フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

五月の最後の日は茶の湯を楽しむ

2012-05-31 | 人々との交流

八ヶ岳の雑木林の朝は、靄のような雲に厚く覆われている。外気温は9度となり、暖かくなった。

今日は、お招きのあった「茶の湯」の会に出かける。妻は、お土産にと朝からパン焼きに専念していた。出来上がったのは全粒粉入りの生地で包んだ餡パンとプチパンだ。「茶の湯」の席にパンとは少し合わないな、と思いながらも、気持ちは「一期一会」である。

約束の時間にお伺いする。参会者は私たち以外に3人の女性の方がおられた。お一人の方が庭に咲き始めた大山蓮華の小枝を茶花として持ってこられた。早速花入れに活けられる。(上の写真)

通された部屋には既にお点前の用意がされていた。炭火を使って茶釜を沸かす茶道具は、洋間風にしつらえられた豪華なものである。

まず、お茶菓子として鎌倉、源吉兆庵の羊羹をいただく。菓子器としてチェコ製のお皿がぴたりと決まっている。

緩やかに流れるような手つきで点てられた茶をいただく。抹茶は、「一期一会」という茶葉だ。抹茶の味はほとんど分からないのだが、深みと軽やかさが混じった味と香りがした。全てがゆっくりしたしぐさで茶会が進んでいく

 

オヒガシ

海外におられたことが長かった「亭主」の方の部屋には、絵画、美術品、工芸品、骨董品、蔵書などが飾られている。レバノンで買われたチェストの上には、ラテン語で書かれた分厚い聖書が置かれ、聖母マリアの絵が架けられている。

お茶の後は、体験された海外の現代史、文化史の話を楽しく聞かせていただいた。先日お亡くなりになった吉田秀和さんの話、東西ドイツ当時の西ベルリンの話、ドイツ旅行の話など。その場をお借りして、「秋のチェンバロとフルートの演奏会」の話もさせていただいた。

心づくしの「一期一会」の茶の湯の席も、夕方に近づいてきたのでお暇させていただいた。