ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ。

うち、新規撮影種:今年58種目メスグロヒョウモン。

行き帰りに通った入口の休耕田跡に、ヒガンバナが満開です。シロバナマンジュシャゲとセットで、かつ2週間ほど前から咲いている黄花種(ショウキズイセンまたはLycoris sp.) も咲き残っているので、赤白黄色の鮮やかな景観を成しています。

日曜日とあって、それを目的にハイカーやカメラマンが押しかけています。まあ、確かに綺麗なので、そんなところですね。

ヒガンバナは皆さんご存じのとおり不稔性の種で、日本に生えるものは中国からの渡来とされています。たぶんそうでしょう。でも中国に於ける2倍体(捻性のある)集団の実態も詳しくは分かっていないのだと思われます(ひと月ほど早い時期に中国各地でポツポツ出会う)。

白花種(シロバナマンジュシャゲ)の分類上の位置づけに関しては、様々な説がありますね。古い図鑑などでは日本での分布は九州(南部?)とされていたように思います。僕は昔、大隅半島の先端付近で見たことがあります。最近は、ヒガンバナ(中国産2倍体種)とショウキズイセンの交雑由来、と説明されていることが多いようですが、実態はもっと複雑だと思います。中国ではどうなっているのでしょうか?

黄花種*は、僕は昔、屋久島やトカラ列島や奄美大島で撮影しました(ショウキズイセン)。分類的には、幾つかの異なる系統に属する黄花種があるようなのですが、僕は詳しいことは知りません。垂直の絶壁に群生する種(広西壮族自治州)については「海の向うの兄妹たち(上)」で紹介しているので、興味のある方はチェックしてみてください。

*ちなみに、日本本土にも黄花(正確にはややオレンジがかった濃い黄色)のリコリス属の種「キツネノカミソリ」が在来分布していますが、ヒガンバナなどとはやや類縁が離れていて、別の亜属に置かれます。

赤白黄とも、少なくとも東京周辺に於いては在来分布種でないことは確かで、この休耕田の群落も、おそらくは比較的最近、観光?目的(モグラの出没を防ぐため、という説もあるようです)で、行政などの何らかの組織によって為されたものではないか、と思われます。

「凄い綺麗!(赤白黄のヒガンバナの)素晴らしい自然景観!!」という声と、
「凄い怖い!人類の敵から(マスクとワクチンで)身を守ろう!!」と言う声は、
僕には同じ種類に属している、と思えるのですが、、、、僕が変なのかな?







・・・・・・・・・・



ツマグロヒョウモン雌



ミドリヒョウモン



メスグロヒョウモン雄





メスグロヒョウモン雌






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“メス”について 2021.9.11

2021-09-12 09:00:00 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・

今年の6月、青梅市の南側の丘陵の某施設で、(半ば飼育下の)オオムラサキを調べているという女性の研究者と話していて、雄の紫の翅色の話題になった時、「私はメスのほうが好きなんだけれど、、、」とふと彼女が呟いた言葉が、強く印象に残っています。

女性の立場からすれば、そうだろうな、と思いますね。確かにオスは煌びやかで目を惹きますが、、、。客観的に見ても、(綺麗とかの次元ではなく)雌のほうが断然カッコいい。大きくて、悠然としていて、、、、オオムラサキが「大紫」である所以は、「紫」に視点を当てれば雄に、「大」に視点を当てれば雌にあるのだと思います。

どの蝶に対しても言えることですけれど、オスは飛び方や体つきが鋭敏で、色彩も煌びやか、翅表に鮮やかな金属光沢色を纏っていたりします。一方、メスは色調が地味で、翅型や体つき共々、行動様式も茫洋としたイメージを持っています。

雄が人の目に付きやすいところで活動していることが多いのに対し、雌が人前に現れることは余りありません。ちなみに、集団を為す(オオムラサキをはじめとするタテハチョウ科の種は余り集団を形成しない)のは雄である場合が多く、吸水集団も場合は大抵は(アゲハチョウ科やシロチョウ科では原則全て)雄です。

雄の仕事は、ひたすらメスを探すこと。雌の仕事はひたすら卵を産むこと。彼らは自分の為すべき行動に疑問を持つことなど当然なく、与えられた使命を忠実に遂行しているわけですが、でもたまに出現する雌雄型(半分雄で半分雌)の場合は、疑問持つ以前の問題として、自分はどうすれば良いのか、戸惑っているのではないでしょうか?(むろん“意識”などはないとしても)

僕個人的には、サンプルとしては雄のほうが有難い。(他種との比較のために)生殖器の構造をチェックする際に於いて、雌の場合は構造的な種ごとの特徴が、もうひとつ掴みどころがなく(生殖器の構造の次元がオスとは異なる)、オスのほうがずっと分かり易いからです。

被写体(生きた姿)としては、大抵の蝶に於いて(あくまで個人的な感想ですが)雌がより魅力的ですね。でも、困ったことに、多くの人目に触れる商業作品などに使用するときは、煌びやかな雄の写真が必要になってきます。

というわけで、オオムラサキについては、雄の写真を写し損ねてしまいました。予期しなかった雌の写真を 写せたのは僥倖と言えるでしょうから、僕的には満足しているのですが、一般的な商業作品作成を目論んでいるからには、雄の写真を載せないわけにはいかないでしょう。昔他の地域で写したのを使うか、誰かに付近で写した写真を借りるか。

今考えれば、失敗したかな?と思っています。この場所で自分で雄の写真を写せるチャンスは十分にあったのです。そのことに雌に出会うまで気が付かなかった。順序立てて話すと、こういうことです。

今年3月23日、青梅(最寄りは立川寄りの河辺駅)に来てから18年目にして、初めて駅(や市役所、病院など)以外の場所、歩いて30分弱の裏山(標高200mほどの丘陵でアパートとの比高はほぼ同じ、、、アパートの位置の方が僅かに標高が高いかも)を訪れました。

アパートの周辺は街(住宅街)の中です。大した自然など残っていないものと、18年間思い続けていたのです。というよりも、35年ほど前に中国や台湾へ行き出してから、日本の自然とは遠ざかっていました。北海道や本州の高山帯とか、南西諸島や小笠原とかには度々赴いてはいたけれど、身近なフィールドに行くことは有りませんでした。

中国がメインフィールドになったこの20年ほどは、それらの地域(高山や南西諸島)からも足が遠のき、ここ数年は、御岳山の山上に野生アジサイの調査・撮影に出かけたことと、去年の春、別の仕事の準備も兼ねて新潟県にギフチョウの撮影に行ったのが、数少ないフィールド行の全てです。

ということで、日本本土の身近な蝶に関しては、40年近くの間ご無沙汰状態、浦島太郎のような心持で、何気なく「近くの(駅とは反対側の)丘=霞丘陵」を、ひょいと訪れてみたわけです。思いの外、沢山の蝶に出会いました。

それで、当分の間は中国に戻れそうもないし、この機会に日本の身近な(いわゆる普通種の)蝶たちも撮影しておこうと、そこに通うことにしました。

出来れば、(昔何冊か刊行したような)「フィールドガイドブック」にも挑戦してみよう。むろん現在の出版界の状況に於いて、容易でないことは充分に承知の上です。しかし商業ペースでの刊行はほぼ絶望的な「中国の蝶」と違って、日本の(誰でも出会えそうな)身近な蝶が対象なら、上手く行けば引き受けてくれるメディアもありそうな気がします。

そんなわけで、最初の探訪日から、4月、5月を挟んだ6月9日までに、同じ場所に19回通っていました。数えて見たら(今年だけで)その時点で既に40種余を撮影していて、大成功だと思います。

でも、一般受けする本を刊行するには、目を惹く(煌びやかな)蝶の写真が必要です。(二次植生であるとしても)一応天然の森の中がフィールドの大部分を占めるので、派手な外観の庭や花壇の園芸植物に訪花する蝶の写真はほとんどなく、訪花対象は比較的地味な野生植物が大半を占めます。そのこともあって、蝶自体が鮮やかな色彩を持った種も確保しておきたい。例えばゼフィルスとかオオムラサキとか。共に出現期は夏に一世代だけです。

煌びやかなゼフィルスでこの辺り(東京近郊の低標高地帯)にもいる種は、ミドリシジミとオオミドリシジミ。6月8日には地味だけれどゼフィルスの一種であるミズイロオナガシジミを撮影しています。その両種も霞丘陵にいるはずです(実際にいることを最近聞いて知った)。

でも、これまでのように漠然と同じ道を歩いていて出会えるのでしょうか? 考えたら、もうゼフィルス出現の季節の真っ最中です。オオムラサキのほうは通常7月半ば以降なので、まだ暫く猶予があるのですが、
今年は季節が早く進んでいるので、そろそろ出現するかも知れません。うかうかしていると、出会えずに終えてしまう可能性があります。

この3種に関しては、確実にいるところをピンポイントで狙いたい。霞丘陵に関しての情報ほとんどないので、(歩いて行ける範囲の)近くの場所までチェックしてみることにしました。

まず思いついたのが、ずっと以前にカメラ教室とかの講師で(他の何人かのカメラマンと共に)青梅丘陵を歩いた時のこと。そのコースの終点が青梅駅で、確か駅に着く直前に見晴台みたいなところがあって、季節になればいかにもゼフィルス(オオミドリシジミ)がテリトリーを張って良そうな環境だったことです。そこに行ってみよう。

思い立った翌朝、早速訪ねてみました(自宅から30分もあれば行ける)。雄が金属光沢を帯びた所謂“高等ゼフィルス”の活動時間帯は種ごとに限られていて、山地性のジョウザンミドリシジミの場合は、確か午前9時頃がピークだったように覚えています。オオミドリシジミについてはよく知らないのですけれど、午前中に活動することは確かだと思います。

と言うわけで、午前7時頃からプラットホームの裏の丘の上で待機していたら、9時過ぎにドンピシャ現れました。

ミドリシジミのほうはどうでしょうか? 食樹のハンノキがあればいると思うので、だったら霞丘陵にもいるはずですが、こちらも出現の季節は真っただ中です。のんびり探しているわけにはいきません。ピンポイントで一両日中にも撮影しておかなければならない。

ずっと昔、浦和の荒川土手(ミドリシジミの発生地として有名なところ)で撮影したことがあります。そこを再訪しようか、それとも(やはり以前何度か訪れたことのある)横浜の緑区の湿地に行こうか、とも考えたのですけれど、歩いて行くにはちょっと無理があります。もう少し近場で確実な棲息地はないだろうか、とネットで調べたら、その気に成れば歩いて行ける隣町の瑞穂町の端っこ辺り、狭山丘陵の青梅市寄り(丘陵の西端部)にいるらしいことが知れました。そこにはオオムラサキもいるようです。

早速訪ねてみました。ミドリシジミのオスは、撮影可能な時間帯に、撮影可能な位置に降りて来てくれなかったのですが、ハンノキの梢に産卵中のメスの写真は結構いいのが撮れました。雄は昔浦和で写した写真を使えばよいだろうと、早々と諦めてしまいました(霞丘陵で早朝探せば良かったのに、と後になって思ったのですが)。

で、オオムラサキのほうですが、こちらはまだひと月ほど猶予があります。でも今年は季節が早く進んでいるので、うかうかしていられません。やはり、ピンポイントで確実に撮影出来そうなところを、3か所確保しました。

一つは、上記した青梅駅裏のオオミドリシジミを撮影した帰路にあった、東青梅の第四小学校横の丘に立つ一本のコナラ。その時出会った地元の蝶愛好家の方から、「去年の7月にこの木で何度かオオムラサキを見た、今年は季節が早く進んでいるので、もしかすると6月末には出現するかも知れない」と教わりました。

二つ目は、いつも行っている、霞丘陵の愛宕山頂上下の斜面に生える二本のコナラの木。やはりそこで出会った別の地元の蝶愛好家の方から「去年何度かオオムラサキを見た」と教わりました。

三つめは、上記狭山丘陵西端部(東京都側)の野山北公園の公衆トイレ近くのクヌギの木。レンジャーの方から「毎年この木に(他にも何本かあったけれど去年切り倒されてしまって確実なのはこの木だけ)オオムラサキが来る」と教わったのです。

ということで、6月中旬から7月にかけて、その三か所に連日のように通いました。結果は惨敗。オオムラサキどころか、蝶の姿が全くない!本来なら(この梅雨の合間の季節は)蝶の種類数が最も多い時期です。それが、種類数どころか、ほとんどの蝶の姿さえ見ない。

考えてみれば、今年は例年よりも3週間ほど早く季節が進んでいるようなのですね。ということは、7月の前半を例年に当て嵌めれば、7月末から8月上旬にかけてと言う事になり、夏の真っただ中なわけです。夏の最も暑い盛りは、蝶も姿を消すのが通常です。今年は、6月末にして、既にその時期に差し掛かっていることになります。

本来なら7月に入って出現する種は、6月中に既に出現し終えているのか、あるいは例年通り発生していても、人の目に触れるところに現れないままスルーしてしまっているのか。いずれにしろ、上記の人たちを含む蝶愛好家の方々は、口を揃えて「今年はオオムラサキの少ない年に当たったみたいですね」とい言います。

結局、オオムラサキに出会ったのは、狭山丘陵西部の、同じクヌギの一本の樹だけ。7月中旬の3日間続けて、同じ時間帯(午後2時~2時半)の同じ幹の同じ位置に、一瞬の間(ほんの数秒間)雄がやって来て、すぐに飛び去ってどこかに行ってしまいました。待ち構えていても、突然やって来るので、写真は写すことが出来ませんでした。4日目に訪れたときには姿を見せなかったので、まあいいか、と諦めてしまいました。

「去年は来ていた」という青梅丘陵(第四小学校脇)と霞丘陵(愛宕山)のコナラにも、何度も足を運んだのですが、見ることが出来ませんでした。7月下旬になって(結局現れないまま)もうオオムラサキのシーズンは終了、と諦めていたのです。

実は、上記3か所のほかに、もう一か所、目星をつけていた木があります。その3か所の木よりも樹液の出具合が良くて、(3か所では余り見ていない)ヒカゲチョウ類やカナブン類、カブト、クワガタ、オオスズメバチなども、この木には結構来ていたのです。

それは、霞丘陵の入口を入ってすぐの所にある木で、と言う事は毎回丘陵探訪のたびに、そこを行き来していて、一応チェックは続けていたわけです。

でも、(他の人たちからは)ここにオオムラサキが来ることは聞いていなかったし、こんな(手軽に来れる)ところにいるわけないだろう、という僕自身の思い込みもあったのですね。それで、丘陵への行き帰りに(ヒカゲチョウ類とかカナブン類とかを撮影しながら)短時間チェックするだけで、あまり真剣にオオムラサキが来るのを待とうとは思っていなかった。それと、この木では、アカボシゴマダラとかには何度か出会っていて、それがまた腹立たしい(その心境の説明はまた別の機会に)という思いもありました。

8月に入って、(他の蝶の姿さえこのひと月間ほとんど姿を見なかったこともあって)オオムラサキの撮影は完全に諦めていました。

(これまでどこかに隠れていたのかもしれない?秋の蝶がどっと出てき始めた)8月20日、この日は、久しぶりに姿を見せた草原のセセリチョウ類などをどっさり撮影して、バッテリーが無くなり始めた帰り道、いつものように習慣的に入口近くのこのコナラの幹をチェックしていたら、突然オオムラサキの雌が舞い降りてきて樹液を吸い始めた。辛うじてバッテリーが残っていたので、一応たっぷりと撮影しました。





こんなことなら、7月いっぱい、(あちこち出かけずに)ここで粘って雄を待っていたらよかったのに、と思っても、後の祭りです。

4月、5月と、殊更目的とかを設けずに、霞丘陵の同じルートを歩いていて、40種もの蝶を撮影出来たわけで、その自然体のまま続けていくべきだったかな、と言うことですね。変に欲張って、(教えて貰った)ピンポイントの木を狙って、あちこち行き来していたため、結果的に失敗してしまったような気がします。

まあ、いずれにしても、7月中は(そのあちこちに於いても)他の蝶も姿を見せなかったわけなので、オオムラサキの雄を撮影出来なかったのも、どっちみち仕方がない事のようにも思いますが。その後、8月末から9月にかけても何度か(昨日で4回目)チェックしていますが、さすがに雌も姿を現しません。



アカボシゴマダラ
2021.8.11





今はルリタテハが多いですね。結構面白いんですよ。目の前(ほんとに目の前、10数センチ)に近づいても、所在の確認が出来ない。他の多くの蝶もそうなのですが、木の幹に止まると、ほんとに姿を消しちゃうのですね。ルリタテハの場合は、そのことが極端で、、、時折翅を開いて、魔法のように一瞬姿を現すのです。
2021.9.8



あと多いのはカナブン類。カナブン、クロカナブン、アオカナブン、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ(ほか未同定の樹液性ハナムグリ数種)、、、、勢揃いです。オオムラサキ待っている間に、写真撮ったりしていたのですが、あとでチェックしたら、余りいい写真が撮れていません。蝶の写真を撮る時に比べて、「気合」が足りないのかも知れませんね。

ということでカナブン類各種の写真を紹介しようと思ったのですが、それはまた機会を改めてということにして、代わりに昨日(ぶっ壊れたカメラで)撮影したキチョウ(キタキチョウ)の産卵の写真。

キチョウとキタキチョウの関係については、いろいろと言うべきことがあって、それだけで数回分の記事が必要になってくるので、今回はパス。当分の間「キチョウ(キタキチョウ)」の表示で進めて行きます。

以前スジグロチョウ(スジグロシロチョウ)の所でも書いたように、雌が産卵飛翔を行っていると、つい応援してしまいます。一度卵を産み付けてから、そこを離れてふらふらと飛びまわります。改めて食草のあるところを探しているのですが、(目の前に食草があるのに)アサッテの方向に行ってしまう。

「(食草のあるところは)そっちじゃないよ、こっちだよ!」と、ついつい声をかけたくなります。でも僕が蝶に伝えられるわけがない。やきもきしながらも、任せておくしかないのです。すると、ひとしきりあちこち見当違いの失敗を重ねたあと、同じところに舞い戻ってきて、再び卵を産み付けるのです。だったら、最初から同じところに産めば良いのに、と思うのですが、、、。

実際、ごく近縁なタイワンキチョウの場合、一頭の雌が同じ場所に一度に卵塊を作るわけで、、、彼我の違いは、何処にあるのでしょうか。それぞれに、事情?はあるのでしょうね。





マメ科のヤハズソウに産卵中のキチョウ雌。
2021.9.10
14時11分



14時14分
暫し付近を(生むべき場所を間違えながら)飛び回ったあと、隣の株(既に一卵産付済み)に産卵。



14時19分
更に付近を周回し、5分前と同じ株に一卵産付。

その後14時47分までチェック続けたのですが、産卵は行われず、一度僕がこの場所を離れ他の場所を往復して戻ってきた15時19分に再チェックしたら、卵が一個増えて四個になっていました(最初の一卵共々、同じ雌によるものかどうかは不明)。

・・・・・・・・

今日のネットニュースから(「大谷2敗目、44号」については省略)

総裁選・「高市氏、尖閣守るために自衛隊、海保が動ける環境を確立」産経新聞

絶賛の嵐ですね。

*****さん
>素晴らしいね。どおりで女性候補なのにマスコミがスキャンするわけだ。今回は客観的に見て難しいだろうけれど、これから支持を集めて総理になってほしい。応援します。
そう思う:15662/そうは思わない2185:

milk*****
>皆さん、「マスコミがネガスキャンする」と言うけれど、ヤフーニュースは「高市」賛美一色でしょ? ヤフーニュースはマスコミのうちには入らない、と言うわけなのかな?
[そう思う:2/そうは思わない29:]

・・・・・・・・・・

「九州最大級の滝を確認、奄美大島の東海岸、地元の写真家」毎日新聞

*****さん
>(抄出)奄美大島には母の実家があります。母は大学で上京している時に父と出会って結婚しました。島の両親に結婚を猛反対されて島を飛び出したので、私は実家を知りません。テレビで奄美大島に台風がと毎年報道されるたびに、あの島で母が生まれたと思い続けて30年以上経ってしまいました。いつか、私の家族を連れて、母の生まれ育った島を訪ねたいと思っています。

この投稿に関して
>自分を語りすぎて草!
というコメントがありました。

それで、僕もコメントしました。

milk*****
>自分語り、、、、いいじゃないですか。せっかくの想い出話に、こんなコメントを入れるのは、コメ主に対して失礼だと思います。ちなみに僕(兵庫県出身73歳)も、最初の彼女が奄美大島の人でした。
[そう思う:15/そうは思わない:1]

*この(メイン)記事自体に対しては、いろいろと想うところがある(わざわざ今この記事が載る事に対しての違和感とか、奄美の自然の膨大な本質とか)のですが、この地域の記事が出ると、つい反応してしまうので、、、、。

・・・・・・・・・・・

ということで、もうひとつ。

「横当島から噴煙?奄美大島西北の無人島、気象台“噴火はしていない”」南海日日新聞

milk*****
>横当島には、20年ほど前、セミの鳴き声の調査*のために、単独上陸したことがあります。瓢箪型の島で、南側が標高の低い古い地形の山、北側が標高の高い新たに活動中の山です。翌日の昼に漁船が迎えに来るまで、南側の山の山腹にテントを張って一夜を過ごしたことを思い出しました。その時は北側の山からは噴煙は出ていませんでしたが、いつ火山活動を再開してもおかしくないような印象を持ちました。北は三島列島の硫黄島から、行政的には屋久島町に所属する口永良部島、トカラ列島の口之島、中之島、諏訪瀬島と続く“トカラ火山列島”の南端の島で、奄美大島の名瀬港からも遠望することが出来ます。
*その時、日本のツクツクボウシの分布南限産地であることを確認。生物地理学的に見ても、なかなか興味深い島です。
[そう思う:26/そうは思わない:1]





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アパートの裏山(青梅市霞丘陵)探索日記 2021.9.8

2021-09-08 19:27:33 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然




・・・・・・・・・・・

読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・

今朝は昨日とは逆に、起きたら晴れていたので、8時過ぎから裏山(霞丘陵)に向かったのですが、すぐに曇ってきて、お昼前には今にも雨が降りそうな真っ暗な空になってしまいました。

相変わらず、カメラはほとんど作動しません。でも「気合」で頑張って、22種撮影しました(昨日との比:-3種+4種)。新規撮影が2種です。ミドリヒョウモン(今年56種目)とウラナミシジミ(今年57種目)。

しかし今日の収穫は、何といっても実に久しぶりに(6月中旬以来)、モンキチョウに出会ったことです。春に沢山いた“コリアス草原”ではなく(そこでは昨日や今日も含めこの2か月余一頭も見ていない)別の場所(“ウグイスの谷”)です。

3月、4月、5月、あれほど沢山(目視で一か所に100頭余!)群れ飛んでいたのに、、、一体どうなってしまったんだろう、と狐に包まれたような思いでいました。別の場所とは言え、一応出会えた(新鮮な雌を含む3頭目撃)ことで、ホッとしているというか、肩の荷を下ろしたような気分です。

まあ、個体数の増減が“世代によって極端に示される”というのは、そんなに不思議な事ではないのでしょうが。例えば、今の季節は(モンキチョウの場合と反対に、春には僅かにしか見なかった)イチモンジセセリが大量にいますね。これは必ずしもどこか別の地域(“別の場所”ということは有り得るとしても)からやってきたわけではなく、春先にポツリポツリとみられた世代の、子や孫に相当する可能性もあります。産み付けられた卵がどれぐらいの割合で親になるかですね。

イチモンジセセリは、確かに大群になって移動してはいる(僕も昔神戸の自宅上空を黒雲のように覆って移動する集団を見たことがある)のですが、それは必ずしも長距離移動ではなく、案外短距離の移動なのかも知れません。一説によると、目撃されたある大群の推定個体数は“18億頭”だったと。むろん、ごく狭い範囲の個体数だけを目視カウントして飛翔大群全体の面積に換算してはじき出した数字で、“盛り過ぎ”の可能性もあるとはしても、発生の仕方によっては、途方もない数に成っても不思議じゃないのです。

別に、ウイルスに結びつけるつもりはありませんが(嘘、たぶんある?笑)、自然界の「あらゆる存在」は、“神出鬼没”なのです。

・・・・・・・



今年55番目の撮影種:ヒメアカタテハ
蝶の中で唯一のコスモポリタン種。都会の真ん中、絶海の孤島、氷雪の高山、灼熱のジャングル、、、何処にでもいます。むろん日本に於いても最普通種のひとつ。でも、霞丘陵で初めて出会った個体は8月末の55番目。昨日もいました。この蝶も秋になると数が増えるのです。ちなみに撮影場所は、丘陵内部ではなく住宅街の路傍。



今年56番目の撮影種:ミドリヒョウモン
いわゆる“大型ヒョウモン”は、都市近郊の野山にも、6~7種が分布しているはずです。でも、ここ10数年普通に見ることが出来るのは(昔は東京周辺には分布していなかった)ツマグロヒョウモンだけ。他の各種は、どうやら(都市近郊では)減少傾向にあるのだと思います。うち、春にクモガタヒョウモンを撮影。それ以外の種には出会えないで終えるのかな?と半ば諦めていたのですが、無事1種撮影することが出来ました(コリアス草原にて)。



今年57番目の撮影種:ウラナミシジミ
ヒメアカタテハと並ぶ「最普通種」がウラナミシジミ。秋になると街中を多数飛び交っているのだけれど、今年は写真の一頭が初めて出会った個体です。

・・・・・・・・

昨日と今日撮影した写真を何枚か紹介しておきます。



附1:ツバメシジミ



附2:ヤマトシジミ



附3:イチモンジセセリ



附4:キチョウ(キタキチョウ)
“コリアス草原”に(この数か月)モンキチョウはいないけれど、キチョウは沢山います。



附5:モンキチョウ
ボロ個体ですが、僕にとっては貴重な一枚です。








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2021.9.7 日記

2021-09-07 20:23:21 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・

朝起きたら、今にも雨が降りそうな曇天だったので、今日もスタバに。でもお昼前に晴れて来だした。それで部屋に戻って午後から9日ぶりに裏山の探索です。

さすがに山の中ではまだミンミンゼミもアブラゼミも鳴いています(駅前ロータリーとかではもう鳴いていない)。もちろんメインはツクツクボウシですが。

盛夏、蝶の姿を全くと言って良いほど見なかったのだけれど、ここにきて秋の蝶がドッと出現し始めました。
新規種数の追加は出来ませんでしたが、かなりの数種(今数えたら今日の午後だけで21種)を撮影しました。

“撮影した”と、さらっと言っていますが、カメラが壊れているので、大変な苦労をしているのですよ。一枚の写真を写すのに、平均10~20回(時には30回40回、、、)操作しないとシャッターが下りない。何度も何度もレンズを外し直したり、バッテリーを入れ替え直したり、初期化に設定を戻したり、ぶっ叩いたりして、やっとシャッターが切れるのです。一枚写すたびに、また同じ作業を繰り返さねばならぬ時もあれば、7~8枚続いて写せるときもあります。いずれにしろ一度間を置くとアウト。いつシャッターが下りるか、予測がつきません。目の前に翅を開いて止まっている蝶がいても、10回中8-9回はパスするしかないのです。

それ以前に、目が良く見えない。飛んでる蝶は辛うじて分かるのですが、止まると全く分かんなくなってしまうことが大半です(もっともそのことは僕の目が悪いから、という理由だけではなく、普遍的な現象として指摘することも出来る)。我ながら、この体調で、よくまあ山道を歩き回って写真が写せるもの、と感心してしまいます。

撮影種:スジグロチョウ、キタキチョウ、クロコノマチョウ、コジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、キタテハ、ルリタテハ、ヒメアカタテハ、コミスジ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、ダイミョウセセリ、コチャバネセセリ、キマダラセセリ、ヒメキマダラセセリ、オオチャバネセセリ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ。




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2021.9.3 日記

2021-09-04 06:57:09 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


★9月3日の記事に、応援ありがとうございます。



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・

ひと月ぶりに銭湯に行きました(普段は毎朝晩シャワー浴びています)。「入口は“マスク必着”」「中では“マスク無し”」という、例の(その不思議を何度かブログに書いた)駅前温泉です。

新しく大きなプレートが浴槽の脇に立っていました。
『黙浴願います』
黙ってればいいのね(だったら電車の中などでもマスクせずに黙って座っていれば良いのに、と思う疑問はさておき)。さすが日本の文化です。

日ハム中田の巨人移籍に至る一連の騒動が、ある意味当然のことのように“有耶無耶”に着地してしまう事と、似たようなものだと思います(たぶん“コロナ”も同じような着地方向に進む)。

・・・・・・・・・

菅さん(二階さんともども?)降板ですか、、、まあ、お疲れさまでした。

それにしても、金太郎飴のような(ニュースコラム上の)コメント群、、、日本の大衆(ヤフコメ民だけかも知れんですが)の程度の低さ加減には、呆れるしかないです。

・・・・・・・・・

9月になったので、そろそろ「作品」制作に専念します。

本来ならば「中国の蝶」「東アジアの蝶」に取り組みたいのだけれど、それとは別個に「近くの森と庭の蝶」みたいなのに取り組もうとしています。なんとか収入に結び付けたいので。

既成のメディアから原稿料が貰える仕事は20年前ならそれなりに有ったわけですが、今は「蝶のガイドブック」なんて、余程のサプライズでもない限り出版出来ません。

その前提で、「ポピュリズム」(国民総自己中)の空気を頼りにして、唯一需要に結びつくべくアピールできそうなのが、「(自宅の)庭に蝶を呼ぶ方法」のレクチャー。

しかしそれは、僕の信念からは最も離れたところにあることなので、(もし僕にその能力があるとしても)するべきではない。

「蝶の棲んでいる空間に自分も住む」なら、まだ良いと思います。ちなみに、一般的には、「自分の庭に蝶を呼びよせる(実質的には食草や訪花植物共々持ち込む)」ことは“自然愛好”の行為と称賛・歓迎され、「森に踏み入る(「家を建てる」など以ての外!)」ことは“自然破壊”の行為として忌避されるように思うのですが、、、僕は逆なんじゃないかと。

自然保護の立場から、山道の両側にロープを張って「観察フィールド」を作る(見せてあげる、教えてあげる、、、教育ですね)。例えば「萌芽更新地」とか「薪炭林」というのは、実際にそこで生活が為されていたからこそ成り立っているわけじゃないですか。しかし、今やっていることは(一般人立ち入り禁止)アトラクションとしてのパフォーマンス。「雑木林」「里山」の存在の本質(動きの部分)としての、ネガティブな要素の大切さ(それを切り捨てていくことの恐ろしさ)を、どれだけの人がきちんと認識出来てるのでしょうか? 

まあ、そんなこと言ってたら、売れる本も売り損ねてしまいかねません。

既成(出来れば大手)メディアから刊行し、複数の書評とかに取り上げて貰えれば、勝算に結びつけることが出来ます。

中身以上に重要なのは「タイトル」(キャッチ・コピー)でしょうね。

老人であることを前面に押し出して、「73歳からの再挑戦!」とか(笑)。「コロナで鬱々としている人々への贈り物」とか。とにかく、大衆の要求との折り合いをつける。「近所の森は僕の庭」みたいな感覚でもって、「チベットの雪山」や「熱帯アジアのジャングル」と同じ視点から「身近な自然」にアプローチする、、、、等々。







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2021.8.27 日記⓵

2021-08-28 07:15:56 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

・・・・・・・・・・

↓数回前のブログにも書いたけれど、もう一度書きます。

「バンクシー」というのがあるそうです。落書き屋さんですね。その“作品(落書き)”には、何10億円の値が付いているんだそうな。衆目の一致するところ「素晴らしい芸術」ということなのだそうです。

郵便ポストに落書きして逮捕された青年がいましたね。かわいそうに、連行中の姿がニュース番組に映されていました。ヤフコメには、「どうしようもない悪人」「社会に不要な犯罪者」「何の価値もないので抹殺を」、、、。

僕には、両者がどう違うのか、よく分からんのですが、、、。

“心正しき大衆”から見れば、確かに違うんでしょうけれど。

・・・・・・・・・・・

今日、午前中に裏山(霞丘陵)を5時間ほど歩いてきました。

入口のところ(オオムラサキが来る樹液が出る木の手前)の草刈りを終えた休耕田に、何故か刈り取られないまま残っている黄色い花の群落がありました。

ショウキズイセンLycoris traubii(あるいはLycoris aurea、、、あとで確かめます)。黄色いヒガンバナです。

ショウキズイセンは、日本の南西諸島に野生し(昔、屋久島やトカラ列島や奄美大島で何度も出会いました)、黄花の種としては他にリコリス・アウレアなど数種が中国大陸に分布しています(「海の向こうの兄妹たち・上・第3章:ゲンゲとヒガンバナの故郷」で紹介した“崖に咲く黄色いヒガンバナ”もその一つ)。

いずれにしろ(どのような経過によるのかはともかく)人為的に持ち込まれたものですね。

ユーチュブにも収録した話題ですが、、、最近、気になって(というか不愉快で)仕方ないのが、(東京近郊の)いたる所でテッポウユリを見かけること。庭に植えられていたり、道端に(雑草みたく)生えていたり、、、。
 
こちらも在来野生は南西諸島で、北は三島列島黒島から南は八重山諸島波照間島まで、諸島(=琉球弧)全域を覆っています(本来はたぶん南西諸島固有種、台湾にも在来分布する由ですが僕は詳細については把握していません)。屋久島の春田浜には、隆起サンゴ礁の上に、茎が著しく短く大きな花だけからなるテッポウユリが咲き競っています。

ヨーロッパにおいては、キリスト教絡みで重要な植物なのですが、その出自は日本なのです。

台湾には別にタカサゴユリも在来分布し、僕は合歓山や阿里山の高山帯で多数撮影したことがあるので「高山植物」だと思っていたのですが、低地帯にも分布しているようです。

この2種の姉妹種的な位置づけ(3種で同一グループを形成)にあるのが、中国大陸原産で、やはりヨーロッパに於いて重要な園芸種となっている「リーガル・リリー」。僕は、30数年前に最初に四川省の九賽溝を訪れたとき、川(眠江)に崩れ落ちる急斜面にこの花が咲いているのを見て、感動した覚えがあります。後に一つ西側の宝興渓谷の崖でも出会いました(あるいは両者は別の種かも知れません)。

その、由緒正しきテッポウユリ(どうやら今身近に見られるのはタカサゴユリとの交雑種らしい)が、東京の至る所に生えている、、、、。

「美しい日本」だから、綺麗な植物がどんどん増えていくのは止められないのでしょうが、、、なんだか不気味です。

・・・・・・・・・・

不気味といえば、なんか最近、皆ナップサック(ナップザック)背負って歩いていますね。僕は昔からずっと(50年ほど前から数年前まで)ナップサックを日常的に愛用していたのですが、この数年間は利用していません。

それと入れ替わるように、皆が揃って(日常的時空で)ナップサックを利用しだした。

僕が使っていた頃は、(日常的な時空で)ナップサック担いでいると、なんとなく白い眼で見られたものですが、、、、それが「日常」化した今は、そんなことはないのですね。でも、僕から見ると、なんだか不気味に思えます。

「皆と同じ事をする」という事は、むろん決して悪い事ではありません。

しかし「皆と同じでないことは良くない」とすることは、悪い事だと僕は思います。

「教科書絶対」の世界は、不気味です。
*ちなみに(これまでにも何度か自慢したような気もするけれど、笑)僕の書いた文章も、(複数)教科書に採用されているのですよ。それも「国語」の、、、。世も末です。

「教育」と「洗脳」の違いは、どこにあるのでしょうね。





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アパートの裏山- Nature of Misty Hill青梅市霞丘陵の自然(and 狭山丘陵“緑の森”)2021.7.12

2021-07-12 21:07:21 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


★7月11日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。



僕は、バカで悪人です。それを証明しましょう。

今朝起きたら、快晴でした。雨の予報だったのだけれど、、、。ほぼひと月、蝶の撮影種の追加が為されず、54種でストップしたままです。よし、今日は一種は増やそう!と出かけることにしました。“金輪際行きたくない” 川(多摩川)向こうの丘陵に行きます。前回は時間が遅かったのでチョウはいなかったけれど、かなり良い環境です。オオムラサキの訪れそうなクヌギも沢山生えているし。まあ、二種や三種は追加出来るでしょう。

でも、多摩川の橋を渡って秋川街道に差し掛かって、“二度と通りたくない”という想いが正しかったことを、改めて思い知らされました。

道の両脇に人の通るスペースが全くない。膨大な数の車がビュンビュン通る。それはもう筆舌を絶するほど怖いですね。怖いのは僕だけじゃなく、ドライバーも怖いでしょう。普通に運転していても跳ね飛ばしてしまいかねない。

人の通行が禁止されているわけではなくても、(常識として)人は通っちゃいかんのです。でも、峠の上(ハイキングコース)に行く必要がある。どうすれば良いか。簡単です。車に乗れば良いわけです。

でも、公共の交通機関は全くありません(注:タクシー利用という手がありますが経済的な事情から僕には不可能な選択肢)。麓には青梅側も五日市側も、様々なバスのルートが張り巡らされている。しかし、行政を跨ぐ峠越えのバスは一本もないのです。これだけの交通量の多い主要道路なのに公共のバスが通っていない。おかしい、と思うのですが、なに、みんな、自家用車を使うから問題ないのです

自分さえよければいい。全員がそう思っているわけで、ということは、「自分さえよければいい、とは思っていない人」は「自分勝手な人」ということになります。

僕は「自分さえよければ良い」とは思っていません。筋金入りの「自然保護・環境保全論者」です(半分ジョーク、半分本気)。エセ、ではなく本物です(笑)。「車」の多用は、環境保全の最大の敵だと思っています。出来る限り「車」の利用を少なくする。簡単です。公共交通機関を充実し、原則それを利用する。どうしても必要な場合は、個人ではなく、家族とか企業単位とかで保有すれば良い。

この考えは、「間違っている」わけです。その理由は「皆がそう考えていない」から。

アメリカの「銃社会」は無くなりませんね。みんな「銃は必要」と思っている。日本の車社会も無くならない。みんな必要と思っているので。

実質(公共交通機関ではない)車しか通らない道を車に乗らずに歩いている、これは「悪い」ことなんですね。一方、「車」によって地球の環境が破壊されていくことは、決して悪い事ではない、、、のでしょう。

・・・・・・・・・・・

イギリスで「(600人)マスクなしスポーツ観戦運動」というニュース。

日本もそのうち(なし崩し的に)追従するのだと思います。全てを有耶無耶にして。

以前「マスクなしピクニック」運動が、「自分勝手な社会的迷惑行動」と見做されていましたね。それを鑑みれば、日本における「マスクなし」集団は、あっては成らぬことだと思いますが、大衆が「空気」に従って認めたことは、同じことであっても「善」になります。

昨年1月、新型ウイルスの人‐人感染確認報道があった同じ日、同じ湖北省で「世界最大淡水魚の絶滅認定が為された」というニュースがありました。僕は、こっちのほうが、遥かに重大ニュースだと思っていたし、今もそう思っています。

僕はバカなので、バカの一つ覚えで何度でも繰り返し言います(「マスク」に対する懐疑はそれ以前から言い続けている)。

コロナはただの風邪。そして「ただの風邪」は、とんでもなく恐ろしい病気。「ただの風邪」から、様々な脅威が引き起こされる。これまでにもそうだったし、今後もずっと、、、。「コロナ」に終わりはない(というか、そもそも遥か昔から始まっている)。

冷静に対さなくてはならない。怖いのは「パンデミック」ではなく「パニック」。様々な“バイアス”で社会が混乱していくこと(医療破壊などを含む)だと思います。

皆、自分だけは、リスクを蒙ることを避けたいのですね。「あらゆるリスクを避ける」ということは、不可能な事です(様々な矛盾に面します)。でも人々はそれを選択する。日本人の性(さが)なのかも知れません。

社会全体が「空気」(実は巨大なスピリチャル、集団的洗脳による幻想)に乗って、どういう方向かはともかく、ぐるりと回って「有耶無耶」に着地するのでしょう。

実際、僕の知人の何人かは、最初からそれを言ってましたね。いや、かなりの数の日本人は、本心では
同じように思っていると思いますよ(コロナが始まった当初から)。“終わりは有耶無耶”と。

「どうせそこに落ち着くので僕らは傍観して流れに身を任せときゃいい」。その通りでしょうね。

でも僕は、傍観出来ない。その結果生み出される「排除」「差別」「ヘイト」「同調圧力」への(実質上の)肯定「空気」には、徹底して抵抗すべきと思っています。

文明・科学に対する無条件信仰の加速、、、、、「リスク完全排除」思想に潜む、とんでもない怖さを覚えるからです。

・・・・・・・・・・・

まあ以上はバカのひとつ覚え、ということで、無視されれば仕方ないです。

今日は快晴です(午後雷)。朝からお昼過ぎにかけて、夏の雑木林の蝶の観察には最高の環境と思われる、川向こうの尾根を歩きました。

蝶が一匹も(大袈裟ではなく)いない!!

オオムラサキどころか、あらゆる蝶の姿を見ないのです(5時間の探索で、ボロボロのコジャノメと、羽化直後と思われるスジグロチョウの各一頭に、それぞれ街に下る手前で出会っただけ)。カナブンもカブトもクワガタもスズメバチもいない、、、、。

いや、原因は(半分)分かっています。

今年の(自然界の)季節は、例年より2~3週間早いペースで進んでいます(昨日出会った人は「3週間ほど早い」と言っていました、僕もそう思います)。それを当て嵌めると、今は7月末か8月上旬になるのですね。その季節は、日本の多くの地域で(寒冷地などを除き)大半の蝶が姿を消します。蝶の種数が多い6月から7月中旬にかけての季節は、とっくに過ぎ去っているわけです。

もっとも、なぜ季節が早く進んでいるのかは分かりません。それと(それにどう関係があるかはともかく)一部の種が姿を現さないまま、出現期を終えているように思えます。出会った蝶の観察者(10人ほど)の全て
の方が言うに、「今年はウラナミアカシジミが全く見れなかった」と。僕がウラナミアカシジミに出会えなかった原因は、僕の経験不足に拠るものと思っていたのですが、あながちそうでもないようです。

オオムラサキは、結局きちんと姿を現してくれるのでしょうか?

・・・・・・・・・・・



二回目に通った「二度と通りたくない道」。9:45























蝶の全くいない森。10:18~11:53











茸。10:48~12:53



雷が鳴ってきたのでバスで帰ります。13:15






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アパートの裏山- Nature of Misty Hill青梅市霞丘陵の自然(and 狭山丘陵“緑の森”)2021.7.10/2021.7.11

2021-07-11 20:30:03 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


★7月9日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。



*ブログへのアップを予定していた「2021.7.6-7.9 日記(下)」と「日本の蝶:イチモンジセセリ類(その5)」を次回に回して、先に昨日と今日の分の報告をしておきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日(2021.7.10)は、珍しく一日中晴天。朝8時50分に部屋を出て、探索優先順位1位の霞丘陵に向かいました。9時20分から正午過ぎまで、いつものコースをめぐったのですが、蝶が全くいない!!

いつもカブトムシやクワガタやスズメバチが集まっている入り口近くのコナラ古木にも、K.M氏に教えて頂いた愛宕山頂の下のコナラにも、ウグイスの谷のクヌギやヤナギにも、オオムラサキどころか、虫の姿さえありません。コリアス草原を隈なく歩き回ったのに、(3月-5月あれほど沢山いた)モンキチョウは一匹もいない。

午後、第四小学校裏の、去年の7月にオオムラサキが来ていたというポイントに移動しました。灼熱の太陽の許、やはり昆虫の姿は全くなし。そのあと15時過ぎまで「青梅の森」をぐるっと回って探索したのだけれど、成果はゼロです。

結局、昨日(7.10)撮影出来た蝶は、ヒメウラナミジャノメだけ。あと見かけた蝶は、モンシロチョウ一頭、クロヒカゲ(第二化?)一頭、オオチャバネセセリ一頭、ダイミョウセセリ(第二化?)一頭、、、どれも撮影は出来ませんでした。

絶好の好天の7月中旬、、、なんで蝶がいないんだろう、、、、、、?

でもって、蝶の撮影は、ほとんど行っていません。オオムラサキが訪れるはずの愛宕山のコナラの木の横に生えていたヤマユリとかを、壊れているカメラと、使い方が分からないスマホ(小米)で撮影していました(スマホでも上手く撮影出来たようですが、パソコンへの取り込み方が分からないので、カメラで撮影した方を紹介しておきます)。

ヤマユリは日本固有種。斜面の笹藪の中に、ポツンポツンと一花づつ咲いているのが、より魅力的な趣きを醸し出しています。

写真1~6












ヤマユリ。青梅霞丘陵。2021.7.10

ちなみに、ヒグラシの鳴き声はまだ聞くことが出来ないでいます(ニイニイゼミは一週間ほど前から鳴いている)。でも、山道を歩いている最中、足元からヒグラシが飛び立ったのに(異なる二か所で)遭遇しました。一瞬なので姿は確認していませんが、飛び立つ瞬間に“ケッ”と音(鳴き声)を立てたので、(これまでの経験上)ヒグラシに間違いないです。羽化間もない多くの個体が、地表近くに潜んでいるのだと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

スマホ(小米)を送ってくださった宮崎の畜産試験所のK氏や、その使い方について遂一教わっているヨドバシカメラ吉祥寺店のM氏に多大なご迷惑をかけていることを想うと心苦しいのですが、それ以前に辛いのは、我が知能の余りの低さ。

例えば、冷蔵庫の使い方は分かります。テレビも何とか見ることが出来ます(宿泊するホテルなどで)。でも(例えば)洗濯機になると、何処を押せばどうなるのか、さっぱり分からない。

僕と機械(殊に電気製品)との相性は、(いろんな意味で)それはもう信じ難いほど最悪なのです。

「パソコン使えてるじゃないですか!」と言われたりもするけれど、出来ること(ごく限られています)は出来る(それも結構高度な操作を行っているみたい、笑)のですが、出来ないこと(ほとんどが相当)は全く出来ません。

操作方法とかが書いてある案内書などを呼んでも、書いてあることの意味(パソコン用語など)が、さっぱり分からない。そのたびに自分の知能の低さを痛感して、限りなく落ち込んでしまいます。

とういことで、スマホの「電源を入れる」「開く」「閉じる」方法に関しては、ほぼ習得出来たようですし、撮影もO.K.で、再現チェックも出来ているようなのですが、パソコンへの移動方法が分かりません。

動画も映像自体は写せているようなのだけれど、再現が出来ません。録音はたぶん出来ていると思います。でも、そこから先、どうすれば良いか、さっぱり分からない。

・・・・・・・・・・・・

今日(2021.7.11)も、天気予報は雨ですね。でもそんなに悪い天気じゃないです。それで、久しぶりに狭山丘陵に向かおうか、どうしようか迷ったのですが、ここは天気予報に従って、慎重に、、、。

ということで、探索は中止することにして、日曜礼拝に出かけたら、晴れてきました。

どうやら、天気予報に従いだしてから、上手くいかなくなってしまっている(蝶の撮影種数追加がストップしたまま)ような気がします。

あまり先の事は考えず、臨機応変に行動した方が良いみたいです。それで、お昼のバスで、瑞穂町経由で、東京都(武蔵村山市)側の自然公園に向かいました。

管理所(案内所)のスタッフの方に、オオムラサキの来る木を教わって、そこで待機することにしました。でもスタッフの方の話では、今年はまだ見ていない、とのこと。しばらく待っていたけれど、やっぱり現れませんでした。樹液は出ているのですが、カナブンが一頭いただけ。オオスズメバチも来ていません。

やはり全体的にチョウ(昆虫全般)自体が少ないのです。
*スジグロチョウの新鮮な夏型(第三化?)がいました(撮影出来ず)。
*アブラゼミの鳴き声を、今年初確認。

とりあえずここでの観察は切り上げて、埼玉側の「緑の森」に移ろうと考えていたら、雷が鳴り出し、雨が降ってきました。

大きな雷が鳴った途端、ヒグラシが鳴き始めました。さあ、いよいよ本番ですね。近いうちに「夜明け前の大合唱」の録音に取り組みます。

蝶の写真は、バス停に戻る際に道端で撮影した、コチャバネセセリだけ。

写真7~10







コチャバネセセリ。武蔵村山市‐瑞穂町境付近。2021.7.11
*3枚目の写真に注目!吸い戻し行動。自分の腹部から水滴を排出した直後です。

・・・・・・・・・・・・・

ところで、「オオムラサキ」は日本の国蝶で、「ヤマユリ」「コチャバネセセリ」は、日本固有種です(見栄えは正反対ですが)。「オオムラサキ」「ヤマユリ」「コチャバネセセリ」が出たところで、ちょっと、その話のさわりを、、、。

・・・・・・・・・・

日本の国蝶について(日本昆虫学会による選定です)。

【最終決定】
オオムラサキ(タテハチョウ科) 一般的な意味での見栄え=10点満点の10点
北海道~九州
朝鮮半島
台湾
中国大陸(北~東~西南部)
インドシナ半島北部
近縁種:1種(中国大陸東南部~西南部)

【ノミネート】
アゲハチョウ(アゲハチョウ科) 見栄え8点
日本全土
ロシア沿海地方
朝鮮半島
台湾
中国大陸(ほぼ全土)
インドシナ半島北部
近縁種:1種(フィリッピン・ルソン島)

【ノミネート】*和名が“帝”なのでノミネートされた。
ミカドアゲハ(アゲハチョウ科) 見栄え8点
紀伊半島南部、四国南部、九州、西南諸島
台湾
中国大陸南部
東南アジア各地
近縁種:多数(東南アジア)

【ノミネート】
ギフチョウ(アゲハチョウ科) 見栄え8点
本州
近縁種:3種(日本中部~北部、ロシア沿海地方、朝鮮半島、中国北部~中部~東部)

【My一押し①】
フジミドリシジミ(シジミチョウ科) 見栄え5点
北海道(南部)~九州
近縁種:2種(台湾、中国大陸中部)

【My 一押し②】
ヒカゲチョウ(タテハチョウ科) 見栄え1点
本州、四国、九州(北部)
近縁種:なし

【My 一押し③】
コチャバネセセリ(セセリチョウ科) 見栄え1点
北海道~九州
近縁種:1種(台湾)

・・・・・・・・・・

日本の国花について

【ノミネート&既成事実的決定①】
キク(キク科)
(チョウセンノギク×ハイシマカンギク:国外からの移入栽培種)
近縁種:主に東アジアに多数

【ノミネート&既成事実的決定②】
サクラ(バラ科)
(ソメイヨシノ=オオシマザクラ×エドヒガン:在来野生集団に基づく栽培品種)
近縁種:主に東アジアに多数

【僕の一押し】
ヤマユリ(ユリ科)
本州、伊豆諸島〈在来野生種〉
近縁種:特に見あたらない?

・・・・・・・・・・

コメントはしません。いろいろ、考えるところがあります。



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2021.7.4 日記

2021-07-04 20:31:52 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


★7月3日の記事に、いいね!その他ありがとうございました。


大谷選手の話題から始まる、かなり難しく複雑な話を書くつもりでいたのですが、、、それを後回しにして(関連はあるのだけれど)非常に気になる記事があったので、それを先に紹介しておきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

絶滅危惧種のタガメ、田んぼで発見、さいたま市でなぜ


こちらも、(様々な“思惑”が入り混じった)非常に難しく、複雑極まりない話になります。
僕も、ごく短いコメントを入れておきました。

>林正美氏の意見を聞きたいです。よろしくお願いします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

4月8日に書こうとしていた「マルバアオダモと里山‐雑木林」の話から始めねばなりません。

その前に書くつもりでいた、(去年モニカが送ってくれた)『マルバアオダモと同じトネリコ属が或る意味主人公となる、「武漢ウイルス」関連で帰国指令を受けた、アメリカのメジャーメディア記者の感想記事』 の翻訳も書かねばならない。こちらは「大谷選手の話題から始まる難しく複雑な話」に関連してきます。さらに言えば「オコエ(妹さんのほう)選手の話」「青葉被告と主治医の話」にも。

僕の中では、アパートの裏山も、蝶も、アメリカンポップスも、明治文学も、コロナとマスクとワクチンも、香港デモも、差別問題も、、、、全部繋がっているのです。でもそれを有機的に結び付けて表現する力が僕にはない。それが悔しいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

W.H.Evans「A catalogue of the Hesperiidae from Europe, Asia and Australia in the British Museum」

部屋の中の100箱余の段ボールのどこかに入っています。探し出そうと重い段ボールを幾つか移動したら、腰と背骨と胸を痛めてしまったので中断。

それをインターネットで見つけました。「ユーラシア大陸編」の502頁が全て復刻紹介されています。これも悔しい(本は日浦勇先生の遺品なので、それを活用したい)ですけれど、とりあえずこっちを読もうと、一日がかりで一頁づつパソコンに取り込んでいるところです。

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一枚ぐらい写真入れといた方が良いみたいなので、適当に出てきたものを(これ、去年のです)。




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アパートの裏山- Nature of Misty Hill青梅市霞丘陵(and 周辺地域の森)の自然2021.6.28

2021-06-29 21:26:51 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


 
“This is the worst trip I’ve ever been on”(「スループ・ジョンB」)、、、は、ちょっと大袈裟にしても、滅茶疲れました。これほど無駄に疲れたのは、2015年の広東省詔(左の扁は“音”)関市始興県に於ける「チ○○を求めて3000里」(歩いても歩いても“あと3km”)の時以来のことのような気もします。
 
朝9時出発。アパートから20分ちょっとのオオムラサキポイントに行ってみたけれど、天気は良いのに姿は見ません。 時間が早すぎるのかも知れないので、付近をぐるりと一周してきました。戻ってきた時も、やはり姿は無し。ボロヒカゲ3種もいません。ボロヒカゲに関してはもう姿を完全に消したとみれば良いのですけれど、オオムラサキは(例年ならともかく今年は)もうそろそろ出ていても良いのではないでしょうか。一時間近く待機していたのだけれど、曇り空になってきたし、途中カモシカに出会ったり、翅を開いたムラサキシジミを撮影したり、それなりの成果もあったので、今日の探索行は早めに切り上げて、(蝉の声*録音用に)K氏が送ってくれたIホーン(?)の使い方を調べたり、オオチャバネセセリの論文をチェックしたりすることにしました。
*ニイニイゼミは6月22日から鳴き始めています。ヒグラシはまだ聴いていない(例年の状況からするともう鳴いていても良いはず)。
 
写真1

二ホンカモシカ。10時22分。
 
写真2

ムラサキシジミ。10時48分。
 
・・・・・・・・・・・・・・
 
でも、まだ正午前です。もうちょっと頑張っても良いような気がします。ついでに、これまで一度も訪れていなかった(多摩川を挟んだ)南側の丘陵も、ちょっと見ておこう。F氏の観察地でもあるこのK医院裏のポイント、M氏に教わった愛宕山の3本の木、狭山丘陵の緑の森、、、オオムラサキはどこもまだ姿を見せていないようなのですが、ネットで検索したら、南側の丘陵、青梅市と日の出の境にあるゴミ廃棄所周辺では、既に発生中となっています。この機会にそっちのオオムラサキの発生状況などもチェックしておこう、ここからすぐ近くみたいだし。
 
それが「大失敗」、8時間、無意味に歩き続けることになってしまいました。
 
上記のごとく、午前中は「楽勝」だったんですよ。今日はそこでやめときゃよかった。
 
・・・・・・・・・・・・・・
 
とりあえず、午前中の撮影写真をもう少し紹介しておきます。
 


オオムラサキポイントの雑木林。K医院のすぐ近くです。M氏は、去年の7月上旬、この木の樹液に来ているのを2頭見た、今年は季節進行が早いので、6月下旬ではないか、という意見です。鳥に詳しいサイトウ氏によると、右から2本目の木の樹幹に、ツミが営巣しているとのこと。9時32分。
 


オオムラサキポイントの雑木林。9時32分。
 


クロホシタマムシ。小型種ですが、翅の金属光沢の美しさは、本家タマムシにも負けません。幼虫はこのコナラの木材を食べて育ちます。9時36分。
 


クロホシタマムシ。9時36分。
 


アオダイショウ。かなり大きいです。9時59分。
 


展望台?の手前の木組みの歩道上で、ニホンカモシカに出会いました。10時14分。
 


人間がいるのを知らぬふりして、木の葉を食べています。10時15分。
 


やっぱり、とりあえず茂みの中に移ろう。10時16分。
 


僕が正面からカメラを向けているので、固まってしまっているみたいです。10時18分。
 


狭義のカモシカ属は3種。(他の生物でもそうなのですが)インターネット上では、ニホンカモシカのみが(これでもか、と言うぐらい)詳しく紹介されていて、他の2種については、ほぼ全くと言って良いほど触れられていません。10時21分。
 


ニホンカモシカ:北海道、本州(中・東部)、四国と九州の一部。タイワンカモシカ:台湾。ニホンカモシカと同一種で亜種関係にあるとする見解や、別種と見做す見解があります。スマトラカモシカ(シーロー):中国大陸南部、インドシナ半島、スマトラ、ヒマラヤ地方。3者の関係は、なかなか興味深いです。例えば、タイワンカモシカ+シーローの分布域は、ほぼタイワンタイマイの分布域と重なりますね。10時24分。
 


ニホンカモシカは、日本固有種で特別天然記念物に指定されています。10時24分。
 


最近は、かなり棲息地が広がって(個体数が増えて)いるようです。ちなみに、科は異なりますが同じ偶蹄類の野生種であるシカ(ニホンジカ)も、この辺りにかなり棲息しています。数日前、オオムラサキポイントの手前の住宅密集地の、住宅から10mほどしか離れていない斜面にいました。写真を撮ろうとカメラを向けたら、住宅地のほうに逃げて行った。この日の昼間には住宅街の中をシカが歩いていたかも知れません。10時25分。
 


特別天然記念物として手厚く保護されているニホンカモシカ、実質的な害獣として認知され駆除されつつあるニホンジカ、、、、皮肉ですね。10時33分。
 


ピンボケ写真です。20分余撮影を続け、まあこんなところで、と切り上げて場を離れたら、一目散で山を下って行きました。僕がずっと前にいて、さぞ怖かったことでしょう。ゴメン。10時34分。
 


ムラサキシジミ。10時45分。
 


ムラサキシジミ。10時48分。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
18年間青梅市に住んでいて、東隣の町が瑞穂町であることを、ついこの間知りました。南隣の町が日の出町であることは、昨日知ったのです。あきる野市と日の出町が別の行政に属することは、たった今知った(笑)。
 
歩いて瑞穂町に行くと、いつの間にか別の行政地域に替わっています。武蔵村山市とか入間市とか、、、。昨日行った日の出町も、いつ通ったのかも分からない(車じゃなくて歩いてですよ)。あきる野市とか羽村市とかの表示が出てきたりします。
 
行政を跨ぐ、ということは(実際面として)どういうことかというと、アクセスが悪い、と言う事ですね。
 


多摩川を渡ります。東青梅南口の交番の若いお巡りさん(山梨の北杜市出身で、子供の頃オオムラサキは沢山見たそうな)の説明が細かすぎて(笑)、かえって迷ってしまった。通りかかったおねえさんに訊ねたら、親切に途中の分岐点まで案内してくれた。そのあと郵便局で地図を書いて貰って、とりあえず多摩川に架かる橋まで辿り着きました。12時26分。
 
しかしここからが大変。町境の峠(二つ塚峠、標高300mくらい?)までの秋川街道は、もの凄い数の車車車車。。。。。。。その(ガードレールもない)脇の歩行は、まさに命がけです。そして、いつまで経っても峠に登り着かない。
 
一帯全てが、老人ホームと霊園とゴミ廃棄所と杉林と雑木林で成っているようです。
 
心身共にくたびれ果てて、峠に辿り着きました(来るんじゃなかった)。十字にトラック道が横切っている(資材廃棄所とかが沢山有るのでそこに行く車をチェックする)管理所のおじいちゃんに訊ねました。
 
僕:
オオムラサキで有名な場所があると聞いてきたのですけれど、、、そんなのあるのですか?
 
おじいちゃん:
もちろんあるよ、でも今日は休みだよ。
 
僕:
休みって?
 
おじいちゃん:
日によって希望者(団体に限る、個人はダメ)を案内していて、その時だけ開いている。
 
僕:
なんだ、飼育しているのか、、、、。
 
おじいちゃん:
いや、そういうわけでもないと思う、詳しい事はここに連絡して聞いて。近い将来、この町(日の出町)の観光の目玉にする目論見らしいよ。
 
僕:
ここから遠いの?
 
おじいちゃん:
左のダンプ道を1.5㎞。
 
飼育放蝶なら、出現が他の地域より早いことも肯けます。わざわざ見に行く必要もないでしょう。でも今日はまだ時間もたっぷりあるし、せっかく(車の洪水の中を)苦労して登ってきたので、一応どんな感じのところなのか、見ておくことにしよう、と示された方向に歩いて下りました(そのまま行くと五日市線の駅に出る由)。曇り空で、蝶もいないでしょうから、写真を撮る必要(ことに時間配分を決めなければならないというプレッシャー)もないし。
 


1.5kmは結構長いのかな?なかなかそれらしき建物は見つからない。あ、これかも。それにしてもオオムラサキ飼育ケージとしては目立ち過ぎない? 14時08分。
 


むろん違いました。ここは、あの有名なロンヤス会談場(日の出町の別荘)なのです。会談場所は、この建物の中で
はなく、ここは入口のモニュメント? 14時13分。
 


少し下ったところにあった道案内。14時17分。
 


ケージのある場所が分かりません。1.5㎞は歩いたと思うんですけれど。やがて住宅街に出ました。庭にいたおばさんに聞きました。電話でご主人だかに聞いて調べて貰った結果、どうやら遥か前に通り過ぎているらしい、とのこと。ここは峠から4kmはあるそうです。それで来た道を引き返し、ロンヤス別荘入口にいたおばさんに訊ねたりして、たぶんゴミ処理所の中ではないか、ということになりました。ここだ! 14時57分。
 


ケージの中で網振って走っている(ちょっとシュールな光景)人がいます。お~い!と呼ぶと、来てくれました。Fさんというおばさん(もとい、おねえさん)で、自分が所属する研究機関(名前聞いたけれど似たようなのが沢山あるので忘れた)から派遣されて来ているのだとのこと。14時57分。
 
僕:
(もし失礼な質問だったらごめんなさい)
飼育放蝶しているのですか?
 
Fさん:
違います。野生集団を一時的に取り込んでいるのです。
 
僕:
見学の為?
 
Fさん:
それも違います。保護と研究のついでに一般の人たちへの啓蒙活動を行っているのです。
 
僕:
一時的、、、というのは、どういう事なのですか?
 
Fさん:
このゴミ処理(集積・廃棄)所には、もともとエノキが数多く生えていて、オオムラサキも多数棲息していたのです。それが処理所の方針で、苔土を大量破棄することになりました。となると越冬幼虫が棲めなくなってしまう。それで、一時的に(といっても年の半分以上?)ケージに移しているのです。羽化すれば外に放ちます。それと個体数を数えるなどの調査も行っています。ここ数年、増えているのですよ。
 
僕:
なるほど、一応、野生のままで「仮の処置」と言うわけですね。僕は、ここのオオムラサキが、他の場所(僕が観察しているところなど)ではまだ見ることが出来ないのに既に発生していることをネットで知って、その理由を“飼育放蝶しているからなのかな?”と思っていたのです。
 
Fさん:
そうではありません。ケージ外の野生の個体もとっくに発生しています。今年は特に早くて、5月末からです。6月に入ってすぐ、雄のピークを迎えました。今はもう雌の時期です(ちなみにF嬢は雌のほうが好きなんだとか)。
 
僕:
え? もうそんな状況なの! これはのんびりしていられない、、、。
 
Fさん:
そうですよ。もうシーズン終わり近くに来ています。
 
と言って、ケージの中の蝶を写したところで意味ないし、野生で沢山飛んでいるという背後の森に“特例で入れてくれ”なんてことも言いたくないし(どっちにしろ今日はもう天気が悪すぎる)、それで、一応目的(実態の確認)は達成したと言う事で、「“金輪際ここには来たくない(車の洪水!)”と思っていたけれど、結構いいところなので、またチャンスがあったら来てみます」と、お礼を言って、そこを辞しました。
 
峠に引き返して「金輪際来たくない」道を通り抜けねば、アパートには戻れません。峠の上で考えました。「車道ではなく山道があるはず、そこを通って戻ろう」と。
 
再び、ケージ、ロンヤス、老人ホーム、霊園、、、を経て、住宅街手前の4kmほどの道を、北側に入る道がないかとチェックしながら歩きました。Fさんは、「時々採集者の声が斜面の上から聞こえたりします」と言っていたはず。ということは、どこかに道はあるのです。
 
途中、広い霊園の中を隅々まで歩きまわったりして、4㎞の道を1往復半、3時間近く「山道」の入り口を探しまくりました。Fさんに聞こうにも既に帰ってしまったみたいだし。道端にいた地元の郵便配達の兄ちゃんに詳しく調べて貰ったのだけれど、何処にも北に分岐する山道は無さそうです。
 


その間の成果はイチモンジセセリ、これだけ。16時00分。
 


今年2頭目のチェック。この時期としては、かなりの貴重な記録です。16時00分。
 


諦めて峠(二つ塚峠)に戻りました。実は、こっちの道も、秋川街道に劣らず、車車車、、、です。それも急カーブの連続で、もちろんガードレールなどありません。ひやひやものです。車の運転手たちも、なんでこんなとこ歩いてんだ、危ないったらありゃしない、と怒っていることでしょう。僕だって、そう思っているから、車の通らない山道探してるんです。峠の市/町境の、ほんの少し青梅市側に入ったところに、ハイキングコースが横切っていました。(たぶん西は御岳山、東は?)とりあえず東に向かってそこを行くことにします。途中左に河辺方面に下る道があるはずです。道標もありました(17時20分)。
 


直進すればいいはずですが、一応右のほうもチェックしておきましょう(17時22分)。思った通りさっきのケージのすぐ上に出ました。仕切りも何もないので、一般の採集者も容易に調査中のオオムラサキを捕らえることが出来そう。生育地を囲い込んで「部外者採集禁止」を訴える権威を持った研究者側も、なんだかなあ、と言う気がしますが、調べている最中の蝶を採集していくコレクターも、トンデモ野郎です。
 
うろうろしていて何か言われると嫌なので、すぐに分岐点に戻りました。道標に従えば、直進した後、どこかで左に曲がって、小作駅に向けて下っているようです。駅ひとつ分行き過ぎますが、まあ仕方がないか。しかし、行けども行けども、左に下る道はありません。少々焦り出した頃、やっと左に(結構いい)道が出現。でも「私有地に付き通行禁止、怪我しても責任は負えぬ」という立札や貼り紙が何か所も。見つかると銃で撃たれたりするのかも知れない(まさか)。ここは安全策を、ということで、仕方なく直進します。
 
またいい加減不安になってきた頃、左に分岐する道。これも、なんだかよく分からないことが細々と書かれたプレートが立っています。「少し先で道が2つに分かれる、右の道は病院の裏に出る、しかし途中で道が消えて通行は困難、左の道は広場に出る、しかし非常に危険な悪路」、、、、そんなこと言われても、、、。諦めて先に進みます。
 
一体この尾根道(ハイキングコース)は、どこまで続いているのでしょうか。時たま見かける道標には「二つ塚峠方面-草花(出口?)方面」と書かれているだけ(あとは「狩猟禁止」と赤字で書かれたプレートがやたら目立つ)。もしかすると、拝島と八王子の間の多摩川縁とかまで行っちゃうのでしょうか?
 


やがて車の音が聞こえて来た辺りで3つ目の左へ下る道が現れました。今度は何にも書かれていません。しかし道標もないので、どうしようか迷った挙句、下ることにしました。何とかなるでしょう。低山のはずなのに、まるで日本アルプスの登山口付近のような急な下りが続きます。本当に標高200m程度なんでしょうか? 
 
やっと下の車道に出ました。どっちに行って良いのか分からずに、とりあえず高速道路?のトンネルの下をくぐって(18時17分)進みました。民家に辿り着いて、今いる場所と道を尋ねました。「小作の南の羽村寄り」とのことで、ほっとしました。そこから小作駅までと、小作駅からアパートまでも、結構大変だったです(各40分)が。
 
思ったこと。
 
山道は、「ハイキングコース」と「自然観察(許可制)路」、あとは私道(通行禁止)だけしか有りません。「生活路」が全くないのです。「生活者」は全員車を利用していて、歩くことはしない。
 
その「ハイキングコース」も、目的地(出発点-到着点)だけが分かれば良い(ハイカーはそれに従って歩くだけ)ので、途中の事などは関係ない、というわけです。





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